「挑戦することで、こんなに世界が広がるんだ!」
7月19日(土)に行われた『サマースタイルアワード 大阪予選』ビューティーフィットネスモデルショート部門で優勝し、さらにオーバーオールも優勝。そしてベストステージング賞を獲得し、念願のプロカードを手にした中村真央(なかむら・まお/27)さん。6月に行われたサマスタ関西新人類、西日本予選からわずか1カ月、下半身のアウトラインの見直し、トレーニングの見直し、摂取カロリーの調整など細かく調整していったという。普段は看護師として日勤と夜勤をこなしながら、週5回のトレーニングを継続。多忙な中でも「幼少期のように夢中になれるものを見つけたい」と始めたボディメイクが、ついに形となって結実した。
背中は強い、でも“下半身”が弱点だった
「前回の関西新人類、西日本予選では1位になれたのに、ルーキーチャレンジカップでは2位。うれしさと悔しさの両方を味わったからこそ、課題がより明確になりました」
中村さんが取り組んだのは、下半身強化。背中の強さに対して、下半身のボリュームが不足していたという課題を克服するために、1カ月間で徹底的に取り組んだ。具体的には、下半身トレーニングを週3回に増やし、トレーニング前には自重以上の負荷がかかる強いバンドを使ったアップを実施。お尻の上部・中部・下部を分けて狙い、高重量・中重量・低重量高回数と目的別に内容を分けた。中でも苦手意識のあったヒップスラストは逃げずに取り組んだ。
「ずっと避けてきた種目だったけど、苦手だからこそ伸び代があると思ったんです。バンドを膝に二重に巻いて、60kgで13回を5セット。高回数の日は20回を5セット。しっかりとお尻に効かせることを意識してやり切りました」
この1カ月間でプチ増量して再減量という難易度の高い調整にも挑戦。筋肉を落とさず仕上げるため、摂取カロリーを増やしつつトレーニング強度を上げるという、短期間では難しいアプローチを実行しきった。次なる目標は、11月に行われる『サマスタプロ戦日本大会』。
「レベルの高い選手が集まる中で、自分もその一員として胸を張って立てるように。誰かの挑戦を後押しできるような、魅せるステージングを目指します」
思い返せば、1年前にダイエット目的で始めたトレーニング。身体の変化を楽しみながら、幼少期に夢中だった器械体操のような『熱中する喜び』を思い出した。
「挑戦することで、こんなに世界が広がるんだ!」と語る中村さんの言葉には、重みがある。
「結果も大事だけど、その過程こそが自分を変えてくれる。今回の挑戦で、自分に自信が持てるようになりました」
初挑戦からわずか1カ月でのプロカード獲得。そこには、「苦手から逃げない」と決めた中村さんの強さがあった。中村さんの挑戦は、まだまだ続いていく。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材・文:柳瀬康宏 写真撮影:岡 暁
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格:NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年よりJBBFやマッスルゲートを中心に、毎年ボディコンテストに挑戦中。
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