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「ケガをしないように無理をする」ボディビル西日本王者の研究されたトレーニング法

今回ここで紹介するのは、昨年の西日本ボディビル選手権王者・江川裕二だ。

取材・文:月刊ボディビルディング編集部 写真:中島康介(大会写真)、江川裕二

「ケガをしないように無理をする」

私は現在4分割のトレーニングに取り組んでいます。胸・上腕二頭筋、脚、肩・上腕三頭筋、背中・三角筋後部という流れです。それを週5日でやっているので、最初に行う部位が週2回になることもあったり、別の部位が週2回になったりしています。各部位へのこだわりは、どの部位も筋力を伸ばすことを念頭に置いていますが、「いかにケガをしないように追い込めるか」ということを考えています。
年齢を重ねるごとに、どうしてもケガが増えてしまうので、思うようにトレーニングができない時期もできてしまいます。いかにケガしないで筋肉に最大限負荷を与えられるかということにこだわりを持っています。
私自身、大きなケガはありませんが、トレーニング中にぎっくり腰のようなものを経験したりしています。また、腰は痛みが続く時期もあったりと、慢性的な痛みに悩まされている箇所でもあるんです。痛みが出てきたらまず休みます。その後、ストレッチや治療院でのケアを行っていきます。私の椎間板は、ヘルニアまでにはなっていないのですが、2箇所くらい潰れているんです。それもあり、疲労がたまると痛みが出てきてしまうのではないかと考えています。
なので、特に腰のケアは怠らないようにして、トレーニングでも負担がかからないように気を付けています。それでも、デッドリフトやスクワットは好きな種目なので、毎回やるということはありませんが、調子が良ければそれらの種目も外すことなく取り組むようにしています。「ケガをしないように無理をする」ということで、スクワットでは腰や背中が丸くなっても、無理やり挙げようと思えば挙がりますが、姿勢が崩れたと感じたらセットはやらないように考えて取り組んでいます。
私は腰幅が狭いので、それによってウエストも細いのですが、その分だけ体幹が弱いのかなと感じています。ですが腰幅が細い分、背中の下からの広がりというのを意識しています。広背筋の下側を意識して引き切ることや、最後まで収縮などを感じられる種目を選択して取り組んでいます。そのうえで重量を扱ったり、しっかり収縮できる重量で行っています。
私が現在改善したいと思う部位は胸です。特に厚みがなく、腕を広げたときに下部のラインが消えてしまうんです。なので、胸のトレーニングに関しては他の部位よりも、より考えてトレーニングしています。
ボディビルを始めた当初からそれを課題と感じていました。私自身肩幅がある方なので、それによって厚みが増えづらいと感じています。今のところ、そこから改善はできていますが、まだまだだなと。パワーが強くなってきた同時に、胸の厚みやサイズがついてきたかと言われると、それはよく分からなくて、今はディップスをメイン、またはインクラインをメインに胸のトレーニングに取り組んでいます。
また、バックポーズでの下半身に重量感を出したいと思っています。取り組んでいる種目は、ブルガリアンスクワットやワイドスクワット、インナーサイで内転筋への刺激を重視しています。大腿部の筋肉のつき方が、股関節側は太くつくのですが、膝に向かって割と早く細くなっていくんです。丸みがあるタイプではないと感じているので、停止部に近い部位をもっと強化できればボリュームが出てくるかと感じています。
脚のトレーニングはハイレップが好きで、パンプはもちろん、心肺機能の向上も狙えるかと思います。重たいのを持つのももちろん好きですが、脚に関してはトム・プラッツ的なトレーニングが好きですね(笑)。
ボディビルに取り組んでいる理由は好きだからです。ボディビルに取り組んでいる自分が好きですし、周りには応援してくれる方がたくさんいます。私自身アスリート志向なのも理由です。学生時代からずっとスポーツに取り組んでいたのもあって、何かに夢を持って挑戦したいと考えてきました。そして、ボディビルにおいて自分の納得する結果を得たいので、これからもまだまだ続けたいと考えていますし、他のカテゴリーへの転向は考えていません。
今年はまず、8月に行われる日本クラス別、その後のジャパンオープンに照準を合わせています。特に日本クラス別にはしっかりエネルギーを注ぎたいと思っています。

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