サマースタイルアワードで活躍をする飛田麻未(とびた・まみ /36)
11歳と9歳の子をもつ飛田さん。2児の母として子育てに奮闘しながらも、どのようにしてトレーニングとの両立を図っているのだろう。
「ボディメイクと家庭の時間はメリハリをもつよう日頃から心がけています。私は自宅に帰ったタイミングでスイッチを切り替えていますね。パーソナルトレーナーとして働いているため、自分のトレーニングは仕事の合間の時間を活用して行うことが多いです。短いときは15分程度から長いときは2時間程度まで。特に短い時間のトレーニングでは、部位を絞って取り組んでいます。集中して取り組むことができるので、私には合っているトレーニング法だったと感じています」
そんな飛田さんが昨シーズンから意識を改めたのが大会に向けたコンディション調整。筋トレによる身体づくりに余念はなかったが、食事では良い意味で節制を緩めながら冬のプロ戦に臨んだ。
「2024年は3回大会に出ており、初戦となる大阪大会では目標達成の1位を獲得しました。しかし、夏のプロでは自分自身に過度なプレッシャーをかけすぎてしまい固い動きに。ステージを楽しむことすらできず、結果も納得のいくものとはなりませんでした。そのため冬のプロ戦はあえて大会を意識しないよう心がけたんです。今までは大会まで毎日カウントダウンをしたり、楽しみなことも大会後まで我慢していました。でもそれらの小さな我慢を思い切って止めたのです。白米は大会当日まで食べ、食べたいものも無理しすぎず食べました。すると、これまで指摘されていた過度な絞りも改善され、結果はもちろんのこと、ステージを心から楽しむことができたのです」
この経験からボディメイクは単なる身体づくりではなく、安定したメンタルも大きな影響を及ぼすことを再認識したという飛田さん。
「減量期も気持ちの張り方を改善したことで、ストレスなく心も身体も穏やかに過ごすことができました。『ボディメイクを楽しむ』ということを忘れないためにも、ステージングに集中したんです。安定したメンタルは身体のコンディションにも直結します。勝ちにこだわるのではなく、ステージに向かうまでの気持ちを大切にする。「勝とう」よりも「楽しもう」そういった1つひとつのマインドが物事をいい方向に運んでくれると確信しました」
さらに、筋トレでは階段ダッシュも取り入れたという飛田さん。これまで課題に抱えていた下半身を再構築するため、取り入れる選手も少ない階段ダッシュを行った意図とは。
「絞りが足りないと指摘を受ける女性選手は多いと思いますが、私もその指摘を受け続けた1人です。とある大会後のフィードバックで階段をランジで走るようアドバイスをいただいて。それからは、2日に1回、朝の時間帯を活用して階段ダッシュを行いました。100段以上の階段を10往復。ひたすら走りましたね。ブルガリアンスクワットと同じ角度で走ることでお尻の丸みや引き締まった脚を作ることができました!」
「いつも応援してくれる家族や指導をしているお客様の応援が何よりものモチベーションになる」と笑顔で語る飛田さん。誰よりも『美しい』自慢のママとしてこれからもボディメイクに励み続けるだろう。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:池田光咲 撮影:夏目英明
-サマスタ選手, コンテスト
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