昨年の8月にマッスルゲート東京ベイでボディビルデビューを果たしたのが刈川啓志郎選手。その後の10月に行われた全日本学生(大学生)ボディビル選手権で準優勝を果たす。新人ながらもスケール感、アウトラインのバランスが非常によく、今年も大いに期待できる選手だ。
【写真】靭帯断裂したとは思えないデカい脚、バランスの良い筋肉美
刈川選手の中学時代はサッカー部に所属。しかし、高校1年生の終わりに右膝の靭帯を断裂してしまい、サッカーを断念せざるを得なかった。
その後手術を経てリハビリを行うことになるが、それがトレーニングとの出会いとなった。
「最初は健康バーみたいな感じのもの、歩行を補助するためのバーかもしれませんが、それでディップスをやり始めたんです(笑)。僕は『これはまさしくディップスをやるやつだ』と思い込んでいたんです(苦笑)」
それ以降トレーニングにのめり込み、高校生の間は市民体育館のトレーニングルームに通い、1年間の浪人中は24時間ジムに入会。その後大学進学のために上京してからは、都内のゴールドジムに通うようになった。
「本格的にトレーニングを始めてからは胸、背中、脚、肩、腕のようなオーソドックスな5分割で取り組んできて、特に内容の変化はありません」
昨年はボディビル競技にデビュー。デビューした理由については。
「単純にトレーニングが好きで筋肉も大好きなので、という理由です(笑)。本能がそのようにさせたのだと思います(苦笑)」
靭帯断裂についてはトレーニングを続けながらも後遺症に悩んでいる。
「特に脚トレは現在もですが、膝を伸ばしきれなくなってしまいました。断裂した脚と逆の左膝もです。右膝をかばったがゆえに左も痛めてしまったような感じになっています。それで大腿四頭筋の最大収縮ができない状態になっています。あとは脚トレ中はずっと膝が痛いんです。3日くらい痛みが続き、治ってまた脚トレやってみたいな……、という感じで痛みはずっと残る感じです」
最大収縮ができないということだが、脚トレはどんなやり方で行っているのかを解説していただいた。
「まず最初にインナーサイ・アウターサイをやった後に、レッグエクステンションをストレッチ狙いで6~7セット。シシ―スクワット。ハックスクワットを重めでセットしてしっかりしゃがみ込むやり方で2セットと外側を狙うやり方で5セット。レッグプレスを大腿四頭筋の前側狙いで3セットと深く下ろすのを2セット。ここまでが脚の前側で、その後に後側を行います。後ろ側は、シーテッドレッグカールを高重量2セット、片脚ずつで2セットの合計4セット。ブルガリアンスクワットを3セット、ダンベルでのルーマニアンデッドリフトを3~4セット。そして最後にバーベルスクワットを行います。全部でだいたい3時間くらいはかかります。最後のバーベルスクワットは重量は挙がりませんし、ヘトヘトな状態になります。でも、バーベルスクワットを最後にやると気持ちいいんです」
最後に今年の狙うタイトルなどを尋ねた。
「最初に9月の西日本学生(オープン)選手権、そして全日本学生選手権を狙っています」
また、同世代のライバルについて。
「やはり坂本陽斗選手です。それと、挑戦していきたい選手としては寺山諒選手です。2人とも東京選手権に出る選手だと思うので意識しています。ただ、僕は今のところ来年の東京選手権の出場を考えています。また、来年は日本ジュニアも狙っているので、今年はしっかり準備をしていきたい年にしたいです。そして将来、日本選手権で優勝するのが夢なんです」
若手らしいフレッシュさ溢れる刈川選手の表情は自信に満ちていた。
取材:FITNESS LOVE編集部
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