筋トレビフォーアフター フィットネス

“満月”と呼ばれた会社員が、同じ体重でも見違えるほどシェイプアップ【筋トレビフォーアフター】

「食べたら太るからいつも我慢していて、ストレスで結局リバウンド……完全に負のスパイラルに陥っていました」

ダイエットと聞くと、どうしても体重の増減が気になるものだ。会社員として働くsaho(さほ)さんもその1人だった。食べたら太ると思い込み、カロリーを減らし、有酸素をひたすら続ける。それでも身体は変わらない。むしろ代謝が落ち、リバウンドを繰り返す……。リバウンドのたびに自己嫌悪が積み重なり、「満月みたい」と言われたことも心のどこかに刺さったままだった。

【写真】同じ体重でも、体脂肪率-15% sahoさんの引き締まったメリハリボディ

sahoさん

きっかけは筋トレ好きの夫の存在

そんな負のループを繰り返す中で、流れが変わったのは、筋トレ歴の長い夫の存在。

「食べることを恐れる私に、『正しく食べて動けば変わるよ』と言ってくれて、糖質を適切に取ってトレーニングの質を上げること、下半身を鍛えて代謝を上げること、PFCバランスを整えて削らない食事にすることなどいろいろアドバイスをくれたんです」

この3つを軸に、sahoさんは食事と運動を変えていったが、「ちゃんとやらないといけない」というプレッシャーを感じることも少なくなかったと言う。

「小さい子どももいるので、まとまった時間が取れず、筋トレがしっかりできずに罪悪感に押しつぶされそうな日もありました。ちゃんとやろう、完璧にやろうとするほど苦しくて……。でも、『できる範囲で続ければ良い!』って考え方に切り替えたら、一気に気持ちが楽になりました」

筋トレや栄養バランスを考えて食事をする以前の2019年は、身長171cmで体重58kg、体脂肪率は34%(※)だったが、アドバイスを実行し続け、2025年には体脂肪率19%まで落ちたと言う。体脂肪率は大きく変わったが、体重は以前と同じ58kg。

※体脂肪率は市販の体組成計によるものです。

「見た目が変わったのに、体重が変わらなかったことが衝撃でした!体重を追い求めていたのは何だったんだろうと思いますね(笑)。ダイエットを成功させるために意識するようにしていたのは、毎日少しでも身体を動かして習慣化することですね。そしてできるだけ下半身中心に鍛えて代謝を上げること。下半身のトレーニングはハードなので、エネルギーになる糖質も適切に取って、トレーニングの質を上げることも大切だと感じています」

体重への執着を手放すという大きな変化につながったようだ。仕事、家事、育児に追われ、自分を大切にする余裕さえなくなり鏡を見るたび落ち込んでいたsahoさんが、筋トレを通して少しずつ変わっていった。

「メニューをこなすたび、自分を肯定できるようになりました。以前はちゃんとダイエットを続けられない自分が嫌いと思う気持ちも、今の私をつくった大切な一部なんだと受け止められるようになりました」

ダイエットと聞くと、どうしても体重の増減が気になる。ただ、『痩せること』と『引き締まること』は違う。その日の体重に一喜一憂してしまい疲弊したときは、自分の身体の変化に目を向けるのも良いかもしれない。

次ページ:同じ体重でも、体脂肪率-15% sahoさんの引き締まったメリハリボディ

取材・文:柳瀬康宏 写真提供:saho

執筆者:柳瀬康宏
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。

-筋トレビフォーアフター, フィットネス
-,

次のページへ >

おすすめトピック



佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手