「トレーニングは6〜7年前からしています。もともと太りやすい体質だったので、ダイエット目的で始めました。ただ、トレーニングはしていたのですが、食事管理は特にせず好きなもの(お菓子やパン、アイス)などを満足するまで食べていました」
上田大貴(うえだ・だいき/29)さんの当時の体型は162cmで82kg。有名選手のセミナーやトレーナーからの指導、『IRONMAN』や『マッスルメディアジャパン』といったトレーニング専門メディアの購読により筋肉はついていったものの同時に脂肪も蓄え、目的のダイエットは果たせずにいた。
「そんなとき、トレーナーさんから『ボディビルの大会に出てみては』と勧められたのが大きな転機になりました。嶋田慶太選手、鈴木雅選手、喜納穂高選手、須藤孝三選手といった憧れの選手が活躍する世界に飛び込むということで、本格的なボディメイクに踏み込む決心がつきました」
始めての減量はカロリーの設定をすることからのスタートだった。決められた数値内で食事を制限するということ自体が始めての体験だったが、予選落ちする夢を見るたびに「ちゃんとやらなければやばい」と気持ちが引き締まったという。最終的にはカーボ量の調節、時期によって白米をさつまいもに変えるなど質の変化を加えるなど、本格的な減量に適応していった。大会挑戦の最中、第一子の誕生を迎えるという大きな環境の変化もあったが、妻の支えと工夫により競技を続けられたと語る。
「子育てと自身の看護師業の両立のため、朝4時や5時からのトレーニングがメインにはなりますが、日中にも妻が子どもを見てくれている間でトレーニングに行けるよう後押ししてくれており、本当にありがたいです。また、もともとは週5回の分割でしたが、3分割でトレーニングが行えるようにメニューを変えました。胸と背中、肩と腕、脚の日に分けて、1時間程度で終わるようにしました。そうすることで子育てや家事にも時間をかけることができ、ストレスなくトレーニングに取り組むことができました」
こうして上田さんは2019年の山口県ボディビル選手権では新人賞獲得。2023年はピックアップ審査落ちと苦渋を飲むも、今年は同大会で10位、マッスルゲート山口大会65kg以下級で5位と着実に成果を上げている。現在の体重は65kg。17kgもの減量により精悍な体型を手にした。
「かっこいい身体になることができてうれしいです。ボディビルを志したときから憧れだったフリーポーズを行うこともできました。次は表彰台を目指して頑張っていきたいです」
取材:にしかわ花 写真提供:上田大貴
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用も行うマルチライター。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。