有酸素運動

最強の有酸素運動!?「HIIT」のやり方 実験結果で裏付けされた確かな効果

脂肪を燃焼しながら、筋肉も付けたいという方にお勧めの有酸素運動がある。この記事では、筋発達と体脂肪減量を同時に行うための「HIIT」について解説していく。

<本記事の内容>
HIITとは
HIITが効果的である理由の裏付け
HIITのやり方
●一般的なやり方
●タバタ式
HIITの注意点

HIITとは

HIITは筋発達と体脂肪減量を同時に行う運動法だ

HIITはハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニングの略で、有酸素運動とウエイトトレーニングの両方を組み合わせた運動法。

HIITが効果的である理由の裏付け

●実験①

2015 年に行われた実験では、本格的に筋トレを行うランナーたちと、趣味で走るランナーたちが調べられた。

被験者たちの脂肪燃焼率を比較したところ、前者は33%であったのに対し、後者は16%だった。

つまり、本格的なランナーたちのほうがより多くの脂肪を燃焼させる運動を行っていたということになる。

●実験②

2014 年に、16週間にわたって被験者たちにHIITを行ってもらう実験が行われた。

被験者たちは上半身(アーム・クランクマシン)と下半身(サイクリング)の種目をHIITのやり方でを行った。

実験の結果、被験者たちの有酸素能力が著しく向上したことが分かった。

また、運動を行った上半身も下半身も筋量の増加が認められた。

つまり、16週間続ければHIITは健康づくりに貢献し、体脂肪を燃焼させ、筋量を増やす働きをもたらすことが分かったわけだ。

HIITのやり方

●一般的なHIIT

HIITはインターバルトレーニングの一種だ。

インターバルトレーニングとは、制限時間内に最大出力を続けたあとクールダウンのための運動をそのまま継続する。

これを交互に繰り返すトレーニング法のことである。

クールダウンのための運動は種目を変えてもいいし、強度を落としただけで同じ動作を行ってもかまわない。

あるいは、クールダウンの時間は何も行わずにじっとしていてもいい。

一般的には全力を出し切る動作を30秒間続けたら、クールダウンの時間を60秒設け、再び全力で30秒間、クールダウンを60秒間……というように行っていく。

あるいは、スピードプレイ(またはファートレックトレーニング)と呼ばれるインターバルトレーニングでは、決められた距離を異なるスピードで走る。

ただし、スピードプレイは全体で45分間も続くため、たとえ断続的であるとはいっても全力を出すことは難しい。

実践例
●マッスルコンテスト東京 ウーマンズビキニのクラスD(163㎝~166㎝)優勝
駒谷早紀さん
「トレーニング中や有酸素運動で心拍数を上げないと、しっかり食べながら絞っていくことはできないように感じます。心拍数の目安は、最大心拍数(220-年齢)の8割は超えることを意識していて、心拍数を一気に上げるHIITトレーニングを週に2回は取り入れるようにしています」

●タバタ式HIIT

タバタ社が考案したHIITでは全体を4分間と定め、この中で最大強度の運動を20秒間、休息時間を10秒間として、これを8回繰り返す構成になっている。行う運動は、例えば自重を使ったトレーニングでもいいし、バイク、クロストレーナー、トレッドミルでも構わない。

ただし、トレッドミルだと全力で20秒間走ったあと、マシンからすぐに飛び降りなくてはならず、10秒間の休息のあとにマシンに再度飛び乗ることになるので危険が伴うことになる。

このタバタ式を参考にして、ぜひHIITに挑戦してみてほしい。週に2〜4回の頻度でHIITトレーニングを行うと明らかに身体つきが変化していくのを実感することができるはずだ。

HIITの注意点

HIITは強度が高いため、過度に肥満の人にはお勧めできない

いかにも効果的なHIITだが、誰にとっても効果的なのだろうかか。体脂肪減量を目的としている人なら、おそらく長時間の低強度有酸素運動を行っているだろうが、もし、もっと確実な結果を、しかも短期間で得たいというのであればHIITのほうが効果は上がるはずだ。

ただし、運動歴のない人がいきなり減量目的でHIITを行うと、全力を出し切る際にケガをする危険性が高まる。

特に病後の人、肥満の人にはHIITは推奨できない。まずは基礎的な体力をつくり上げてから挑戦しよう。

執筆者:Sarah Chadwell
プロのライター、フィットネスライフ提唱者、パーソナルトレーナー、グループワークアウト・インストラクター、ナチュラルトレーニー、ボディビルダー、ビキニアスリート、フィギュアアスリート。

翻訳:ゴンズプロダクション 写真:Shutterstock

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佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手

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