産後太りが戻らず、ぷよぷよボディの主婦だった脇長和子(わきなが・かずこ/46)さん。ウエイトリフティングを始めた次女のサポートをするために、筋肉や身体のケア、栄養のことを学び始め、40歳過ぎでトレーナー業とスタジオインストラクターへ転身した。
と同時に、会員さんの手本となるように、4年ほど前から本格的にボディメイクを開始。体重自体はそれほど変わっていないものの、明らかに筋肉がついたことでボディラインが変化したという。
3月23日(日)、愛媛県で開催された『マッスルゲート Women’s contest』のウーマンズウェルネスで脇長さんは優勝を飾った。ウェルネスは下半身の筋量を必要とするカテゴリーで、鍛え上げられた身体は、ぷよぷよボディの面影なし。
仕事柄、普段はコンテスト競技者よりも初心者女性と接することが多いという脇長さん。自身の経験談を交えながら、『40代以上の女性におすすめのボディメイクステップ』を聞いてみた。
40歳以上はインナーマッスルにも目を向けて
筋肉は骨から皮膚までの間に、何層にも重なってついている。表層部にある筋肉をアウターマッスル、深層部にある筋肉をインナーマッスルと呼ぶ。アウターマッスルは成長すると見た目の変化としてすぐに現れるのに対し、インナーマッスルは成長しても見た目の変化としては分かりづらい。
40代以上になると筋肉の衰えが加速する。そのため、アンチエイジングとして筋トレを始める人も多いが、運動初心者がアウターマッスルを鍛える筋トレばかりをすると危ない、と脇長さんは言う。
「私も最初は外側ばかり鍛えていました。でもずっと腰痛を引きずったり、背中も攣ったような痛みを発症したり、という経験があります。外側をやって全く内側が鍛えられないことはないと思いますが、インナーマッスルは特に重要視してほしいですね」
身体の内側を鍛えるために脇長さんが勧めてくれたのは、深い呼吸や体幹を鍛えるドローイン。お腹周りの軸を安定させ、整えてから外側の筋肉も鍛えていく方法だ。反り腰や猫背の解消、それに伴う腰痛・肩こりも楽になり、姿勢や身体のラインも変わっていくという。
運動は、「楽しむ+ちょっとだけ頑張る」を意識
「特に初心者女性は、運動の中に楽しみを見つけること、ちょっと頑張るというルーティンを染み込ませていくことが継続のカギだと思います」
例えば、ダンス系のスタジオレッスンが好きな人がいたとする。レッスン後、15分だけジムでウォーキングをしてみる・1種目だけ筋トレをやってみる。これが「楽しむ+ちょっと頑張る」の具体例だ。
また、「短期的な目標を持つことも重要」だと話す。「●キロ痩せたい」というのはふんわり目標だそうで、大事なのは「いつまでに」という期限だ。ゴールを決めないと途中で嫌になってしまうこともある。
「いきなり特定の部位を1時間やるという筋トレは難しいと思います。まずはいつまでに、どうなりたいかの目標を決めること。そして30分だけ・この種目だけやってみるとか、この曜日はジムに行くというルーティンを設けることが大事です」
夏に向けてのカウントダウンが始まった。ボディメイクを考える初心者がいたら、脇長さんの言葉を胸に、少しずつ変化を楽しんでみてほしい。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材・文:小笠拡子 撮影:北岡一浩