ボディメイクを始めた理由で多いのは「ダイエット」だ。そのダイエットを意識するきっかけを与えてくれた背景には、人それぞれの物語がある。JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)のフィットモデルで活躍する生川奈央(なるかわ・なお/42)さんは、「娘に『ゾウさん』と言われたことがきっかけでした」と話してくれた。
30代半ばからダイエット目的でトレーニングを始め、2018年にベストボディ・ジャパンでコンテストデビュー。30代から40代にかけてのトレーニングや身体にはどのような変化があったのだろう。
成長速度は落ちるけど、身体は年々進化する
娘さんの部屋を改装し、自宅サロンを営む生川さん。身体を黒く仕上げるスプレータンニングから始め、現在では筋膜リリースやパーソナルトレーニングも提供している。自身もそこでトレーニングする日も多いようで、現在のトレーニング頻度は週4日。
日曜日は胸がメインでサブとして肩とお尻を、火曜日は背中がメインでサブとしてリアとお尻を、水曜日は肩がメインで腕と腹筋がサブ。そして金曜日は下半身がメインでリアをサブで行う。
このように全身まんべんなくトレーニングをしながらも、育てていきたいお尻と肩に関しては多めに取り入れている。この組み方はダイエットを決意してから支えてくれているトレーナーの提案。身体の成長具合や自分の気持ちも考慮しながら、年々少しずつ変えているという。
「30代のときと比べてやはり年齢的にも筋肉がつきにくい、と感じることは現実的にあります。それでも育てたい部位を注力して取り組むと見た目が変化しているのが分かるので、うれしいですよね。あ、お尻が上がってきたな!とか」
40代になってやめたこと
トレーニングを継続するために “ やらなくなった ” こともあるという。「無理なフリーウエイトトレーニングはしなくなった」と生川さん。30代はデッドリフトやフリーウエイトのスクワットもしていたが関節を痛めることが多くなり、今ではマシン種目がベースだ。
それでも積み重ねることで成長を実感しているそう。四頭筋はレッグエクステンション、ハムストリングとお尻はブルガリアンスクワット、肩はケーブルのアップライトロウが効果的だったという。徐々に扱う重量を上げていき、高重量で10回するセットを行ったら少し落とし、丁寧なフォームで20回程度行うのが生川さん流。
毎回記録しているトレーニングノートを参考にし、高重量のセット前に回数を確認。前回より1回でも多く挙げることを心がけてセットに臨む。重量を増やすタイミングは「同じ重量で13〜15回できたとき」とのことで、「あまり回数が多すぎるとしんどくなっちゃうので」と笑って答える。
これまではビキニフィットネス・フィットモデルの両方で舞台に立つことが多かった生川さんだが、2024年は特にフィットモデルの楽しさを知ったという。キラキラと輝くドレスに胸が高鳴り、華やかさを表現するステージは「ビキニにはない感覚」だそう。
2024年は『オールジャパン フィットモデル チャンピオンシップス2024』で年齢別6位入賞。その経験を糧にして、2025年は迷うことなくフィットモデル1本で舞台に立つという生川さんの姿が楽しみだ。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピング講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材・文:小笠拡子 撮影:中島康介
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