「仕事も主婦業も“できて当たり前”“やって当たり前”ですが、頑張ったら頑張っただけ評価されるのがこの世界の魅力だと思います」
岡本希美(おかもと・のぞみ)さんは、ボディコンテストの魅力についてそう語る。12月8日(日)、夏の似合う男女の祭典をコンセプトとし人気を集めるボディコンテスト、サマー・スタイル・アワード(以下、SSA)の全国決勝戦となる『FINAL』が東京都・ベルサール渋谷ガーデンで行われた。
「地道な努力を積み重ねた成果を、普段見ることのないキラキラした世界でスポットを当ててもらえる。そういうところがどんなに辛くても頑張ろうと思えます」
岡本さんは、今年最も力を注いできた肩から持ち味の引き絞られたくびれ、弾けるような健康的な肉感のお尻と美しいボディラインで1000人近い動員の会場を魅了、ビキニモデル部門ショートクラス(161cm以下)で2位を獲得した。
「夏の地方戦で『肩の筋肉が出にくい』と指摘されてから、ほぼ毎日、肩のトレーニングは欠かしていません。他の部位の締めにサイドレイズ100回か、フロントレイズ100回を行うのが恒例です。肩の筋肉は修復が早いので、2日は空けたことがないこのペースでも充分身体は対応してくれます」
筋肉でのボディライン強化のほか、ビキニ競技らしい女性的な美しさを損なわない努力もしてきたという。
「私は痩せると真っ先に腹部の脂肪が落ちやすく、アバラの形が浮き出たりバキバキの腹筋の線が入ってしまうちため、ステージ中も腹圧をコントロールして柔らかく見せる工夫をしました。日常では余計な張りが出ないように、乳糖(ヨーグルトなど)を摂らないようになどもしました」
疲労やストレスが限界に達して過食衝動がおさまらない日でも小麦製品ではなく米・さつまいもを選ぶなど、勝つためにあらゆる節制と努力を重ねてきた。岡本さんは、自身の甘えに誰よりも厳しい。
「一年かけて全力を投じてきたので2位という結果について悔しい気持ちでいっぱいで、今はまだ来シーズンのことは考えられないですが、12月いっぱいゆっくり心身を休めてからまた考えたいと思います」
努力が報われる世界でも、頑張りきった先に必ずしも栄光だけがあるわけではない。それでも挑戦し続けようとする意志、涙や落胆を隠し歩み続けようとする姿は美しい。煌びやかな一瞬のために地道な数百日を積み重ねてきた実績こそが、彼女たちの輝きを支えている。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:にしかわ花 撮影:夏目英明
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用も行うマルチライター。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。
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