横浜でジムの店長を務めるロン・ジェファーソン(Ron Jefferson/31)さんはフィリピン出身で、日本で暮らして20年。両親が先に来日し、その2年後に自身も日本へ移り住んだ。現在は、ピラティスやキックボクシング、カリステニクス、そしてHYROXを軸にしたジムで店長を務めている。そこには、一般的な24時間ジムともスポーツクラブとも異なる、独特の空気があった。

ブランド品関連事業の運営から、ジムの店長へ
ロンさんが現在のジムに関わるようになったのは、もともと別の仕事をしていたことがきっかけだった。
「中古ブランド品のライブ配信事業を行う会社でトップマネージャーを務めています。現在もその会社で働きながら、ジムでも店長として活動しています」
しかし、現在のジムのオーナーであり、自身の社長でもあるミッチさんと、バレーボールを通じて知り合った。
「もともとお互い運動が好きで、一緒に身体を動かす中で『フィットネスでコミュニティを作ろう』という話になり、現在のジムをオープンすることになりました」
ジムをオープンしたのは約1年半前。当初はピラティスとキックボクシングを中心にスタートした。しかし、周辺の利用者からさまざまな要望が寄せられ、現在はカリステニクス(自重トレーニング)やHYROXにも力を入れるようになった。
「マシンだけのジムではなく、オープンスペースを広く取っています。最新のファンクショナル器具を使って、ファンクショナルトレーニングのようなことができるジムにしたかったんです」
自主トレーニング用のスペースと、クラス形式で行うスペースに分かれており、クラスに参加しない会員が横で自主トレをすることもできる。クラスは6~8人程度の少人数制で、多いときには10人を超えることもあるという。
「英語を学びたくて通う人もいる」外国人3割の国際交流型ジム

このジムの最大の特徴は、「国際色の豊かさ」だ。
「スタッフはほとんど全員が英語を話せます。クラスも、全部ではないですが、英語で教えることがあります。カウントを英語でやったり、用語を英語で説明したりしています」
タトゥーもOK。外国人の利用者が多く、現在は会員の約3割が外国人だという。
場所は横浜。日本人会員の中にも、仕事で英語を使う人や、「英語を学びたい」という理由で通う人がいる。
ジムというと、一人で黙々とトレーニングをする場所を思い浮かべる人も多い。しかし、ここでは運動をきっかけに、人と人がつながっていく。
「ジムに通う価値は“コミュニティ”だと思っています。年齢や国籍に関係なく、 お互いに応援し合いながら強くなる場所にしたいです」
人と人の距離が近く、横で自主トレをしている会員がクラス参加者に声をかけたり、励ましたりする姿も珍しくない。
ロンさんは、「ただ身体を鍛える場所ではなく、本気で進化したいトレーニーが集まる『ハイブリッドな基地』であり、かつ人が集まる場所にしたい」と語る。
HYROXで横浜にコミュニティを作りたい

現在、ジムで特に人気なのがHYROXのクラスだ。HYROXは1kmのランニングと、スレッドプッシュやロウイングなどの機能的トレーニングを組み合わせた競技で、近年日本でも注目を集めている。
HYROXのクラスはロンさんが指導しており、HYROX365の修了認定も持つ本格的なコーチだ。
参加者の年齢層は21歳から60代までと幅広い。
「少人数制なので、レベル差があっても、自分が重さを変えたり、内容を調整したりできます。みんなで応援し合いながらやる雰囲気ですね」
実際に、横浜大会には5人ほど、大阪大会には14人ほどがジムから出場した。会員だけでなく、スタッフも全員出場しているという。
ロンさんは、今後さらに横浜でHYROXのコミュニティを広げていきたいと考えている。
「HYROXはまだ東京が強いイメージがあります。『東京のジムに行かなきゃ』と思っている人も多い。でも、神奈川にも少しずつ増えてきていますし、うちのジムは駅からも近い。横浜でも、もっとコミュニティを作っていきたいです」
英語が飛び交い、外国人も日本人も一緒に汗を流す。ロンさんが作ろうとしているのは、単なる“鍛える場所”ではない。横浜から、新しいフィットネスのコミュニティが生まれようとしている。

取材・文:FITNESS LOVE編集部 写真提供:ロン・ジェファーソン










