「50歳からトレーニングを始めて、自分自身が変わることができたからこそ、年齢を理由に諦めるのではなく、何歳からでも挑戦できることを伝えていきたいです」
そう語るのは、東山早苗(ひがしやま・さなえ/53)選手。東山選手は、9月22日(火・祝)愛知県名古屋市岡谷鋼機名古屋公会堂にて開催されたJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)主催の『ジャパンオープン選手権大会』にて、「ボディフィットネス」(※)女王の座を勝ち獲った。
(※)ボディフィットネスは、上下左右バランスが取れた、丸みのある立体感を感じる体型が求められる。無駄な脂肪を落とした仕上がりで、各筋肉の鮮明なセパレーションが評価される女性カテゴリー。
【写真】53歳でこんなマッスルに!?東山早苗選手のXシェイプの肉体美

東山選手は『ベストボディ・ジャパン』で日本大会を2度制覇(2024、2025)したのち、今年JBBFに現れたボディフィットネスの新星だ。初年度でハイレベルな大会を制した成長力と華やかな容姿から、「遅咲きの大輪」として注目が集まっている。東山選手はどのようにして、50歳から大きな自己変革を遂げたのか。
大会への挑戦で「何歳からでも変われる」と実感
「トレーニングを始める前は、今より13kgほど体重が重く、『太っているから自分にはできない』と、何事もやる前から諦めてしまうことがありました。年齢とともに疲れやすくなり、老けていくのも仕方がないと諦めていました」
「50歳の節目はきれいな姿で迎えたい」と情報を探すなかで、年齢別ボディコンテストの存在を知り、煌びやかな肉体でステージに立つ選手に憧れを持ったという。
「大会に出ると決めてボディメイクを始めました。ただ、食事を変えて痩せることは何とかできましたが、痩せるだけでは大会で評価される身体にはならないと感じ、トレーニングに打ち込むようになりました」
最初は、この年齢から筋トレをして効果があるのかと不安だったという。だが、少しずつ変わっていくことで、「何歳からでも変われるんだ」と実感するようになったと語る。
「楽して・短期間で・一気に変わることはない」
東山選手がボディメイクを通じて最も変わったのは考え方だという。
「ダイエットの失敗を繰り返していたころは、“楽して痩せる方法”を探し続けていました。置き換え、単品ダイエット、断食など。でも一番効果が出たのは、地味で遠回りに見える“バランスのとれた食事・運動・睡眠”でした」
そして、現在のポリシーは「無理な100点より続けられる60点」だ。
「一度食べすぎただけで諦める、休息を削ってまでトレーニングするなど、100点の結果しか認めない完璧主義が失敗のもとになります。自分の感覚を大切に、疲れているときは無理にトレーニングをせず休む、食べすぎても翌日絶食するなど極端なことはせず、『60点でも継続し続ける』ことを一番大切にしています」
同年代で身体を変えたい人に勧めたい3つのこと
40代・50代まで慣れ親しんだ不摂生からの一念発起は難しい。まず、何から手をつけたらいいのかを聞いた。
「最初は、少しずつでもいいので筋トレを始めてみること。次に、食事もいきなり全部を変えるのではなく、できることから少しずつ改善してみること」
自重でのスクワットやランジなど、日常の隙間でできるトレーニングを一回でもやってみる。夕食後のダラダラ食べの習慣をやめる、たんぱく質を意識してみるなど、「できた経験」を増やすのがやる気をだすコツだという。
「そして3つ目は、思い切って大会出場を目指してみること。私は、大会出場が一番早いと思っています。出場してみると目標が明確になり、ボディメイクも楽しくなります」
出場を申し込めば、決められた日時に必ず大勢の前で自分を披露しなければならない。目標に締切があることの大切さは、競技に限らずあらゆる社会活動においても実感する人が多いのではないだろうか。
東山選手は、今でも大会のたびに課題が明確になり、成長の目標ができるのが楽しいという。
「これからも、年齢に関係なく目標や夢を持っていたいです。そして、毎日を『楽しい』と思いながら過ごしていきたいと思っています」
次戦は、10月11日(日)に開催される、JBBFフィットネス競技の最高峰大会『グランドチャンピオンシップス』。東山選手は、「50歳から始めた筋トレの集大成、応援して下さる皆さまへの感謝を込めて、ステージを思いっきり楽しみたいです!」と意気込みを寄せた。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピング講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
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取材:にしかわ花 撮影:中原義史
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』『Womans'SHAPE』寄稿。記者・ライター、メディアプランナー、エッセイスト。










