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不安障害が生活改善・トレーニングで解消した40歳 健康美コンテストで活躍「人生に再び光が差した」

出産・育児という大きな変化により、メンタルの不調を抱える女性は多い。特に、社会的キャリアを重ね、能力を発揮してきた女性ほど環境の落差から陥りやすいとも言われている、「産後うつ」や「育児ノイローゼ」。まさしくこのような状況から、トレーニングを通じて自分らしさを取り戻した女性がいる。

【写真】佐藤桃子さんの健康的な美ボディ・コンテスト写真一覧

8/11(日)、「健康美」をコンセプトとするボディコンテスト、ベストボディ・ジャパン2024愛知・名古屋大会が開催された。ミス・ベストボディ部門ウーマンズクラス(40歳〜49歳)で上位入賞の活躍を見せた佐藤桃子(さとう・ももこ/40)さんは、「トレーニングに打ち込んだことで人生に再び光が差した」と語った。

「独身時代は航空会社に勤務していて、自由に世界中を飛び回っていました。アメリカ、ヨルダン、ジャマイカ……結婚してからもインドに在住と、刺激と学びに満ちあふれた生活でした」

しかし、帰国しての出産で状況は一変した。

「ようやく授かった、可愛くて大切な宝物。その思いは本当です。でも、子どもを中心にまわる、全く自分の時間のない毎日と、狭いコミュニティ。主人は多忙でほぼワンオペ(ワンオペレーション)での育児という、今までとは180度違う世界で、とてつもない孤独感と焦燥感に襲われました。現役で活躍する友人たちの近況を見ては、自分だけが取り残されたような、すごく遠い場所に置いていかれたような気持ちでした」

そのうち、身体にも不調が頻発するようになった。ホルモンバランスの崩れによる重度の乳腺症、そして乳がんの疑い。婦人科に通ったすえ、すがるような気持ちで心療内科の扉を開いた。診断は「不安障害」だった。

「まさか、自分が心の病になるとは思いもしませんでした。そのとき、『身体を動かすと心にも良い影響がある』と本で読み、主人からもジムに行ってみてはどうか、と提案されたのをきっかけに、半信半疑でパーソナルトレーニングを受けました」

効果は、すぐに表れた。

「やったらやった分だけ身体の変化を感じ、成果が目に見えてわかることが楽しかったです。理想の体型に近づくにつれて、メンタルも昔のように元気を取り戻していきました。そのころにコンテストへの出場をトレーナーに勧められて、目標を持って取り組んだらもっと楽しいかもしれない、と思い切ってチャレンジしました」

トレーニングだけでなく、食事を整え、生活を夜型から朝方へと変えた。6カ月で筋肉量は2kgの増加、基礎代謝も上がり、体脂肪は3%の減少。ボディラインはさらに磨かれていった。

佐藤さんの大会出場数は、今年がシーズン初年度にしてすでに5大会。大好きな祖母ゆかりの地、大分大会ではグランプリを獲得し、祖母の肩にサッシュ(優勝帯)を掛けるという念願を果たした。

悩まされていた症状にも変化があった。

「ホルモンバランスが整ったおかげで乳腺症が治ったんです。乳がんの疑いも無事解消されました。自分らしい心を取り戻したら身体も元気になって、本当に心と身体は繋がっているんだなと思いました」

佐藤さんは今、トレーナーの資格をとるための勉強に励んでいる。

「自分自身の経験を活かして、心に寄り添い、身体だけでなくメンタルも良い方向へと導いていけるトレーナーになりたいです。大会を通じて、挑戦や新しいことが大好きだった自分の気持ちを思い出せました。こういう機会をくださったベストボディ、そしてトレーナーさんたちにはすごく感謝してます。愛してます(笑)」

あなたが何かに停滞し辛い状況にあるとき、フィットネスの世界を少し覗いてみてもいいかもしれない。

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取材:にしかわ花 撮影:上村倫代

執筆者:にしかわ花
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用も行うマルチライター。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。

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佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手

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