2月11日(火・祝)、ボディビルダー・“ジュラシック木澤”こと、木澤大祐選手の日本選手権優勝・引退式典が名古屋観光ホテルにて行われた。
【写真】木澤大祐選手引退式 ボディビル業界を牽引するトップ選手陣とフィットネス界の著名人
午前は公募で選ばれたファン200人を招いての感謝祭、午後は木澤選手の競技人生に深く影響を与えた人物、今後フィットネス界を担う若手、ごく親しい友人のみを招致しての謝恩会の2部構成。
主催は木澤選手を公私ともにサポートし、“筋トレ採用”(※)の元祖考案者でもある名正運輸株式会社(以下、名正運輸)・加藤新一社長。式典は企画から執行までを名正運輸が全面提供。アマチュア競技者であるボディビルダーに一般企業がスポンサーとして提供する規模としては異例の催しに注目が集まった。
第2部にはフィットネス界の著名人が列席。特に木澤選手の競技人生において象徴となった人物が、それぞれの思い出とともに祝いとねぎらいの言葉を送った。
木澤選手がトレーニング人生の多くを過ごしたゴールドジムを運営する株式会社THINKフィットネス代表取締役社長・手塚栄司氏をはじめ、同社取締役であり『ミスターパーフェクト』の二つ名で有名なボディビルダー・田代誠氏、知古の仲であるタレントでボディビルダーの角田信朗氏、木澤選手が憧れ続けたボディビル界の“兄貴”と呼ばれる名指導者・吉田真人氏、ボディビル文化を映像から伝え続ける日本フィットネスメディアのパイオニアであるマッスルメディアジャパン代表、ボディビル専門誌『月刊ボディビルディング』の編集長・Benさん、20年間の競技生活を捧げた競技団体JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)専務理事・辻本俊子氏、若き日の木澤選手にトレーニングを教え苦楽を共にした恩師のエクサイズトレーニングジムオーナー・柏木三樹氏、ビキニ競技の絶対女王・安井友梨選手、16年間を最高峰の舞台で共に鎬を削ったトップボディビルダー・須山翔太郎選手と錚々たるメンバーから語られるエピソードに会場は笑いや涙に包まれた。
また、加藤社長からサプライズとして、「大きな成功には必ず陰で献身を尽くしてくれる存在がある。身近だからこそ、最も忘れてはならない」として、サプライズで木澤選手の私生活を陰ながら支え続けた家族への花束と記念品を贈呈。また、木澤選手の3人の子どもたちは父へ涙ながらの寄せ書きを贈った。
「ボディビルダーとして一心不乱に走り続けるなかで、同世代の父親達は家族のために生きていると感じ、長い時間を家族とともに過ごせる環境を羨ましいと思うこともありました。ただ、僕は自分が父親であることでしか見せられない人生と功績を子どもたちに背中で語ろうと思い、競技に生を捧げてきました。しかし、今後はフィットネス業界の発展に尽力する一方、今まで競技に捧げてきた分も家族との時間も大切にしたいです。このように、恩と縁のある方々に改めて感謝を深く伝えることができる場を提供してくださった加藤社長に、改めてお礼を申し上げます」
全国へのセミナーやジム経営、パーソナルトレーナー業にボディビル大会(ジュラシックカップ)の主催と多忙な生活は続くが、月に一度の家族旅行を約束し、最優先の事項とすると語った。ボディビルを通じて多くの人々とともに歴史を作り上げた伝説のボディビルダーの締めくくりに相応しい、温かく和やかな式典であった。
(※)筋トレ採用……トレーニングを優先できる勤務時間、ジム・パーソナルトレーニング費用やプロテイン・サプリメントの提供、大会出場時の遠征費用提供などを就労の福利厚生とする「筋トレ優先の働き方」を雇用条件とした求人。
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取材:にしかわ花 撮影:FITNESS LOVE編集部
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用も行うマルチライター。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。