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世界チャンピオン大谷美咲の美しい砂時計ボディ! その筋肉美をつくりあげたチャンピオンマインドとは

大谷美咲選手IFBB世界選手権で日本人女子初となる金メダルの快挙を達成した大谷美咲選手。理想の身体を追求し、理想通りの身体につくりあげる大谷選手のマインドとそのセンスはどのように生まれたのか。学生時代のことや現在のトレーニング、今年新たに挑戦することについて伺った。(発売中の雑誌『月刊ボディビルディング2024年5月号』から一部抜粋)

【大会写真】大谷美咲選手の上部から丸みがあるお尻&ビキニフィットネス時代

追求するマインドは学生時代から培われていた

──昨年は、JBBFグランドチャンピオンシップス3連覇、IFBB世界フィットネス選手権では158㎝ 以下級とマスターズ35~39歳級で優勝、さらにはマスターズのオーバーオールでも金メダルを獲るなど、大活躍でした。本日は、日本人女子初の世界選手権での金メダルに輝いた大谷美咲選手にいろいろなことを根掘り葉掘り伺わせてください。

大谷 よろしくお願いします。

――大谷選手が鈴木雅さんのパーソナルトレーニングに興味があるということで、今回様子を拝見させていただきました。そのときの会話の中で、鈴木雅さんが大谷選手のトレーニングを洗練されたものだと評価された
上で、「6歳~15歳までの経験が、自ら考え追求するチャンピオンマインドをつくると言われている」と仰っていました。大谷選手のチャンピオンマインドの秘訣はどこにあるのでしょうか?

大谷 小学校低学年のころは覚えていないですが、昔から負けず嫌いではありました。すごく打ち込んだ記憶があるのは小学校5~6年生のころの課外活動です。夏は陸上(80mハードル)で、冬は雪国なのでクロスカントリースキーをしていました。そのときに、とにかく一生懸命頑張っていた記憶があって、課外活動が休みの日も(連絡を聞いていなくて、休みだと知らなかった)「みんな帰っていくな」と思いながら一人で準備して、先生のところに行ったら、「今日ないよ」といわれて。休みでしたが、先生が凄く優しくて、一緒に練習してくれました。打ち込むという精神はそのころこからあったと思います。

──そういった精神や考え方は小学生のころからというわけですね。中学生のころはバレーボール部に所属されていたと伺っておりますが、そのころはいかがでしょうか。

大谷 中学のときの部活動でも人一倍練習していた思いはあります。とにかく、「ひたすら上手くなりたい」「どうやったらもっと良いスパイクを打てるか」「トスをもっと上手く上げられるか」を考えていました。部活の友達と上達方法を考えたり、家でイメージトレーニングをしたり、一人でやれることをひたすらやったりしていました。

――本やDVDを観たりもしていたのですか?

大谷 そういうのは当時あまりしなかったです。ひたすら練習していました。

――学生時代に部活動に打ち込んでいたことが、今の「追求する」ということにつながっているのですね。

大谷 こだわりが強いのかもしれないですね。変な完璧主義のところもありますし。そういうところかなと思います。

ストイックでカッコイイ女性に憧れてトレーニング開始

――中学のバレーボール部を引退してから30歳でトレーニングを始めるまでは、運動に打ち込んでいなかったと聞きました。

大谷 高校生になってからはアルバイトをしていて、スポーツとは全く無縁の生活でした。学生のときは「脚が細くなりたい」や「痩せたい」と思っていました。当時ラーメン屋でバイトをしていましたが、とにかく「食べない」ということしか思いつかずに、フラフラになりながら低血糖のような状態でバイトしていた覚えがあります……。

――そこからトレーニングを始めたきっかけは何だったのですか?

大谷 フィットネス女子がテレビで話題になることが多くて、有名なAYAさんが印象的でした。自分にストイックに頑張るカッコイイ女性に憧れて、「自分に厳しく何か続けられるものがあればいいな」と思って始めたのがきっかけです。そのときは、筋肉への興味やマッチョに憧れはなかったですね(笑)。

――見た目とかではなく、「自分に厳しく」というところに憧れたのですね。初めて出場したカテゴリーはビキニフィットネスということですが、競技を始めたきっかけは何でしょうか?

大谷 トレーニングを始めたころは競技のことは知らなかったです。トレーニングをやっていく内に競技のことを知りました。最初は競技に向いていないと思っていて、大会に出場することは考えなかったです。トレーニングを継続していくうちに身体が変わっていって、その結果を得たいと思い、競技に興味を持ち始めました。

苦手だからこそとにかく一生懸命練習する

――トレーニングはずっと自己流ですか?

大谷 パーソナルトレーニングを受けたのは鈴木雅さんが初めてでした。ジムに入会したときは基本のことから教えてくれますし、オーナーさんが人に教えているのを聞いていたり、ちょっとしたアドバイスをいただいたりはしていました。パーソナルジムではなく、オーナーさんがいて、会員がいて、和やかな空間という感じ。このようにしっかりとしたパーソナルは、これまでは受けたことがありませんでした。

――鈴木雅さんが「感覚が凄くいい」と言っていました。感覚の良さはどう身につけたのでしょうか?

大谷 苦手だから、とにかく一生懸命やっていました。肩も背中も苦手なので一生懸命練習をしました。サイドレイズなんて全然感覚が分からなかったし、背中のワンハンドロウも本当に難しかったです。今でも苦戦しています。

自身の骨格を理解し必要なトレーニングを追求

――世界チャンピオンという実績を残しながらも、まだトレーニングを追究されているのですね。今年の課題などはあるのでしょうか。

大谷 JBBFで新競技として始動するウェルネスに挑戦をしようと思っているので、全体的な筋肥大、特に脚の強化を課題としています。世界に通用するような身体を早くつくりたいなと思っています。

──ウェルネスに挑戦されるのですね。競技特性上、筋肥大の中でも女性らしさを表現する必要があると思いますが、大切にしていることは何ですか?

大谷 直線的なところをなくしていくイメージでやっています。丸みがある筋肉がいいと思うので、脚の外側広筋やお尻など、しっかり丸みがつくように気にしながらボディメイクをしている感じです。

――丸みをつけるためには?

大谷 体質によるものなのか、その辺りは分かりませんが、筋量がつくと丸みは出てくると思っています。筋腹を太くして、関節に向かって細くなるような筋肉をイメージしていて。トレーニングの可動域はできるだけとって、関節付近にガツッと刺激がこないようなイメージを持ってトレーニングを行っています。

――大谷選手の丸みのある美しい筋肉はトレーニングを追究した結果によるものだということが分かってきました。また、女性らしさといえば、大谷選手のウエストの細さも印象的ですが、実際は細くないとお聞きしました。

大谷 大会に出場した初めのころ(ビキニフィットネス時代)はウエスト60㎝ を切っていたのですが、今は60㎝ を切らないので、サイズ的には増えているんです。

──数値ではなく、見た目の部分で細く見せているのは、どこか秘密があるということでしょうか。

大谷 もともとくびれがあるタイプではないので、どうにかしようと考えて、背中のVシェイプと、骨盤も狭いので、お尻の上部からしっかり筋肉をつけて、くびれを際立たせる。砂時計の形になるように意識をしています。

ご自身のなりたい身体に向かって他人と比べるのではなく、自身の足りない部分と向き合い、ひたむきに練習を重ねる。そのチャンピオンマインドは子どもの頃から培われてきていたものなのかもしれない。

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取材:FITNESS LOVE編集部  撮影:中島康介、Igor&Jakub

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