「日々、生活するだけで精一杯だなって思うこともあります。それでも、どうせやるなら上を目指したいです」
“永遠の産後太り”からステージに魅せられ1年で−15kg。プロのコンペティターへと一気に駆け上がったことで注目を集めた鈴木育世(すずき・いくよ/46)さんが、今年もサマースタイルアワードへ情熱を燃やす。
働きながら育ち盛りの2児の母として、競技者として、鈴木さんの生活は慌ただしい。
「新年度から子どもたちの進学にともないお弁当を作るようになることで、これまで日課だった早朝の有酸素運動の時間が難しくなりました。生活スタイルもかなり変わるため、今はなかなか見通しが立たないですね」
できないことが増えていくなかで、現状でできることだけは着実にこなしていくと決めている。
「欠かさないのは毎日のストレッチです。食事では、筋肉が欲しがる物を食べて、欲しがらない物はできるだけ控えるようにしています。筋肉の奴隷ですから」
ユーモアたっぷりにそう話す鈴木さんは、昨年プロ選手の資格を取得したビューティーフィットネス(モノキニビキニで引き締まった肉体美を競うカテゴリー)でのさらなる飛躍に向けて戦略を練る。
「ウエストの細さが求められる競技のため、筋トレ前のウエストを絞るストレッチやぶら下がり、ストレッチポールを使った腹筋を取り入れるなどトレーニング以外でのアプローチも取り入れました」
今年の目標はプロ戦で進化した身体でトップ10入りしフリーポーズを披露すること、トップ選手とともにポーズダウンすることだ。
「どんな環境に置かれても、コツコツと努力を積み重ねていけば必ず成果は出ると思っています。万年ダイエッターだった自分が、憧れの選手と同じステージに立つという夢のような体験ができたように、目標を明確にして自身の進化に必要なものをトレーニングにも食事にも厳選して取り入れていきます」
ほんの少しの努力の積み重ねが、いつか大きな夢に届く強固な土台となる。鈴木さんの挑戦と躍進は、一途に目標を見つめひたむきに進み続けることのチカラを教えてくれる。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:にしかわ花 写真提供:鈴木育世
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。
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