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若さを保つポイント② 糖質制限の落とし穴に気を付けよう

糖化とは、タンパク質と糖が体温という熱の反応によって変化すること、体内で過剰に起きると「終末糖化産物(AGEs)」という毒性物質がつくり出されます。 特に、コラーゲンを持っている血管・骨・皮膚へのダメージが高く、それぞれの組織を焦げ付かせて劣化させるので、肌を老化させ、たるみやしわの原因に繋がります。
では、糖化を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。サプリメント開発に従事する桑原先生に聞きました。

桑原 弘樹(くわばら ひろき)
桑原塾 主宰。スポーツサプリメント『パワープロダクション』の産みの親。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&トレーナー協会)PDA。武藤敬司氏率いるW-1(レッスルワン)コンディショニングコーチ。国内外のトップアスリートに対して独自のコンディショニング指導を行い、各種スポーツ誌への執筆や講演会を実施するなど多方面にわたって活動中。

糖化を防ぐ(抗糖化)には

体内のタンパク質をなくすことは不可能なので、糖化の原因となる過剰な糖の摂取をしないことです。常に血糖値の高い状態でいると、余っている糖は反応してしまいます。誤解してほしくないのは、糖自体が悪者なのではなく、余っている糖が悪者であること。余っていなければ、糖化にはつながりません。過剰な糖質摂取と年中血糖値が高い状態であることを避けてほしいと思います。

適切な糖の摂取量

あくまで大まかな指標ですが、一般的に、糖は体重1㎏当たり1日5gの摂取が適当とされています。体重50㎏の人であれば250g。カロリーにすると、×4kcal で1000kcalになります。
これが、1日に摂る総カロリーに対して6割くらいであれば、ちょうどよいと言えるでしょう。大切なのは、これを一度に摂らないことです。基準量であっても、その量を夕飯に一気に摂っていたのでは、日中の糖が足りずに著しくバランスが崩れます。

糖質制限ダイエット

「糖質制限」は、もともと肥満などの人が低血糖に慣れるために編み出された手法であり、コンテスト用のダイエットのためにあったものではありません。高血糖でない状態であってもイライラしないため、その状態に慣れるために使われるのであれば正しいのですが、減量のための糖質制限の場合は十分にやり方を理解して行う必要があります。糖が足りなくなると、脂肪の燃えカスである「ケトン」が、脳のエネルギーとして糖の代わりとして使われます。これをうまく利用するのが糖質制限ダイエットです。

糖質制限の問題点①:集中力の低下

ケトンはブドウ糖ほどエネルギーとしての効力を発揮しません。主観的にはしっかりとした意識があっても、きちんとブドウ糖を摂っている人ほど集中力がないことが分かっています。

糖質制限の問題点②:過剰に行うとむしろ糖化の原因になる

ケトンができすぎるとアセタールという有機化合物ができ、このアセタールがタンパク質と反応して糖化してしまいます。糖質制限ダイエットをすると糖化を抑えられると思いきや、過剰に行うと皮肉なことに糖化の原因になるのです。コンテストに出場するためのある一定期間はやむを得ないときもあるでしょう。しかし、あまりに糖質制限をしたために、コンテストのときに肌がボロボロだったという人も少なくないのではないでしょうか。多くの人が、肌荒れは日焼けのせいだと思っているようですが、日焼けよりも糖化が原因であることがあります。

糖質制限のように、何かしらの栄養素を極端にカットすることは避けてもらいたいと思います。減量のために糖質をカットすることで老化を速めているという意識をしっかり持ち、通常はバランスを考えた食生活を送ってください。

糖化の指標

糖化の指標としてチェックしてもいいのは、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)と呼ばれるものです。健康診断などの血液検査結果に書かれている値が正常の範囲内であるかどうか、確認してみてください。 これは、ヘモグロビンの中のグロビンというタンパク質と血糖がどれくらい反応しているかの指標で、数値が高いと糖尿病予備軍として警告されるものです。コレステロールと同様、健康診断の直前に節制しても値はよくなりません。つまり、その人の数ヵ月間の糖摂取習慣が反映されるものであり、糖化は長い時間をかけて進んでいくということです。この値を見て、食べすぎているか否かといった主観とのギャップを確認しましょう。

 


取材:飯塚さき  イラスト:JUNKO


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