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「ブス」といじられた学生時代…27歳がコンプレックスをバネにコンテストで総合優勝に輝くまでに成長 筋トレで自己肯定感が爆上がり

過去の辛い体験やコンプレックスを、未来へ進む力に変えた女性がいる。「底辺な自己肯定感が筋トレで爆上がりした人」と自らを鼓舞し、ボディメイク競技の第一線で戦うのは、高橋千東(たかはし・ちはる/27)さんだ。

【写真】高橋千東さんの球体ヒップ

容姿をいじられていたコンプレックスをバネに大躍進

「学生時代、様々な競技に打ち込んできました。フェンシングではインターハイと国体を経験しています。それでも、私の自己肯定感は地の底でした。運動で培った逞しい肩幅や脚をからかわれ、顔も『ブス』と露骨にいじられていました」

人一倍真面目で優等生であった高橋さんに対し、級友は色々な感情を持っていたのだろう。その真面目さすら「先生の犬」と揶揄されたこともある。

「自分を認められず、『外見』という物差しで皆と自分を勝手に比較しては、ただ落ち込むばかりでした」

そんな高橋さんを救ったのが、ボディメイクだった。コンプレックスだった肩幅や脚を持ち味として生かし、「ベティ」という女性らしい筋肉美を競うカテゴリーでデビューから頭角を表した。

2022年、『サマー・スタイル・アワード(以下、サマスタ)』に出場し地方戦で優勝したのを皮切りに、翌年にはプロ選手として選抜された全国頂上戦で2位を獲得。そして2024年には『NABBA』でもビキニ部門3冠・プロ戦オーバーオール優勝、サマスタでベティプロ戦2位という快進撃を続けている。

「今でもたまに過去の自分が顔を出しそうになりますが、ボディメイクを頑張り続けてきたことで、結果だけでなく頑張ってきた過程も含めて自分を認めて肯定できるようになりました。心が揺れたときに以前は落ち込むだけでしたが、今はさらに頑張ろうという熱意に変えられています」

選手としての転換期「野生派から理論派へ」

「これまで指導者を持たず“本能”でトレーニングを続けてきましたが、昨年から理論派の指導者に師事したことで、トレーニングレベルに大きな向上がありました。食生活も今までおろそかにしてきた細かな部分を見直してオフ期から取り組み、今年はさらにクオリティを上げた姿を見せたいと思います」

今年、高橋さんはNABBAでの連覇と、サマスタでは“7連覇の絶対女王”射手矢味香さんからの王座奪取を目指す。

「ただ『楽しい』でやってきたトレーニングを、『達成感よりも目的意識を明確にした競技者の視点』で見られるようになり、一皮剥けたと感じます。この頑張りを人との比較に使わず、自分自身で完結してさらに向上にしていこうと思えるようになり、生きるのがとても楽になりました。自分の目指す理想に向けて、まっすぐに頑張っていきます」

高橋千東さん

【SSAアンチドーピング活動】SSA(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。

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取材:にしかわ花 撮影:夏目英明 写真提供:高橋千東

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