コンディショニング ピラティス フィットネス

「一瞬で体型が変わる!」とSNSで話題!トレーニング動画は30億回再生!“骨格ボディメイク”佐川裕香が語る"機能美"への秘訣【自分を愛するボディメイク④】

SNSで話題の「一瞬で体型が変わる」動画。その裏側にあるのは、単なる姿勢改善を超えた「骨格」への深いアプローチ。それは一瞬の魔法ではなく、日々の適切な方向への積み重ね。習慣。独自のメソッドを提唱する佐川裕香さんは、鍛える前にまず関節を動かし、骨を本来の位置へとリセットし、身体を整えることの大切さを説きます。美しさと健康を両立させる機能美の秘訣を伺いました。

[初出:Woman'sSHAPE vol.31]

【写真】えっ!姿勢の違いでこんなに変わる!佐川裕香さんの骨格ボディメイクビフォーアフター(正面、横、背面)

「整える・鍛える・繋げる」が生む身体の連動性

━━姿勢が一瞬で劇的チェンジする動画は、何度見ても驚きです。佐川さんが推奨する「骨格ボディメイク」について、ぜひ教えてください。

佐川 今は「骨格ボディメイク」として全身の関節や筋肉、身体を動かしながら、骨を本来の位置へと戻し、姿勢や体型を整えていくメソッドをご紹介しています。ですが実は、骨格を整えること自体が〝目的〞なのではなく、あくまで〝結果〞なのです。整えているのは骨ではなく、身体の使い方・呼吸・筋肉の働き・神経のバランスです。私たちの身体には、260個以上の関節と、約206個の骨があるとされています。この多くの関節と骨が本来様々な方向に動きます。ですが日常生活を振り返ると、身体をねじる、脚を横に開く、腕を横に伸ばしてといった変則的な動作を行う機会は意外と少ないですよね。

━━たしかに、日常の動作はパターン化されがちかもしれません。

佐川 決まりきった一定の動作しかしないと、本来動くべき関節や筋肉の動き、働きが失われて、身体の機能自体が低下してしまいます。そこで、まずは「関節や筋肉を適切に動かしていくこと」「身体の使い方を変えていく」ということを重視しています。関節がスムーズに動くと筋肉も働き、過剰に筋肉を使わずとも身体が楽に動く。自分で触ったり、動いていくことで脳と身体を繋げながら、筋膜のラインなどもイメージして動かし、その状態でトレーニングをして安定させて、全身へと繋げていくという流れです。

━━段階を踏んで動ける身体にしていくのですね。

佐川 私のメソッドは、大きく「整える・鍛える・繋げる」というスリーステップで構成されています。最初の「整える」はコンディショニングや、ストレッチ、軽いエクササイズなどを取り入れ、関節を適切に動かせる環境作りをします。「鍛える」は、エクササイズや自重トレーニングがメインです。筋肉を大きくするというよりは、関節がうまく動くことで筋肉が適切に働き、身体が安定するように刺激を入れます。

━━「整える」「鍛える」に続き、最後の「繋げる」にはどのような役割があるのでしょうか。

佐川 足の裏から全身への連動を意識するステップです。筋トレはパーツ別で行うことが多いですが、日常生活で特定の部位だけを動かすことって、ほとんどないですよね。ですので、床反力(足裏から伝わる地面を蹴る力)や重力を受けて身体がどう連動して使われているかを知るステップです。

━━部位ではなく、協力しあってどう動いているかを知れば、それが姿勢改善にもつながっていく?

佐川 そうですね。ただ、「繋げるステップ」とひと口に言っても、足の裏から頭までを繋げるという意味のほか、エクササイズを日常生活に繋げていく、あとは呼吸と合わせて全身を連動させることで、余分な力みが抜け、本来働いてほしい筋肉が自然に働くという意味もあります。「骨格ボディメイク」と聞くと、無理やり骨の位置を戻していくというイメージを持つかもしれませんが、実際は逆です。過度な筋肉の緊張をほどき、緩くなっているところはしっかりと安定させていく。すると関節がスムーズに動く。その上でトレーニングを行うことで、結果的に自然と骨格が整っていく。それが私の考える調整法なんです。

姿勢を整えると見た目がこんなに変わる!
骨格ボディメイクビフォーアフター

Instagramでも劇的チェンジやエクササイズ動画公開中!

 

骨がメインで適切に立てると身体はこんなにも楽になる

━━骨格の歪みを気にされている方は多いですよね。

佐川 実は、大なり小なり歪みはどなたにでもあって骨の形状、大きさ、長さは皆さんがそれぞれ持っていらっしゃる個性です。たとえば、側弯症などを例にあげると、その個性がある上でどうすれば身体が楽に動かせるか、より良い状態に導けるかを大切にしています。

━━歪みも個性というのは新しい視点です。

佐川 地球上の重力線と身体軸が揃う位置、上半身の重さがしっかりと下半身に乗ることで、身体は安定し、格段に楽になることは確かです。たとえば頭は5〜6kgのボウリングの玉くらいの重さがあり、少し前に突き出ているだけで、頭を支えなければと首や肩の筋肉は過剰に頑張らなければならなくなります。すると張ったり、凝ったりしてしまう。いかに重力と床反力を味方につけられるかが重要だと考えています。

━━姿勢のビフォーアフター動画も、重力や床反力の中での身体の動かし方がポイントなんですね。

佐川 人間版の骨格模型を目指し、皆さんに分かりやすく伝えられたらと思っています(笑)。でも、崩れた姿勢はまさに昔の私です。実際に、猫背で反り腰、スウェイバック......全ての姿勢の悩みを持ち合わせていたからこそ、なんでこうなるのかが分かりますし、それが動画になっています。まさに固有受容感覚(こゆうじゅようかんかく)です。

固有受容感覚とは、
①目で見なくても、自分の手足の位置や動きがわかる感覚。
②筋肉や関節の中にあるセンサーが、身体の状態を脳に伝えている。
③姿勢の安定やスムーズな動きに欠かせない〝身体のナビ機能〞。

これを養うのもこのメソッドの一つです。

━━ご自身が一番の「証拠」だからこそ、あのアフターの姿には説得力があるのですね。

佐川 今は、このメソッドを通して、関節がスムーズに動いて、脳と身体が繋がりコントロールできる。骨の位置が整うことで、筋肉の長さや向きが変わり、その上にある脂肪、そして皮膚のたるみ具合まで影響する。見た目も身体の機能もこれだけ変わるということを分かりやすくお伝えしたくて。私自身、幼少期からバレエを続けるなかで、「筋トレが大事」とずっと教わってきました。でも、がむしゃらにトレーニングを続けた結果、怪我をしてしまいました。そこで、まずは鍛える前に「整える」という調整を始めたんです。

━━そのバレエ時代の経験が、骨格ボディメイクの出発点。

佐川 はい、「良い姿勢」の定義ってそもそも難しいですし、人によって違いますから、そもそもないのかもしれません。ですが、丸まれて、反れて、捻れて、倒せる、環境に適応できる状態。あとは、崩れてもすぐに良い姿勢に戻れる状態。これが良い状態かと思います。誤解しがちなのですが、力を抜いて丸まった姿勢もとても大切ということ!良い姿勢で居続けることもこれまた過緊張にもなります。丸まったり、反ったりする姿勢もとても大切だと知ると、なんだかもっと身体と仲良くなれそうですよね。だからこそ、身体がスムーズに動くような状態をこのメソッドでは大切にしています。そして約206個の骨が積み木のように自然と積み上がり、地球の重力と身体の軸が重なっている状態です。筋肉に依存せず、骨で立てると、余分な力が抜けて本当に身体が楽になります。

━━無理に胸を張るような姿勢とは、やはり違う?

佐川 仮に胸周りがすごく硬くなっていて、その状態で意識だけで胸を開こうとすると、例えば、硬くなったゴムを無理やり引っ張るのと同じで、疲れてまたすぐに元に戻ってしまうと思います。反対にゆるゆるになったゴムは不安定で、また支えるために力みが生じる。この場合、頸椎や腰椎など動きやすい部分で代償してしまい、首や腰が痛くなったりしてしまいます。

━━「姿勢を良くしよう」と意識して逆に身体を痛めるのは、そういった代償動作が原因だったのですね。

佐川 これは、意識や努力の問題ではありません。姿勢を〝正そう〞とすることと、筋肉や関節を適切に動かした結果として骨格が整い、自然と姿勢が良くなること。この2つは、まったくの別物だからです。大切なのは、まず関節を動かして、骨が本来のポジションに収まる状態を作ること。そうして身体全体の機能が高まり、結果として見た目の美しさが引き出された状態を、「機能美」とお伝えしているのですが、身体を固めて形を作る以上に、本質的な改善を目指すことが健康の土台づくりにもつながっていくと思います。

トレーニーにもたらされる様々なメリット

━━本誌の読者は日頃トレーニングに励む方も多いのですが、骨格を整えることはトレーニーにもメリットがありますか?

佐川 はい、トレーニーの方にとっても非常に大切です。私自身、15年間のフィットネス経験を通して、鍛える前に整えることは、パフォーマンスの「土台」にもなると確信しています。もし昔の私がこのメソッドを知っていたら、バレエも怪我なくもっと上手く踊れたでしょうし、トレーニングの効果も格段に違ったはずです。というのも、13歳の頃、とにかく回数をこなせばいいと思って毎日200回ほど「ラットプルダウン」をしていた時期があったんです。でも、全く背中に効かず、疲れるのは肩や腕ばかり。当時は「なぜだろう?」と不思議でしたが、今ならその理由が明確にわかります。

佐川裕香さんの骨格ボディメイクに出合う前

━━それは、骨格や関節の使い方が原因だったのでしょうか。

佐川 そうです。例えば「ツイストクランチ(仰向けで上体をねじる腹筋運動)」もそうですが、実は多くの人が、本来の狙いとは違う「首トレ」になってしまっているんです。本来は、胸郭(きょうかく)や背骨が適切に動くことでお腹周りの筋肉が伸び縮みします。ところが、胸郭がうまく動かなかったり、股関節がうまく使えなかったりすると、無意識に首や肘の力で無理やり動かそうとしてしまう。同じ動きをしているように見えても、関節が動かせる状態にあるか、どう身体を動かすか?が分かっているかで、得られる結果には大きな差が出てしまうんです。

━━骨格の整い方ひとつで、そこまで変わるんですね。

佐川 ボディメイクの効率はもちろん、怪我の予防という点でも筋肉だけでなく、骨にも注目していただくことで新たな可能性が出てくると感じます。関節が適切に動かないと、いくらフォームを意識しても、そもそもその形に持っていくことができません。その結果、力ずくで動かしてしまい、狙いとは違う場所に効いたり、慢性的な痛みにつながったりしてしまいます。

━━まさにトレーニングの成果や、身体の仕上がりを左右すると。

佐川 そうなんです。私のメソッドでは鼻呼吸も大切にしているのですが、呼吸で身体を内側から満たし、関節からスムーズに動かせるようになると、身体の仕上がりも怪我のしにくさも大きく変わっていくと思います。

━━骨格を整えるために、私たちが日常生活で意識できることはありますか?

佐川 意識はとても大切ですが、意識のみだけではなかなか変えられないのが骨のポジションなので、まずは「動かす」ことが第一歩だと感じます。
例えば、同じ体勢を長時間取る場合は重心を変えてみる、デスクワークの方でしたらこまめに伸びたりひねったり、立てるときがあれば立ったり、同じ体勢を続けないことを意識するのは大切です。関節を動かすようなコンディショニングを生活に取り入れて、こまめにリセットしてあげること。生徒さんによく言っているのは「頭の位置」です。気づいたときに、頭がずっと前に出ていないか、例えば歩いているときなど、鼻呼吸をしながら、頭の位置がどこにくると自分の身体は楽かなということを確認してみてください。

━━いわゆる「スマホ首」は無意識になりがちです。

佐川 ただ、猫背や丸まった姿勢を否定する必要は全くありません。それだけ、これまで仕事に集中したり、高いパフォーマンスをあげることや、お子さんを守ろうとしたり、一生懸命集中されて生きてきた証でもあります。

━━今の姿勢は懸命に生きてきた証。そんなふうに考えたことはありませんでした。

佐川 はい。みなさんそれぞれの生活スタイル、時間軸で一生懸命に頑張っているということ。だからこそ、その姿勢を否定する必要はないんです。ただ、そのまま一定の方向にしか動かさなくなってしまうと見た目の問題だけでなく、不良姿勢からくる不調にも繋がりやすくなるので、いつもしないような動きも取り入れて、こまめにリセットしてあげるとより、身体が楽になって心や身体の健康にも繋がるという風に思います。

━━いつもしない動きとなると、ちょっとハードルが高いかも......。

佐川 「できない、難しい」と感じる動きこそが「伸びしろ」で、今の姿勢や身体を変えてくれたりします。骨格を含めて、身体の可能性はまだまだあります。「自分はこういう体質だから、骨格だから」と決めつける必要はなくて、少しでもケアすると今までとは積み重ねが変わり、本当に身体は想像以上に変わります。

━━体質や年齢のせいにして諦めるのではなく、自分の身体を労わりながら可能性を信じていきたくなります。最後に、読者へメッセージをお願いします。

佐川 私自身が12歳からダイエットに悩み、精神的にも疲弊した経験があるからこそ伝えたいのは、「心と身体の健康が一番。あなた本来の機能美を引き出すことで、見た目や機能も変わっていく」ということです。もちろん、健康のために、ダイエットが必要な場合もあります。ですが、見た目の美しさを求めるあまり、過度に体重の数値にとらわれて心と身体を壊してしまうのは、とてもつらいです。だからこそ、今、この骨格ボディメイクメソッドがあります。

━━佐川さん自身のそのような経験があるからこそ重みや大切さが伝わり、より多くの方が実践されているのでしょうね。

佐川 長く続けてくださっている生徒さまや、オンラインレッスンのメンバーさまの中には50、60、70代の方もとても多くいらっしゃいます。そして皆さん、身体がどんどん変わって、50代のときより、60代、70代の方が身体が動いて姿勢もよくなって、進化されている。そして何より、エネルギーに満ち溢れて、いきいき輝いている姿を見ると、何歳からでも変われるってこういうことなんだと私自身も学ばせていただいています。希望と勇気をもらいます。
骨格を整えていくことで、姿勢が変わり身体は楽になって、同じ体重でも見え方は劇的に変わる。嘘のような、本当の話なんです。でもこれは決して一瞬の魔法ではなくて、日々の適切な方向への積み重ね、習慣の結果なんです。AIでもなく、加工でもなく、これが現実。自分の身体が健やかで、心地よくいられる状態。その選択肢として骨格ボディメイクを役立てていただけたらうれしいです。

今日から始められる「骨格ボディメイク」実践編はこちら>>>

さがわ・ゆうか
5歳よりバレエを始め、NYでの芸術賞受賞やKバレエカンパニー入団を経験。自身の怪我や27kgの体重増減、不調に悩んだ経験から、体重よりも「姿勢と骨格を整える」ことの重要性に辿り着く。現在はYouTube登録者390万人、instagramフォロワー 103万人超、トレーニング動画30億回再生の影響力を持ち、「整える・鍛える・繋げる」独自の3STEPメソッドを発信。雑誌監修やエクササイズモデルとしても幅広く活動中。

次ページ:えっ!姿勢の違いでこんなに変わる!佐川裕香さんの骨格ボディメイクビフォーアフター(正面、横、背面)

取材・文:藤村幸代 撮影:中原義史 写真提供:佐川裕香 Web構成:中村聡美

-コンディショニング, ピラティス, フィットネス
-, ,

次のページへ >

おすすめトピック



佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手