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筋トレの脱マンネリ法!最近結果が感じられないと思ったら試してほしい、アレを変えるだけで筋発達が促される?!部位ごとに詳しく解説!

中級・上級者向けトレーニング法!
少し変えるだけで筋肉が付く!

トレーニング歴が長くなると筋発達のスピードが少しずつ遅くなっていく。結果を得にくくなればモチベーションも低下してしまうわけだが、中級から上級レベルの人にぜひ試してもらいたいのが「グリップ」と「スタンス」の工夫だ。そんな小さなことで結果が変わるのか?と思うなら、これからの解説を最後までしっかり読んでみてほしい。

文:Nathane Jackson, CPT 翻訳:ゴンズプロダクション IRONMAN2019年6月号より修正引用

<本記事の内容>
マイナーチェンジをしよう
部位ごとの種目解説
・胸:インクライン・ダンベルプレス
・上腕二頭筋:スタンディング・バーベルカール
・上腕三頭筋:トライセップスエクステンション
・背中:スミスマシン・ベントオーバーロウイング
・大腿部&殿筋:レッグプレス
・腹筋:ハンギング・レッグレイズ

マイナーチェンジをしよう

マイナーチェンジをしよう

僅差が勝敗を分けるわずかな差で勝敗が決まる競技は多い。本格的になればなるほど、その差はごくわずかなものになってくる。野球でも、打った球がほんの数センチ逸れただけでファウルになったり、ツーベース、スリーベースヒットになったりするし、陸上競技や水泳でも、金メダルと銀メダルの差はコンマ数秒だったりする。

私たちが日々励んでいるジムでのトレーニングについてはどうだろうか。ジムでのトレーニングはスピードや点数を競うものではないし、誰かと対戦するわけでもないので、勝敗を分ける僅差についてあまり考えたことがないかもしれない。しかし、トレーニングに対戦相手がいないかというとそういうわけではない。対戦相手は紛れもない自分自身なのである。また、僅差がないという認識も違っている。なぜなら、ほんの小さな変化が筋発達という結果に大きな影響をもたらすからだ。

そのような工夫は私たちが意識していないだけで、言われてみたらいつの間にか行っていたという人もいるはずだ。例えば、バーからぶら下がって行う懸垂動作を、アンダーハンド(チンニング)からオーバーハンド(プルアップ)に変えてみたら、筋肉への効き方が変わったと感じたことはないだろうか。実際のところ、アンダーとオーバーを入れ替えるだけで、より強く刺激を受ける部位が広背筋上部から広背筋下部へと変わったり、上腕二頭筋や僧帽筋の参加率が変わることが分かっている。

アンダーハンドグリップのチンニングには上腕二頭筋が運動に参加するが、人によっては上腕二頭筋が弱い人もいる。そのような人がオーバーハンドグリップのプルアップを行うと、チンニングよりもたくさんのレップをこなすことができる。グリップを変えるだけで筋肉への刺激の度合いが変わってくるのであれば、マイナーチェンジとはいえ、決して軽視することはできないのだ。

マイナーチェンジを取り入れる際の注意事項グリップをオーバーからアンダーに変える、ワイドからナローに変える、足のスタンス、つま先の向き、インクラインからディクラインなど、トレーニングの中でマイナーチェンジできる要素はたくさんある。しかし、どれだけ加える変化が小さいものであったとしても必ず注意すべきことがある。

どんなにトレーニング歴が長い人でも、マイナーチェンジの際は初級者のころを思い出して、軽いウエイトから試していこう。というのも、トレーニング歴が長ければ長いほど、筋肉や関節は一定の決まった動きを覚えてしまっている。マイナーチェンジが加わることで、刺激の伝わり方が変わり、それが想像していた以上に筋肉や関節への負担になる可能性もあるのだ。どんなに小さなマイナーチェンジであったとしても、しばらくは軽い重量を使って行おう。いきなり高重量での挑戦は避けるのが賢明である。

まずは軽い重量を使って試してみる。そして、効き方に違いがあるかどうかを確認する。加えた工夫を面白いと思うか、不快であると感じるかは人それぞれだ。

もう一つ注意しておくべきことは、行うワークアウトの全種目にマイナーチェンジを加えたりしないということだ。せいぜい1週間ごとに1種目だけ採用するようにし、体がどう反応するかを観察しよう。1種目だけマイナーチェンジしただけなのに、翌週には筋力やパワーが増加しているという可能性だってある。何だかワクワクするような話だ。

ではさっそく、部位ごとに代表的な種目に採用できるマイナーチェンジを紹介していきたい。あくまでも参考例として紹介するが、他の種目にもさまざまな工夫は行えるので、長期的な計画を立てながらさまざまなマイナーチェンジに挑戦してみよう。

部位ごとの種目解説

胸:インクライン・ダンベルプレス

確実に胸筋を肥大させたいと思っているトレーニーなら、この種目は欠かさずにワークアウトに組み込んでいるはずだ。その認識は間違ってはいないのだが、問題は正しくこの種目が行えているかどうかである。どんな種目についても言えることだが、確実に対象筋に効かせるためには正しいフォームとやり方をマスターする必要がある。マイナーチェンジは、正しいフォームがマスターできていることが前提であることを忘れないでほしい。フォームが間違っているのにあれこれ工夫を加えていくことは、場合によっては危険な行為になるので注意しよう。

インクライン・ダンベルプレスのマイナーチェンジ

この種目では背もたれの角度を変えられるベンチ台を使う(アジャスタブル・インクラインベンチ)。今回はこの背もたれの角度を今までとは違う角度にセットして行ってみる。インクライン・ダンベルプレスの場合、背もたれが急傾斜になればなるほど、三角筋前部の参加率が高まる。しかし、三角筋前部は胸筋よりも弱い筋肉だ。胸筋に強烈な刺激を得ようと思ってこの種目を行っているのに、弱い三角筋前部が先に疲労してしまうため、結局、胸筋を追い込むまで運動の継続ができなくなっているというのが多くの人に見られる間違いなのだ。また、多くの人がこの種目を行うとき、いつも同じ角度に背もたれをセットして行っているはずだ。これも大きなマイナスになる。なぜなら、特定の角度でしか運動が行われていないため、刺激を受ける筋線維がいつも同じになってしまうからだ。胸筋の解剖図を見れば分かるが、胸の筋肉は大きく、しかもさまざまな方向に筋線維が流れている。ということは、毎回同じ角度だと胸筋全体を刺激することはできず、完璧な胸筋が遠のいてしまう。この種目でのマイナーチェンジは背もたれの角度だ。

【やり方】
①まずは背もたれの角度を20度にセットする。
②尻と肩をしっかりベンチ台につけ、両足を開いて足裏を床につける。
③両手のひらを正面に向けたグリップでダンベルを保持し、肩の外側にダンベルがくるようにする。
④肩の高さからダンベルを力強く押し上げる。肘が完全に伸びる少し手前で動作を止める。ここがトップポジションだ。
⑤同じ軌道を通ってゆっくりダンベルを下ろす。ダンベルを下ろすときは、肩が不自然に引っ張られないようにする。

【いつ行うか】
プレス系の種目はワークアウトの前半に行うのがいい。多くの人がフラットベンチを最初に行うが、インクラインプレスを最初に行っても問題はない。ワークアウトの前半であればいつ行っても構わないが、この種目を決して最後の種目にしないこと。なぜなら、ダンベルを使う種目はバランスが重要であり、疲労した状態で行うと左右のダンベルのバランスを保つのが難しくなり、ケガをする危険性が高まってしまう。3〜4セット×8〜10レップ行う。別のやり方として、背もたれを45度にセットして1セット目を行い、その後セットごとに傾斜角度を緩くしてやってみるのもいいだろう。セットごとに背もたれの角度を変えていけば、同じ種目なのに胸筋のさまざまな筋線維が刺激を受けることになり、1種目で胸筋全体に効率よく効かせることができるはずだ。

 

肩:ダンベルサイドレイズ

サイドレイズを行っている人を観察していると、多くの人が反動をつけながらこの種目を行っている。反動を使えば腱や靱帯に負担がかかってしまう。そして何より対象筋への刺激が分散されてしまうのだ。肩のワークアウトにサイドレイズを組み込まない人はいないと言っても過言ではないが、やるからには正しく行い、確実に三角筋を刺激しなければ意味がないのだ。これからこの種目でのマイナーチェンジのやり方を解説するが、正しいフォームと動きができているかどうかをあらかじめチェックしておこう。正しくできているという場合に限り、マイナーチェンジによって肩をさらに発達させることができる。

ダンベルサイドレイズのマイナーチェンジ

パワーラックや柱などしっかり固定されているものを片手で握り、空いている側の手にダンベルを握る。マイナーチェンジするバージョンでは片側ずつサイドレイズを行う。足を柱の付け根に添えて、体を柱とは反対側に倒しながら、柱を握っている側の腕を伸ばす。柱とトレーニーの体とで扇形をつくるようなイメージだ。片手に保持したダンベルを体側に下ろした姿勢から丁寧に肩の高さまで持ち上げることで、三角筋側部がギュッと収縮するのが分かる。本来ならダンベルは肩の高さまで持ち上げればいいのだが、それよりもう少しだけ高く持ち上げることで、僧帽筋上部への刺激を強めることができる。僧帽筋を刺激する種目と言えばシュラッグだが、サイドレイズで僧帽筋が刺激されるときは、シュラッグとは異なるタイプの刺激が僧帽筋に得られる。これはこの種目から得られるおまけのようなものだが、ボーナスとも言えるほど価値のあるものである。

【やり方】
①具体的なやり方をもう一度確認していこう。まずは片手にダンベルを保持する。選択する重量は、通常のスタンディング・ダンベルサイドレイズで用いるものよりも軽いものを選択する。
②空いている側の手で固定された柱を握り、柱の付け根に足の側面を当てるようにする。
③柱を握っている側の腕を伸ばして体を倒し、扇形をつくる。これがこの種目のスタートポジションだ。
④この姿勢を保ちながら、ダンベルを肩の高さまで丁寧に持ち上げる。肩より高く持ち上げることで僧帽筋上部への刺激も得られるので、違和感がなければダンベルは肩より高く持ち上げてもいい。
⑤三角筋側部に刺激を感じながら、トップに達したらいったん停止してからスタートポジションまでダンベルを下ろす。なお、動作を行う側の腕は肘を完全にロックさせず、少しだけ曲げておくようにするのがいい。

【いつ行うか】
サイドレイズは、肩のワークアウトの中でプレス系種目を終えてから行うのがいい。また、ワークアウトには三角筋前部、三角筋後部の種目も組み込んで、三角筋の3つのヘッドにバランスよく刺激が伝わるようにワークアウトを組むようにする。片側ずつ行う今回のサイドレイズでは、左右にそれぞれ3セット×10〜12レップを行うようにしよう。

上腕二頭筋:スタンディング・バーベルカール

初めてジムに行き、最初にやってみたのがスタンディング・バーベルカールだったという人もいるのではないだろうか。そして、それ以来、私たちは今もなおこの種目の虜だ。ただ、虜になっていることと効果的に行えていることは違う。もし、この種目で効果がすでに感じられないというのであれば、今こそマイナーチェンジの時期かもしれない。

スタンディング・バーベルカールのマイナーチェンジ

これまではストレートバーで行ってきたバーベルカールをEZバーを使って行ってみる。EZバーはストレートバーより短いというだけでなく、バーの途中に折れ曲がった部分がある。肩幅程度に両腕を開いてEZバーを握ると、ちょうどその角度がついた部分を握ることになるはずだ。角度がついた部分を握ってみれば分かるが、手のひらは完全に上を向くわけではない。もちろん、アンダーグリップでバーを握るのだが、握ってみると、手のひらは内側に傾きながら上を向くはずだ。これだけのことなのに、これでバーベルカールを行ってみると、上腕二頭筋の長頭により強い刺激がもたらされるのが分かる。ストレートバーの時は上腕二頭筋を構成する長頭と短頭が均等に刺激を受けていたが、EZカールバーでは長頭重視の刺激が得られるのである。肘を屈曲して力こぶをつくると上腕二頭筋に盛り上がりができる。この盛り上がりをつくり上げているのが長頭なのだ。つまり、長頭がより肥大すればバイセップスポーズを取ったときの盛り上がりを強調することができるというわけだ。また、EZバーを使ったことがある人なら知っているだろうが、握る部分に角度がついているため手首への負担が軽減される。これもこのバーの長所のひとつである。

【やり方】
①両手を肩幅程度に開き、EZバーをアンダーハンドグリップで握る。
②胸を張り、まっすぐに立つ。保持したバーは体の前に腕を伸ばして下ろしておく。
③下背部は少し反らせ、膝もロックさせずに軽く曲げておく。
④脇を締め、肘を体側に保つこと。これがこの種目のスタートポジションだ。
⑤ここから上腕二頭筋の収縮を意識しながらバーをカールさせていく。バーを肩の高さまで持ち上げたら、そこでさらに上腕二頭筋をギュッと収縮させる。このとき、決して肘を体の前に押し出さないこと。肘が前に出てしまうのは三角筋前部が運動に参加してきているからであり、三角筋前部が運動に参加するとバーが高く持ち上がってしまう。これでは上腕二頭筋の種目ではなくなる。
⑥トップからゆっくり同じ軌道を通ってバーを下ろす。バーは肘が完全に伸びきる手前まで下ろして1レップとする。

【いつ行うか】
スタンディングカールは正確なフォームを維持しながらも高重量を扱うことができるので、上腕二頭筋の筋発達にはとても有効な種目だ。そのため、エネルギーが有り余っているワークアウトの最初にこの種目を行うのがいいだろう。3〜4セット×6〜8レップを行い、しっかり高重量に挑戦してみよう。

上腕三頭筋:トライセップスエクステンション

上腕を太くしたいなら上腕三頭筋を肥大させるのが手っ取り早い。そのために多くの人がトライセップスエクステンションを行っているが、たいていの場合、レップのスピードが速いのが気になる。しっかり効かせるならゆっくりと行い、上腕三頭筋の深部にまでじわじわと刺激を染みこませよう。

トライセップスエクステンションのマイナーチェンジ

通常はベンチ台で行う種目だが、今回はケーブルとEZバーを使ってオーバーヘッドで行ってみよう。頭上に上腕をあげた姿勢でトライセップスエクステンションを行うと、上腕三頭筋の長頭により強烈なストレッチを得ることができる。強いストレッチが得られると、筋肉はその反動で強く収縮する。そのため、上腕三頭筋の深部まできっちり発達のための刺激を送り込むことができるはずだ。

【やり方】
①背もたれが短いベンチ台に座る。背もたれが長いと頭上にあげたウエイトがぶつかってしまうので、必ず背もたれが低いベンチ台を使うこと。
②背中にわずかな反りをつくり、両足を大きく開き、足裏をしっかり床につけて体全体の姿勢を固定する。
③両腕を肩幅程度に開き、EZバーの屈曲しているところをオーバーハンドで握る。
④腕を真上に伸ばし、バーを頭上に押し上げて保持する。これがこの種目のスタートポジションだ。
⑤頭の横にできるだけ上腕を近づけた姿勢を保つ。上腕と頭が離れてしまうのは構わないが、上腕が明らかに外側に開いてしまわないようにすること。
⑥トップに押し上げたバーを、肘を曲げてゆっくり後頭部に下ろしていく。バーを下ろしながら、上腕三頭筋のストレッチを十分に感じ取ろう。
⑦後頭部までバーを下ろしたら、肘が伸びるトップポジションにバーを押し上げる。バーを押し上げるときは上腕三頭筋にギュッとした収縮感を確認すること。

【いつ行うか】
上腕三頭筋のワークアウトには必ずオーバーヘッド種目を取り入れよう。なぜなら、オーバーヘッド種目は上腕三頭筋を構成している筋肉のひとつである長頭を最大限に刺激するからだ。ベンチディップス、マシンディップス、クローズグリップ・ベンチプレスなどの多関節種目をワークアウトに組み込んでいる人は、まずは高重量を用いることができるこれらの種目のいずれかを最初に行う。その後、オーバーヘッド種目を行うようにするのがいい。EZバー・トライセップスエクステンションは3〜4セット×8〜10レップ行う。

背中:スミスマシン・ベントオーバーロウイング

なぜスミスマシンを使うのか?トレーニーの中には軌道が固定されているスミスマシンを避ける人もいるようだが、固定されているからこそ安全で、なおかつ動作を修正し、対象筋への刺激を的確に与えることができるのである。

スミスマシン・ベントオーバーロウイングのマイナーチェンジ

スミスマシンを使ったベントオーバーロウイングでは、通常、オーバーハンドグリップでバーを握って行われてきた。しかし、ここではバーをアンダーハンドグリップで握ってみよう。また、グリップ幅もこれまでのワイドから、今回は肩幅程度にしてみよう。アンダーハンドグリップと肩幅程度の手幅で行うと何が違うのか。試してみると分かるが、バーを引く角度が変わることに気づくはずだ。どちらのほうが引きやすいかといえば、やはり今回のほうだろう。今までのオーバーハンドグリップ+ワイドグリップのときより高重量を扱うことができる。また、引きやすいということは可動域も広がり、広背筋の付け根にまでしっかり刺激を行き渡らせることができる。

【やり方】
①まっすぐに立ち、肩幅程度に腕を開いてアンダーハンドグリップでバーを握る。
②ウエストの位置で上体を45度の角度に前傾させる。
③まっすぐ正面を見るようにし、頭を下げたり、無理に持ち上げたりしないこと。
④背中は常に平らに保ち、丸めたり弓なりに反らせない。
⑤中背部を意識して収縮させ、肘を後方に引き上げるつもりでバーベルを引く。
⑥肩甲骨をできるだけ中央に寄せ、腹部まできっちりバーを引き上げよう。これがこの種目のトップポジションだ。バーを引くときは上体を持ち上げたりせず、45度の角度をキープする。もちろん反動はできるだけ使わないこと。
⑦トップポジションからゆっくりと同じ軌道を通ってバーベルを戻す。肘がしっかり伸びる地点までバーを完全に下ろすこと。

【いつ行うか】
高重量で背中の筋肉をしっかり追い込むことができるので、ワークアウトの前半(1、2種目目)に行うのがいい。その場合、3〜4セット×8〜10レップで確実に背中を追い込もう。ワークアウトのたびにオーバーハンド+ワイドグリップと交互に行うと、バリエーションによって背中の筋肉の隅々にまで刺激を送り込むことができる。バリエーションは背中のような特に大きな筋肉にはとても有効だ。

大腿部&殿筋:レッグプレス

これまで下半身のトレーニングはあまりやっていなかったという人は、今ごろきっと後悔しているのではないだろうか。上半身の形がよくなってくれば、未発達な下半身は余計に見劣りするようになる。なぜ下半身のワークアウトも定期的に行わなかったのかと悔やんでしまうのだ。しかし、状況を変えるチャンスが尽きたわけではない。レッグプレスを行い、さらにマイナーチェンジを加えたやり方もマスターして、上半身に遅れた分をしっかり取り戻そう。

レッグプレスのマイナーチェンジ

レッグプレスを行うときはレッグプレスマシンを使って行われるのが一般的だ。しかし、レッグプレスマシンはメーカーごとにつくりが異なり、ジムによって設置されているマシンのタイプが異なる。自分の通っているジムのレッグプレスマシンが自分の骨格に適しているかどうかは、他のマシンと比較するまで分からないものだ。それでも、幸いにも大きめのフットプレートを備えたレッグプレスマシンが設置されているなら、ぜひ足の位置を変化させて行ってみよう。フットプレートのどこに足を置くかによって刺激される部分が変わってくるからだ。これまでフットプレートの高い位置に足を置いてきたという人は、試しに低い位置で行ってみよう。もちろん逆の場合も同様だ。ちなみに、フットプレートの低い位置に足を置いてレッグプレスを行うと、主に大腿四頭筋に刺激がいく。逆に高い位置だとハムストリングの関与が大きくなり、殿筋にも刺激がしっかりと伝わる。さらに、フットプレートをより深く下ろすようにすると、この場合もハムと殿筋への刺激を強めることができる。また、両足を近づけたクローススタンスで行うと、大腿四頭筋のしずく形をした内側広筋への刺激が高まるので覚えておこう。

【やり方】
①レッグプレスマシンのシートに座り、背中をパッドにしっかりつける。
②両足を肩幅程度に開き、足をフットプレートに乗せる。このとき、つま先は軽く外側に向けておく。
③ウエイトをコントロールし、ゆっくりと膝を曲げながらフットプレートを下ろしていく。
④フットプレートを下ろすときは、曲げた膝を肩に近づけるようなつもりで行う。このとき、膝が外側に開いたり、内側に閉じたりしないようにしよう。
⑤膝が直角まで曲げられたら、その地点をボトムポジションにする。このとき、下背部と殿部がパッドから浮いてしまわないようにすること。膝を直角まで曲げると下背部と殿部が浮いてしまうという人は、無理に膝を直角まで曲げる必要はない。可動域は多少制限されるが、下背部と殿部がパッドから浮いてしまうことのほうが問題であり、ケガの危険性が高まるということを覚えておこう。
⑥ボトムポジションに達したら、力強くフットプレートを押し込んでスタート地点に戻る。スタート地点は膝が完全に伸びきってしまう手前の地点だ。この種目では高重量を用いるので膝は決してロックさせないこと。

【いつ行うのか】
この種目では高重量を扱うことができるが、スクワットのようなフリーウエイトを使った種目をワークアウトの最初に行い、マシンで行える種目は後半に残しておいて構わない。フリーウエイトを使う種目はバランスを保たなければならないため、疲労してから行うのはとても危険だ。その点、レッグプレスではマシンが使われるため、バランスを取る必要はない。ワークアウトの後半に行ったとしても安全に高重量で行うことができるはずだ。3〜4セット×8〜10レップを行い、セットごとにつま先の向きを変えたり、フットプレートの足の位置を変えるなど工夫をしよう。

腹筋:ハンギング・レッグレイズ

雑誌の表紙を飾るようなアスリートは、たいてい腹筋が際立っている。そんなモデルアスリートのような腹筋をつくりたいと思うなら、ハンギング・レッグレイズは必須だろう。そして通常のハンギング・レッグレイズに飽きてきたら、この種目にもマイナーチェンジを施してみよう。

ハンギング・レッグレイズのマイナーチェンジ

この種目は腹筋下部を刺激する目的で行われるが、多くの人が脚を床面と水平になる地点までしか持ち上げない。膝を曲げて行うやり方はニーレイズであり、膝を伸ばして行うレッグレイズよりも難易度が低いのだが、その場合でも大腿部は床面と水平になる地点までしか持ち上げられていない。今回はハンギング・レッグレイズの可動域を広げてほしい。つまり、つま先が腰よりも高い位置にくるまで持ち上げて、十分に腹筋下部を収縮させるようにするのだ。脚が床面と水平になる地点までしか持ち上げないというのは、腹筋下部の可動域を完全に使い切っていないということ。腹筋下部が完全収縮するまでに、この筋肉の可動域はまだ残っているのだ。もし、腰の屈曲筋が主動筋になってしまうことを心配しているなら、むしろ逆である。大腿部が水平になる地点をトップポジションにしてしまうと、腰の屈曲筋が主に刺激を受けてしまう。したがって、腹筋下部を強化する目的でこの種目を行うなら、つま先が腰よりも高い位置にくるまで脚を持ち上げよう。

【やり方】
①腕を伸ばしてバーにぶら下がる。このとき、股関節と膝は軽く曲げておく。
②スウィングさせないようにし、腹筋下部を意識して両脚をできるだけ高い位置まで持ち上げる。
③脚を高く持ち上げれば持ち上げるほど、トップポジションでの脊柱カールがきつくなり、その分、腹筋下部を効率よく刺激することができる。
④トップからボトムに下ろすときは動作をコントロールしながら下ろす。重力に引きずられてストンと下ろすことのないように。
⑤コントロールした動作で下ろすことにより、次のレップを開始する際に反動を抑制することができる。上げるときも下ろすときもできるだけ筋力だけで動作を行うようにしよう。

【いつ行うのか】
この種目は見た目以上に難易度が高いので、腹筋のワークアウトの最初に行うのがいい。疲労してしまうとコントロールが利かなくなったり、思いのほかレップ数を行うことができなくなる。もし、つま先を腰よりも高く持ち上げるのがきついという場合は、筋力がつくまで膝を曲げた状態で行うようにし、フィニッシュでは膝を腰より高く持ち上げるようにして行ってみよう。その後、筋力が向上してきたら、膝を伸ばした状態でつま先を腰より高く持ち上げることができるようになるはずだ。膝を伸ばしても楽に行えるようになってきたら、足首にアンクルウエイトなどをつけて負荷を増やしてみよう。

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