【必見!】反動を使うのがスポーツ・反動を使わないのが筋トレ

筋トレとスポーツの大きな違いは、反動を使うか使わないかです。筋肉を一度引き伸ばしてから、反動を使って強い力を出すのがスポーツです。スポーツは筋肉に効かせる必要がなく、筋肉を意識することもないのです。なぜなら、これらの動きは「力み」「ブレーキ」というスポーツに相応しくない動きになってしまうからです。今回は、日ごろから筋トレを行っている方や、スポーツの補強で筋トレを行っている競技者の方の参考になるお話を、NPO法人JFTA井上理事長に聞いてみました。

文:井上大輔 <NPO法人 日本ファンクショナルトレーニング協会理事長>

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肩甲骨を安定させて出力を発揮しよう

筋力トレーニングとスポーツの大きな違いは、反動を使うか使わないかです。筋肉を一度引き伸ばしてから、反動を使って強い力を出すのがスポーツです。スポーツは筋肉に効かせる必要がありませんし、筋肉を意識することもありません。なぜならこれらの動きは「力み」「ブレーキ」というスポーツに相応しくない動きになってしまうからです。筋肉を一度引き伸ばして勢いよく縮める動作をSSC「ストレッチ・ショートニング・サイクル」と言います。
このSSC を効果的に活用し、筋肉を必要以上に疲れさせず、大きな力を生み出すのが「プライオメトリクストレーニング」と言われるトレーニングになります。SSC を有効に使うには条件があります。それは軸が安定していることです。
例えばジャンプするときに、軸である体幹が潰れてしまうと、地面の反力がうまく使えないので、パフォーマンスは上がりにくくなります。(写真1−1)体幹をしっかり安定させることで、SSC の効果をより引き上げることができるのです。

体幹が潰れると全ての動作で地面の反力をうまく使えない

今回は上半身のSSC を使う「プライオプッシュアップ」について解説していきます。上半身のトレーニングで軸となるのも体幹、体幹の中でも肩甲骨の安定が重要になっていきます。肩甲骨が不安定な状態では、大胸筋のSSC の能力を引き出せないばかりか、肩の怪我、あるいは肩関節が硬くなってしまい、結果的にパフォーマンスが下がってしまう可能性もあるのです。プライオプッシュアップを行う際に一番重要なのは肩甲骨を正しい位置で安定させることです。肩甲骨を正しい位置で固定することを「肩甲骨のパッキング」と言います。したがって、エクササイズを行う前に肩甲骨の正しい位置を知っておく必要があります。一番簡単なのは、肩を大きく回して、高さが一番低い位置にくる状態です。(写真1 −2)大体ですが、ここが肩甲骨の正しい位置になります。この状態でパッキングしても、肩が痛くなる、もしくは効果が実感できない場合は近くのパーソナルトレーナーに相談すると良いでしょう。

肩甲骨の正しい位置の目安。肩を大きく回して一番低い位置

プライオプッシュアップの効用

・爆発的な上半身のパワーの強化
・上半身の安定性の向上
・体幹の強化

プライオプッシュアップの行い方

体幹を固定してプッシュアップの姿勢を取ります。このとき肘は30度ぐらいに、少し脇を締めるように行います。(30度外転までは肩甲骨の上方回旋が行われないので安定します)そこから沈み込み(写真2 −1)勢いよく地面を押し込んでジャンプします(写真2−2)。

脇を閉めて肩甲骨を固定します

地面を強く押してジャンプします

リグレッション(原点回帰)とプログレッション(エクササイズの発展)

◆プライオプッシュアップのリグレッション
①インクラインプライオプッシュアップ(写真3 −1)壁に手をついた状態からプライオプッシュアップを行います。負荷が軽くなるので肩甲骨のパッキングがより行いやすくなります。

②プライオプッシュアップ(バンドサポート)(写真3 −2)ラックにかけたバーベルのバーやスミスマシンなどにバンドを固定し体をサポートして行います。

◆プライオプッシュアップのプログレッション
①プライオプッシュアップ(ウエイトベスト着用)(写真3 −3)ウエイトベストをつけて負荷をかけて行います。

ウエイトベストを着用したプライオプッシュアップ

②プライオプッシュアップ(レジステッドバンド使用)(写真3 −4)ウエイトベストがなくても、写真のようにバンドを背中に回して負荷をかけることができます。バンドは肘が伸びれば伸びるほど張力が増し、負荷が強くなるので、スピードを落とさず、逆に加速させるように意識して行います。

バンドで抵抗をつけたプライオプッシュアップ

 

プライオプッシュアップは爆発的なパワーを向上させるエクササイズであるという認識ですが、大切なのは地面に落ちたときの衝撃や、体重より強い力を使ってジャンプするときにかかる負荷に対して体幹や肩甲骨がしっかり固定されている、いわゆる「姿勢」が一番大切であると考えます。

大切なのは、高さではなく「姿勢(ポジション)」です。姿勢が正しくないと動作は始まらないと言っても過言ではないのです。ケーブルがない場合はチューブで代用もできますのでスポーツを行っている方はぜひチャレンジしてください。

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井上大輔(いのうえ・だいすけ)
兵庫県神戸市出身。滋慶学園大阪ハイテクノロジー専門学校スポーツ科学科トレーニング理論実習講師/整体&パーソナルトレーニングジムを経営(兵庫県明石市)/ NSCACSCS/NPO 法人JFTA 理事長/17歳よりトレーニング開始。大学卒業後、スポーツクラブに就職、スポーツコンサルティング事業にかかわる。同時に操整体トレーナー学院学長松下邦義氏に師事、操整体について学ぶ。/2006年NBBF 全日本選手権 第6位。
NPO法人 日本ファンクショナルトレーニング協会 TEL:078-707-3111

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