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152cmの小柄ボディでコンテスト日本トップ10入りの43歳 「ボディメイクの選択肢としてポールダンスを広めたい」

「私は身長152cmという自分の身体がコンプレックスです。それでも長身の方々がたくさん出場している中で、背の低い私がコンテストで成績を残せているということ、それを自信に頑張っていきたいです」

【写真】美麗!ステージ・ポールダンス・エアリアルフープで魅せる祐香さんのスポーティボディ

祐香(ゆか/43)さんはボディコンテスト『ベストボディ・ジャパン』出場歴3年、昨年は全国戦である日本大会においてトップ10に入るなど目覚ましい活躍を見せている。SNSでは「食べて呑んで回ってボディメイクする43歳」として情報を発信する人気コンペティターだ。祐香さんのトレーニングとの出会いは過酷な病気との闘いからだった。

「34歳で結婚ののち、不妊治療に励んでいました。元々ホルモンの分泌が悪く、なんとか妊娠はしたものの死産となってしまいました。出産時に出血が止まらなくなり、手術と入退院を繰り返しました。心身ともにダウンしてやつれ果ててしまった自分を見て、『このまま女性として終わるのはいやだ』と思いました」

エステやマッサージなどのクーポンを見回っているなかで、偶然見つけたのがパーソナルジムだった。鍛えるという選択肢が今までの人生ではなかった祐香さんだが、入退院で衰えた体力を回復したいという強い思いで一念発起して挑戦したという。

「鍛えるうちにどんどん体力が戻っていくのを感じました。体型もシュッとしてきて、それでもトレーニングやボディメイクというものはどこか自分とは縁遠い世界だと感じていたので、トレーナーに大会出場を勧められてからも1年間断り続けました(笑)」

しかし、病から復帰した自分の経験から誰かのためになればと出場を決意。初出場は忘れていたかつての自分を思い出す、非常に印象深い経験になったと語る。

「20代のころはキャンペーンガールなどでステージに立っていました。ジャンルは違えど、あのころの煌びやかな世界にまた戻ってきたんだとすごく楽しかったです」

祐香さんにとってボディメイクは自分の内面やコンプレックスと向き合う機会であり、病を乗り越えた証であり、同じような境遇に苦しむ人とのつながりとなっていった。ただ、新たな課題にもぶつかった。

「私は食べることが大好きで、大会出場後に我慢が限界を迎えて8kgを一気に太るという壮絶なリバウンドをしてしまいました。これがもとで、より自分自身の心にもっと向き合うようになりました」

一旦、大会出場を休もうかと思ったタイミングで縁があった新たな挑戦に取り組むことを決めた。それはエアリアルフープ(天井から吊り下げられたフラフープを用いて行われるパフォーマンス)とポールダンスだ。

「私には柔軟性や表現力が足りないと感じていたので、エアリアルフープもポールダンスもアウター・インナーマッスルともに刺激し、有酸素にもなり、ポージングやヒールウォークも全部兼ね備えて勉強できる最高の機会になりました」

エアリアルフープ歴とポールダンス歴はもうすぐ2年になる。この2つを取り入れたことでコンテストでの評価も格段に上がったという。表情も柔和になり、より女性的な美しさへの意識が上がったと語る。

「ボディコンテストでさらに上位を目指したいのももちろんですが、スポーツとしてのポールダンスをもっと世間に広めたいという目標ができました。ポールダンスというと夜の世界のショーというイメージを持たれがちですが、本当はとてもエネルギッシュでストイックなスポーツです。ヨガやピラティスのようにボディメイク・運動の選択肢としてポールダンスを広めていきたいです」

今、祐香さんは劣等感や大病という試練を乗り越え広がった世界を存分に満喫している。人生は嫌になるほど何度も壁にぶち当たる。そのときに諦めて座り込むのではなく、越えてみようともがくことが、思いもよらなかった自分と世界を発見できる重大な転機となるのかもしれない。

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取材:にしかわ花 写真提供:祐香

執筆者:にしかわ花
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用も行うマルチライター。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。

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