競技歴1年目とは思えないほど、愛らしい笑顔と堂々たるステージングを披露した美舩亜美(みふね・あみ/28)さん。広島県で行われた『中四国ビキニフィットネス選手権大会』に鳥取県から参加し、見事2位。
生まれは姫路で、結婚を機に鳥取県へ引っ越してきた美舩さん。初めての土地で友人もおらず、寂しさを紛らわすためにジムに通い始めたという。女性ならではの悩みに向き合いながらも続けている、ボディメイクの楽しさについて教えてくれた。
一時太っていたなどではなく、ずっと太っていたことから、「元々はエリートデブだったんですよ(笑)」と話す美舩さん。有酸素運動と食事で10kg以上体重を落として以降、太りたくない一心で体重をキープし続けていた。しかしメリハリのない体型が気になり始め「お尻を鍛えたい」と筋トレを始めた。
「お尻の日」と「上半身の日」を設け、YouTubeやInstagramのトレーニング投稿を参考にしながらトレーニングに励む日々。努力の結果が目に見えてきた途端、「もっときれいなラインがほしい」と、筋トレにハマっていった。 大会に興味を持つようになったのは、当時、参考にしていた筋トレ系YouTuberが大会に出るという動画を見たことがきっかけだ。
「今までトレーニングだけだったけれど、減量したらどんな身体になるんだろう?と考えました。でも田舎がゆえに周りに競技者がいなくて……。困っていたときに知ったのが、廣中れなさんの存在です」
日本屈指のビキニフィットネス選手・廣中選手が鳥取県に住んでいることを知り、今年の2月から廣中選手のパーソナルに通っているという。減量方法もアドバイスをもらっているそうで「とにかくカロリーを下げずに、PFCバランスを調整しながら体重管理をしています」。
女性のダイエットにつきものなのは、女性ホルモンに影響される周期。排卵日や生理の初日はどうしても食欲が我慢できない時もあるそうだが、美舩さんはうまく付き合っている。
「私がとっている対処法としては、家にお菓子などを置かないこと。そして1日くらい食べてしまってもマインドを切り替えることを大事にしています。ホルモンが分泌され、それに応じて食欲が増すのは身体にとって正常なことです。なので、食べたとしても『身体は必要としていたんだ!』と考えています。囚われすぎるのも良くないですし、次の日で調整すればいいだけなので」
今年、初めて減量期間を設けて仕上がった身体は、ウエストが細く筋肉の丸みをおびたメリハリのある身体。「もちろん、トップ選手に比べたらまだまだなんですけど、自分でもこんなラインを作れるんだと嬉しくなりました」と声を弾ませる。
「ポテンシャルが半端ではない」と廣中選手も言うほどの美舩さん。「大会に出るからには勝ちたい」と話す彼女のストーリーはまだ始まったばかりだ。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
文・撮影:小笠拡子