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名門早稲田の門から生まれたイケメンにしてデカい筋肉を持つボディビルダーの理論

昨年の北陸甲信越ボディビル選手権で優勝をさらい、その闘いの場はボディビルにとどまらず、クラシックフィジークでも日本トップレベルに踊り出るのが卯月大登だ。‟名門”早稲田大学に入学後、全日本学生ボディビル選手権でいつも上位を占める選手を輩出してきた『バーベルクラブ』に入部。そこでウエイトトレーニングに本格的に火が点いた卯月は学生ボディビル選手権へと出場を決める。そこからの活躍は素晴らしく、学生ボディビル出身の魂を背負って今や一般において全国区で活躍する選手へと成長を遂げた。その卯月のトレーニング理論、そして今後の目標などを取材した。(月刊ボディビルディング2021年12月号から引用)

取材・文:月刊ボディビルディング編集部 

「ケビン・レブローニのベンチプレスはまさに芸術の域」

高校卒業間際、受験勉強でなまった身体を叩き直そうと市営ジムに通い始めたのがトレーニングとの出会いでした。初めてのベンチプレスは30㎏がギリギリでした。その後、早稲田大学に入学しても、学内のトレーニングルームで大好きなベンチプレスを中心に細々と鍛えていました。早稲田といえば、名門「早大バーベルクラブ」がありますが、1年生の頃はなんとなく怖いイメージがあり入部せずにいました(笑)。
2年生の夏に意を決して入部しました。抱いていた印象と違い、皆さんとても面倒見が良く、指導された通りにBIG3中心の基本的な分割法でのトレーニングを開始しました。当時のバーベルクラブは『黄金世代』と言われており、全日本学生ボディビルTOP3が勢揃いで(梶田竜嗣さん、座間祐輔さん、和田駿さん)、初心者の私には贅沢すぎる環境でした。当時の彼らがいなければ、私のボディビルへの挑戦はなかったと思います。
現在は6分割でトレーニングを行っており(四頭筋→背中→胸→尻&脚後→肩→腕)、曜日と部位は連動させておらずオフも不定期です。私は会社員で、繁忙具合によってトレーニングができない日もあり、「極力できる日はやっておこう」というスタンスで取り組んでいます。また、トレーニングを本格的に開始した頃から変わらない‟拘り”とも言える部分ですが、どの部位も、軸となるメイン種目を設定し、重量や回数を成長の指標としています。脚はスクワット、背中はバーベルロウ(デッドリフトの場合もある)、胸はベンチプレス、腕ならば二頭はバーベルカール、三頭はナローベンチプレス、肩はダンベルショルダープレスといった感じです。
もちろん他の種目も、前回より重く、より多くという意気込みではいますが、メイン種目が伸びれば他も伸びていくと思うので、明確な目標を据えているのはメイン種目のみです。純粋に、目標があり過ぎても大変というのもあります(笑)。
私はトレーニング開始当初から、弱いながらも特にベンチプレスが好きで、胸の日は今だにテンションが上がります。ケビン・レブローニのトレーニングビデオ「M3」で彼が魅せたベンチプレスはまさに芸術の域で、彼のようなベンチプレスをできるようになることが抽象的な目標だったりします。
数年前のオフシーズンまでは、なんでも食べ込んで無理に体重を増やそうとしていましたが、元は食が細いため、その生活だとトレーニング時も胃が張ってしまい、良い状態でトレーニングに取り組めませんでした。なので、昨年からは年間通して同じような食事で過ごしています。大会が無い時期は炭水化物を多少増やすなどしますが、内容はほぼ変わりません。これは「体重を増やすためにどう食べるか」ではなく、「トレーニングで最大限のパフォーマンスを発揮するためにどう食べるか」という考えにシフトした結果です。ですが、その答えが人によっては「たくさん食べること」の場合もあるので、‟リーンに過ごす”ということが必ずしも正しいとは思っていません。
脂肪を乗せずに過ごすようになり、調整期間としては長くても2ヵ月程度で設定しています。食事は中炭水化物、高タンパク質、低脂質という感じです。理想は6食に分けたいですが、平日は勤務のため1日3食で過ごし、水筒にアミノ酸を溶かして持っていくなどしています(笑)。
今後は、ミスター東京への出場を来年あたりに考えています。また、日本社会人選手権も気になっていて、せっかくサラリーマンビルダーとして活動しているので、社会人日本1の称号もいつかは手に入れたいです。30歳までにブロック選手権で優勝することが目標でしたが、今年の北陸甲信越選手権優勝で達成できました。今後、まだ自分の中で揺れていますが、クラシックフィジークにも力を入れていきたいと考えており、今年3位だったジャパンオープンでの優勝も目標です。

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