元Yoga&Fitness編集部員がインドで本格的にヨガ・アーユルヴェーダを学ぶため1カ月間の「ヨガ修行」を開始。ヨガ初心者、英語もうまく話せない、海外一人旅もしたことないような私ですが、「インド」で学んだことを何話かに分けて伝えていきます。
インドのヨガ修行中、インド人から「日本人は良い人だ」と、勝手に国を代表して褒められ不思議な気持ちになったことがありました。寝坊をしなかったり食べ残しをしなかったり欠席をしなかったからだと思うのですが、果たしてそれが本当に“良い人”なのでしょうか。正解なようで少し違う気もします。時には“良い人”でいることでストレスを感じることもあるかもしれません。今回は私がインドで出会った女性たちから学んだ“良い人”でいることに縛られない生き方についてお話しします。
自由で強い女性
ヨガ修行に参加したのは国籍が皆ばらばら(イタリア、イギリス、ブラジル、スウェーデン、ロシア)の私を含めた6人の女性たち。日本人の私が最年少(26歳)だったのですが、初日から彼女たちの“個性”に驚かされました。
遅刻をしたり、先生の話を遮って何度も質問をしたり、寝っ転がって授業を聞いたり、クラスの内容に納得ができなければ参加しなかったり、誕生日にはクラスを休み、アシュラム(修行場)から泊まりで出かけてしまう人も。
しかし、好きなこと、興味のあることにそそぐエネルギーは強く、習得も早い。誰がなんと言おうと思ったことは貫く強い心を持っていました。彼女たちは日本人的な“良い人”ではなく“個性”と捉えて生きているように感じました。
空気を読む日本人
話を聞きたいから聞く、学びたいから遅刻をしない、美味しいからご飯を残さない、自分の行動が相手に良い影響を与える場合もあればそうじゃないこともあると思います。
そして、自分の意思とは別に「和を乱す行動は良くない」と考える人もいるかもしれません。周りに合わせることができる人は素晴らしいと思いますが、他人に対しても同じであることを求めてはいけません。「空気を読む」ことでストレスを感じるくらいなら、自分の心に正直に生きること。
都合の“良い人”をやめる
自分の心に従った選択や行動なのか、社会から見た都合の“良い人”になってしまっていないか、自分の心に手を当てて考えてみてください。
いつも、やりたいことができず、他人の常識に従ってばかりいると、自分ではない虚像の自分が出来上がります。虚像の自分は、他人に意識がある状態なので、自分勝手に生きる人を否定したりします。
自分勝手だと言われる人はやりたいことをやり、やりたくないことはやりたくないと言っているだけ。そこで自分もやりたくなければやりたくないことを表し、譲り合う。自分に満足している人は、他人を縛らず尊重することもできる。すごくシンプルなことですが、インドで彼女たちに出会ったおかげで、私の心はより自由になりました。
松本実奈美(まつもと・みなみ) 元Yoga&Fitness編集部。退職後、ヨガ修行と一人旅を兼ねて約2カ月間インド生活を送る。WORLD PEACE YOGA SCHOOLの『200 Hour Yoga Teacher Training』講座修了
取材・写真:松本実奈美