ストレッチを中心とした身体のセルフケアを学べるYouTubeチャンネル「前田のまいにちセルフケア by GronG」を運営する前田修平(NASM-PES、はり師・きゅう師)さんが科学的な根拠をもとに、健康的な身体づくりのためのセルフケア方法をわかりやすく伝える本連載。
今回のテーマは「運動は毎日すべき?」についてです。
はじめに:毎日やらなきゃの呪縛
「健康のために運動を始めなきゃ」
そう思い立って、いきなりハードなジョギングやジム通いを自分に課していませんか?
そして、数日後に「今日もできなかった……」と罪悪感に苛まれてはいないでしょうか。
セルフケアの現場で最も多く受ける質問の一つ、それが「運動って、やっぱり毎日したほうがいいんですか?」というものです。
結論からお伝えしましょう。
答えは「YES」。ただし、あなたが思っている「運動」のハードルを、まずはぐっと下げる必要があります。
1. 「運ぶ・動く」はすべて運動である

私たちは「運動」と聞くと、特別なウェアを着て、汗を流す時間を想像しがちです。しかし、漢字の通り「運ぶ・動く」ことはすべて運動です。
・駅までの徒歩や自転車通勤
・家の中での掃除やゴミ出し
・仕事の合間のちょっとしたストレッチ
これらは「NEAT(非運動性熱産生)」と呼ばれ、立派な消費カロリーになります。まずは、「自分はもう、毎日何かしらの運動をしているんだ」と認めてあげることから始めましょう。
2. 「脳」をダマして習慣化する
なぜ運動は続かないのか。それは、あなたの根性がないからではありません。人間の「脳」が、変化を嫌うようにできているからです。
脳は、今の快適な状態を維持しようとします。いきなり「毎日1時間のランニング」というこれまでにない習慣をぶつけると、脳は全力で拒否反応を示します。
継続のコツは、「脳に気づかれないほど、小さく始める」こと。
おすすめは、日常生活の動作に「ちょい足し」する戦略です。
・歯磨きをしながら、つま先立ちを10回。
・トイレに立ったら、スクワットを3回。
・お風呂上がりに、1分だけストレッチ。
「これなら、やってもやらなくても同じじゃない?」と思うような小さな一歩。それが脳の警戒を解き、いつの間にか「やらないと気持ち悪い」という習慣へと変わっていくのです。
3. 自分なりの「ものさし」を持つ
「どれくらい頑張ればいいのか」に迷ったら、RPE(主観的運動強度)という考え方を取り入れてみてください。
RPEは簡単に言うと、「その運動が自分にとってどれくらいキツく感じたか」を数値化した指標です。
RPEの目安は以下の通りです。
・1~2(非常に楽/まだまだできる)
・3~4(楽である)
・5~7(ちょっとキツい)
・8~10(非常にキツい/もうできない)
運動習慣の土台作りには、RPE3~4の運動を毎日おこないます。
ストレッチやウォーキング、簡単な筋トレなど、キツく感じない運動を選びましょう。
まずは「もうちょっとやりたいけど、これくらいにしておくか」で止めておくのがおすすめです。
運動習慣が定着してきたら、RPE6~7の間の運動に週2~3回挑戦してみましょう。
筋トレやランニングなど、「ちょっとキツいけど、なんとかがんばれる」を追加するのが理想です。
このようにメリハリをつけることで、身体も心も燃え尽きることなく、着実に「なりたい自分」へと近づくことができます。
結びに:セルフケアは「自分との約束」

運動を終えた後、「やらなきゃ良かった」と後悔する人はまずいません。終わった後のスッキリ感や達成感は、自分を肯定する最高のエネルギーになります。
いきなりジャンプする必要はありません。まずは「ホップ・ステップ」の「ホップ」から。
今日、このコラムを読み終えた後に、1分だけ身体を動かしてみませんか?
著者:前田 修平(まえだ・しゅうへい)
NASM-PES、はり師・きゅう師。ストレッチを中心とした身体のセルフケアを学べるYouTubeチャンネル『前田のまいにちセルフケア by GronG』を運営。登録者は43万人以上(※2026年5月時点)。科学的な根拠をもとに、健康的な身体づくりのためのセルフケア方法をわかりやすく伝えている。










