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「棒のようだった」身体から日本トップクラスの筋肉ボディへ 3時間一定のリズムと軌道でトレーニングを行う43歳

栫久美選手2023年に行われた、関西選手権のボディフィットネス163cm以下級と西日本ボディフィットネスで優勝した、栫久美(かこい・くみ/43)選手。今では日本トップクラスのボディフィットネス選手として活躍する栫選手だが、ジムに入会した当初は有酸素運動ばかりを行っており、身体が「棒のようだった」という。そんな栫選手が筋トレにハマり、力強く発達した筋肉を手に入れた経緯に迫った。

【大会写真】栫久美選手の丸々と発達した大腿四頭筋

ダイエット目的で入会したジムにて、心と身体が変化

昔の身体は「棒のようだった」と語る、栫選手。

「大会に出場する以前は、0号サイズの服を着こなせることが快感でした。でも、スリムな体型を維持できなくなるのが嫌で、食べることが怖かった。食べると、すぐに太ってしまう体質なのです。近くにジムができたので、体型維持のために入会しました。初期は、有酸素運動ばかりしていましたね」

ジム内にあったマシンを触ってみたところ、身体つきが変わっていく面白さに、栫選手はドハマりする。

「週7ペースでガンガン鍛えていたら、メンズフィジークの選手さんに『大会に出てみたらどうですか?』と声を掛けてもらいました。華やかな舞台は苦手でしたが、ちょっと出てみようかな?と思ったのです」

大会出場にあたり、栫選手の食事への考え方も変化したそうだ。

「大会で勝つためには、身体を育てるためにも食べなくてはいけません。これまでずっと抱えていた、食事への罪悪感に対して、やっと『食べても良いよ』と、許可を貰えた気がしました」

 

魅力的な強くて太い脚を作る、栫流トレーニング

栫選手は現在、週5~6回トレーニングを行っている。

「今は3日トレーニングしたら、1回オフを挟みます。部位は①脚、②苦手な種目の練習日、③お尻、④ハム・カーフ・腕、⑤背中、⑥肩。トレーニングが大好きなので、3時間は行っています」

「トレーニング中は、誰とも会話をしたくない!」という栫選手の、トレーニングのこだわりとは?

「一定のリズムと軌道で、対象の筋肉だけを動かすこと。意地でもリズムは狂わせず、根性で機械の如く動かします。トレーニングの参考書は、解剖学書。例えば脚の種目なら、大殿筋の作用や股関節の伸展など、先に文字で理解します。そして、トムプラッツ氏の『失敗をしろ』という言葉を胸に、バーベルを握る。最後のひと絞りまで残さず、潰れるまで、全力を出し切るつもりでトレーニングに挑みます」

 

1日2時間半のストレッチ!?

怪我の痛みの緩和と筋トレのコンディションアップのため、ストレッチは欠かせないそうだ。

「朝に1時間、トレーニング前に30分、お風呂上りに1時間くらいストレッチしています。筋肉が柔らかくなると、神経を圧迫しないので痛みも楽なのです。また、弱点部位は筋肉が硬く伸びないので、そこを中心に念入りに。テレビを見ながら、マッサージボールやマッサージポール、マッサージガンなどを使ってほぐしています」

 

怪我をしても頑張り続ける理由は「我が子のため」

「金メダルを、我が子が喜んでくれて嬉しい!」と笑う栫選手。

「笑顔は得意じゃないし、大会のような舞台に立つのは今でも苦手。でも、我が子に『好きな事を突き詰めて、続けていたら結果が出るよ』と、自分で証明したかったんです。そして『自分も頑張ろうかな』と思って欲しかった。苦しくても、簡単に逃げ出さない背中を見せてきたつもりです」

栫選手が目指すのは、誰もが目を奪われる選手。

「母として、選手として、芯のブレない『強い人』でありたいと思います。出るからにはもちろん優勝を目指しますが、何位であっても印象に残る選手でありたい。今年は身体の様子をみつつ、背中と肩・ハムを強化して、バランスの良い身体を作りたいです。来年の大会出場に向けて、今年も大好きなトレーニングを頑張ります!」

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取材・文:山口夏織 撮影:中島康介

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