JBBF選手 コンテスト

競技歴2年目で日本大会2連覇の46歳 鍛え上げた美しい砂時計ボディで国際大会も出場

9月29日(日)、晴れの国・岡山県で開催されたJBBF主催の『オールジャパン フィットネス チャンピオンシップス2024』(以下オールジャパン)。昨年、彗星の如く現れた楯岡仁美(たておか・ひとみ/46)選手は、ボディフィットネス163cm超級で当時、同大会に初出場して初優勝を飾っている。

【写真】楯岡仁美選手のバキバキ背中

この階級、実は「連覇」がない。45歳から始まった競技歴2年目にして、今年の優勝で同階級初の2連覇を成し得た楯岡選手。彼女は日本大会という大きな舞台で新たな1ページをつくったといっても過言ではないだろう。表彰式のとき、優勝者として自分の名前を呼ばれた彼女の目には涙が滲んでいた。

「優勝が入れ替わりやすい階級だから本当に嬉しくて。まさか、と一瞬思いましたが、今はほっとしています」

周りからの期待や自分自身で追い詰めてしまった時期もあったかもしれない。目に見えない精神的な部分で、「大会前の数カ月はナーバスになっていた」と楯岡選手は漏らした。

「昨年に引き続き、連覇は狙っていました。でも同時に筋量が多い、若くて大きな選手も増えてきて。ライバルが多いので、並大抵の努力では勝てないし、連覇できないと思いました。ちょっと一人で勝手に落ち込んでいた時期もあったんですよ」と、楯岡選手。

それでも大会は1日、1日と近づいてくる。彼女にとって「トレーニングは精神安定剤」であり、落ち込んでいてもいつも通りにトレーニングを行う。こういった日々の積み重ねに対して「今日も頑張れたから大丈夫」と思えるようになり、気持ちも徐々に向上して普段の自分に戻れたという。

ボディフィットネス163cm超級の新しい歴史を刻んだ楯岡選手の舞台は、まだまだ続く。10月6日、大阪での『JBBFグランドチャンピオンシップス2024』と、10月10〜13日、スペイン・マドリードでの『アーノルドクラシック ヨーロッパ2024』だ。

そして12月16〜19日、東京で開催される『IFBB世界女子選手権』への出場も視野に入れているそうで、競技歴2年目にしてかなりの大舞台が待っている。今後の意気込みについて尋ねたところ、楯岡選手は瞳を輝かせながら未来を話してくれた。

「大谷美咲選手を見て、憧れを抱いて始めた競技。競技歴が浅いにも関わらず、大きな舞台へ挑戦できるチャンスをいただけたことが本当に幸せです。トレーニング仲間、選手の皆さん、運営の方々、審査員の先生方……。トレーニングを始めてから出逢えたすべての人に恵まれていると心から思いますし、皆様のおかげで今の自分があります。感謝の気持ちを胸に、次戦も楽しみながら優勝を目指していきたいです」

楯岡仁美選手

【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。

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取材:小笠拡子 撮影:中島康介

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佐藤奈々子選手
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