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キャリア19年の石渡は筋肉の年輪が多くとも『課題は山積み』

数多くのドラマが見られた昨年の日本選手権。選手たちはどのような思いで、あの日のあのステージに上がったのか。ここでは男子ボディビル、女子フィジークの各2位から12位までの選手を単独取材。感動の舞台裏に迫る。

取材:藤本かずまさ 撮影:中島康介

2021年女子日本フィジーク選手権大会11位・石渡美弥子「素直にうれしく、身が引き締まる思いです」

この結果は素直にうれしいです。ですが、自分の実力は自覚しています。今回も予選落ちを覚悟して挑戦しました。これからもまだまだ進化し続けなければいけないと思っています。私は2003年の東京オープンでデビューして、キャリアは長いのですが、なかなか自分に自信が持てなかったため、日本選手権の挑戦はこれがまだ2回目です。せめて予選を通過できるくらいの身体を作ってから挑みたいという気持ちがあったので、挑戦することをずっと控えていました。2019年にジャパンオープンで3位になったときに、「今年は日本選手権に挑戦してもいいかな」と思って出場したのが最初です。もともと、私は筋肉の動きを意識しづらいほうで、素質はないほうだと思います。それが白坂義夫先生の指導を受けながら、少しずつトレーニングで効かせることがきるようになってきました。近年そうした「効く感覚」が掴めるようになってきて、それが身体に現れてきたのかもしれません。
2018年に関東選手権で優勝させていただいて、そのときに身体が変わってきていた実感があったんです。そこから登り調子になってきたという印象はあります。デビュー当初は東京オープンや東京クラス別などでは優勝させていただきましたが、かなり成績が落ちていた時期もありました。東京選手権にはチャレンジを続けているのですが、予選落ちが続いたこともありました。悩んだこともありましたが、辞めようとは思いませんでした。実際に、身体は少しずつ良くなってきていました。成績が悪かった時期も師匠を信じて、迷うことなく進むことができたのが良かったと思います。
今後の課題は筋量だと思います。私は今までオフシーズンの食事をおろそかにしがちだったんです。これからは食事管理も細かく徹底していくべきだと思っています。今回、日本選手権で入賞させていただいて、身が引き締まる思いです。これを一つのステップにして、ボディビルに対してもっと真剣に向き合わなければいけないと思いました。日本選手権という舞台のレベルに見合った自分の身体を作っていきたいと思っています。

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