細かく隆起した美しい背中の作り込みに、「背中がエグい」の大歓声に包まれた鎌谷十朱(かまたに・とあけ/24)さん。
昨年9月10日開催の『サマー・スタイル・アワード東海帝王&東海帝王ROOKIE CHALLENGE CUP』では、筋肉量の多い健康美が審査基準となるベディ部門に初挑戦ながらROOKIE部門、カテゴリー総合部門と二冠を達成し、プロカードを手にした。鎌谷さんの背中を作り上げたトレーニング法に迫る。
「やり投げ」で培った素地
「高校の3年間は陸上競技のやり投げに熱中していました。競技の上達のため、ウエイトを始めたのがトレーニングの一歩目です。その頃の種目は、『フルスクワット、ベンチプレス、スナッチ』で、部活ではこれがBIG 3と言われていました。とにかく高重量を追う、何がなんでも挙げるというのがメインで効かせるといった概念はなく、ボディメイクのウエイトに触れたときは『こんなに繊細な作業なのか』と苦手意識が芽生えたほどです(笑)。競技力向上目的ではありましたが、背中の強さの元になっているのはこの時期のトレーニング経験も大きいのかなと思います」
苦手種目だからこそやりこんだ「背中」
「最初の頃、背中は効いてる感覚が全く分からなくて苦手でした。だからこそ、とにかく効く種目を探そうと試行錯誤を繰り返した結果、現在は強みとして評価されるまでになれたのではないかと思います。現在メインに選択している種目はラットプルダウン、ワンハンドロウイング、ベントオーバーロウで、ラットプルはマググリップで持ち方や手首の角度を何種類も細かく変えて、満遍なく全ての筋肉に入るようにしています。ダンベルは始めた当初は7kgでしたが、1年半で14kgをメインセットで扱えるようになりました。増量期はガンガン重量更新を狙って、大会直前は効かせる感覚を大切にという切り分けもしています。あとは僧帽筋になるべく入らないように、肩をすくめないという意識はしています」
看護師と競技との両立
「私は普段、看護師として従事しているのですが、仕事の特性上で定時はあってないようなもので、シフト制で日・夜勤があるなど生活リズムも不安定です。また、仕事中は常に休む暇なく動いているので、有酸素は大会直前以外は入れなくても絞れていくような状態ですね(笑)。週に4日はトレーニングと決めていますが、夜勤明けの朝にそのまま向かう、日勤だと23時頃から行って寝るのは25時過ぎで7時起床のようなハードスケジュールになります。それでも、自分の身体が明確に変わっていくことの楽しさで続けられています。昔から筋トレ女子のYouTuberが大好きで、憧れの身体になりたいという思いでやっています」
「どちらも手放せない大切な人生の一部」
「看護師もボディメイクも、自分がやりたくて大好きなことなので、どちらも手放さず続けていきたいと思っています。もちろん、お仕事は第一優先であり、自分にとっても天職だと思っているので大切に従事しつつ、頑張ってボディメイクにも挑戦していきます。私の原動力は、やっぱり『どちらも大好き』という気持ちですね。どんなに忙しくても、しんどくてもこれからもずっと携わっていきたいし、競技への情熱も持ち続けます」
取材:にしかわ花 大会写真撮影:上村倫代 写真提供:鎌谷十朱
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