成功までのルートは一本道ではない。ボディメイクにおいても人それぞれの成功譚があり、失敗談がある。今回は少し変わった方法で、美しい身体を手に入れた女性を紹介したい。
「産後、全く痩せずに2年が経ちこれはまずいと思いダイエットを考えました。そして、家族との雑談中に義理の兄が『重力に反することが一番痩せるよ』と勧められたのが“トランポリン”でした」
さやさん(35)は義兄の「1日5分のトランポリンもできなかったら何もできないと思うよ」という言葉で心を決めたという。
「子どももまだ小さく、ジムに行ったり外でマラソンやランニングもできる時間もありませんでした。なので家の中で完結できるトランポリンは最適でした。最初は1日1回5分するだけでもへとへとでしたが次第に慣れていき、1日3回、1回15〜20分くらい飛んでいました。ただ飛ぶだけでなく、音楽をかけてリズムに合わせて飛んできたり、ウエストをねじって飛んだりして楽しく飛んでいました」
実は、トランポリンはNASAがその運動効果を研究・立証した優れた運動である。「運動効率はジョギングより68%高い」とし、宇宙飛行士の地上訓練に取り入れている。全身の70%を占める脚部の筋肉を大きく使用するほか、バランスをとるため体幹も鍛えられる。さやさんにも効果は絶大だった。なんと、5カ月で8kgのダイエットに成功する。
「その後、子ども達も小学校と幼稚園に入学・入園したので日中は1人時間が増えました。そこで今度は体型維持のためランニングに切り替えました。仕事の都合で上海に引越したばかりでしたので、街並みを見たりどこに何があるかを散策しながら1日3〜5㎞ランニングしていました」
しかし3カ月が立ったころ、腰を痛めて断念。さやさんはその原因を「筋肉が全くないからかも」と考え、近くにあったジムでレッスンを開いていたコンバットとボディパンプを習い始めた。それは2年後に上海を出国するまで続けたという。
「その後、日本に戻りフィットネスジムでアルバイトを開始しました。そのとき同僚となった人たちがJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)やFWJ(フィットネスワールドジャパン)に所属しているということで大会に興味を持ちました。そして色々調べていくうちに、私も選手になりたいと思いトレーニングを開始しました」
そして2023年5月、さやさんは多様なカテゴリーと個性的な出場者で知られる『NAO BODY JAPAN』に出場。ビギナーモノキニビキニ部門で優勝を勝ち獲った。その後もAPF (Asia Physique Federation )やサマー・スタイル・アワードなど多様なコンテストを経験。現在はトレーナーになりトレーニングを教える側として活躍している。食事管理の仕方も変遷があったという。
「夜ご飯の白米を抜くことだけを意識している時期や、16時間断食ダイエットなどにも挑戦しました。ウエイトトレーニングを開始してからは、ボディトレーナーさんを雇い、食事を見直して1日3食高タンパク質、低脂質の食事を心がけています」
さやさんは今日も美しく絞られた身体に磨きをかける。
「人生の目標は、一生キレイなお姉さんです!直近の目標は2025年は身体作りに集中して2026年にマッスルゲート、そしてNABBAに挑戦したいです。私自身、ダイエット・トレーニングで人生がすごく変わったので、全人類、筋トレすべきだと本気で思っています。パーソナルトレーナーの活動を通して、運動の大切さ、楽しさをより多くの人に伝えていきたいです」
取材:にしかわ花 写真提供:さや
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用も行うマルチライター。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。