トレーニング mens

「ガリガリで瓶の蓋も開けられないまま一生を終えてしまうのか」奮起してトレーニングしたら大会で優勝した男

ガリガリな自分に恐怖を感じたことがキーとなり、昨年は東日本フィットネス選手権メンズフィジーク172㎝以下級で優勝した廣野拓。今年は序盤から大舞台となる『スポルテックカップ』に出場予定だ。その廣野はどんな人物なのか。

取材・文:月刊ボディビルディング編集部 撮影:藤田将成(大会写真)、廣野 拓

「高重量で効かせることに取り組み、おかげで筋肉量はかなり増えました」

6年くらい前に瓶の蓋が硬くて開けることができない自分に恐怖を感じたことがトレーニングを始めるきっかけでした。「私はこのままガリガリで瓶の蓋も開けられないまま一生を終えてしまうのか……」と、それはまずいと考え、ジムに行こうと決心したんです。そして近くのゴールドジムに約5年前に入会しました。
初期のトレーニング内容は、初心者マークが付いているマシンを見つけては説明書きを読んでエッサホイサしていました。また、深夜にトレーニングをしていたので、トレーナーからの講習は受けずに一人で行っていました。分割法も何も知らず、自分のしたいトレーニングをする日々だったと思います。特に胸のトレーニングばかりやっていた記憶があります……。それ以外の部位はかなり疎かにしていました。体重は始めたばかりのころが58㎏でしたが、現在までに20㎏近く増えました。それと比例してパワーもついていき、扱える重量が増えてきています。
現在は週6日で胸、背中、肩、腕の4分割をゴールドジムトレーニングしています。週2日、週1日になる部位が隔週で変わります。ミッドセクションの改善のために腹筋は2日に1度取り入れています。また、特に背中と肩は弱いと感じるので、その部位以外のトレーニング終了後に3~5セット肩と背中のメニューを取り入れています。
こだわっていることとして、ケガをしない重量で動作部位に効かせるトレーニングを丁寧に一定のリズムで1RMでも多く扱えることを心がけています。今のところ、増量を行い扱える重量も伸びています。今回の減量中は重量を落とさずどこまで扱えるか楽しみです。私自身、解剖学などには詳しありません。部位によってはアプローチを様々に変えていますが、理論的なものは行っていません。どちらかと言うと感覚的なトレーニングをしていると言えるでしょう。ですが、高重量で効かせることに取り組むことは重要だと感じていますし、実践しています。そのおかげで筋肉量はかなり増えました。
私が今の競技に取り組む理由は、ボケ防止と自分自身に負けないため、アンチエイジングなどの理由があります。また、ビルパンを履く勇気がなく……。サーフパンツでOKな競技があるのを知り選びました。もちろん、ボディビルに見合った筋肉量や形になってきたら、出てみたいとものだと感じます。しかし、私は一切脚のトレーニングをしていません。そうなるとボディビルに出るということは考えられません。ボディビルに見合うそこの筋肉量もこの先つくことはないと思うので、割り切って取り組んでいきたいと思います。脚のトレーニングをしない理由は、一番は脚を太くしたくないという理由で、パンツが履けなくなってしまうと考えているからです。なので、脚に負荷がかかるトレーニングや有酸素運動もしないようにしています。
ポージング練習に関しては、月に一度小沼敏雄トレーナーに指導のご教授をいただいています。すぐに悪いクセや良く見せるための身体の使い方を的確にアドバイスしていただき、ポージングに加え姿勢の重要さを意識して改善しています。
現在目指している大会への取り組みでは、減量中でも筋力を落とさないトレーニング、ポージングでの自己主張、炭水化物は摂れる最大量を摂ことを意識しています。大会が近づくにつれて炭水化物の量は調整して、加えて有酸素運動を取り入れていきます。
今年はまず最初にスポルテックに出場させていただきたいです。それを機に皆さまに覚えていただき、昨年惨敗で終えてしまったオールジャパンで雪辱を晴らしたいです。神奈川フィットネス選手権と関東フィットネス選手権も出場して、皆さまの記憶に残せるよう努めます。そして今年も今後も課題の絞りをしっかり……。減量と上手に付き合っていき、ステージ上でのポージングに磨きをかけていきたいです。


ひろの・たく
1984年1月11日生まれ/38歳/神奈川県出身/身長:172㎝/体重:71㎏(オン)・80㎏(オフ)/飲食店経営/好きな食べ物:お米/嫌いな食べ物:美味しくない物/トレーニング以外の趣味:ぬこ(猫)と戯れること
主な戦績:
2021年東日本フィットネス選手権メンズフィジーク172㎝以下級優勝、神奈川県オープン大会メンズフィジーク172㎝以下級5位

◀トップページに戻る


-トレーニング, mens
-, ,