「20年間摂食障害で、食べては吐くの繰り返し。誰にも言うこともできずに罪悪感でいっぱいでした」
そう語るのは司法書士として働く本間美実(ほんま・よしみ/39)さん。現在は腹筋が浮き上がるほどの身体をしているが、過去は摂食障害に苦しんでいた。

左2023年、右2025年
「摂食障害は大学生の頃から、2年前くらいまで。なので20年近くです。罪悪感でいっぱいで、食べては吐くを繰り返していました。誰にも言えませんでした」
美味しいものをご馳走してもらったときも、吐きたくなってしまうことがあったという。
「母が作った料理さえも吐きたくなってしまうことがあって……。吐いている姿を誰にも知られてはいけない、摂食障害を隠さないといけない、と必死で隠していました」
誰かの優しさや好意すら”怖いもの”に変えてしまう。その状態を、長い間一人で抱えてきた。
転機になったのは2年ほど前。当時通っていたパーソナルトレーニングジムのトレーナーからの一言だった。
「デブじゃないけど締まっていない」
「その言葉を言われたとき、衝撃を受けました。悔しくて見返してやろうと思って本気で身体を変えようと思いました」
ただ、最初の努力は間違った方向に向いていた。「食べなければ痩せる」と思い込んでいたからだ。
「炭水化物を一切取らなかったり。食事を1日1食にしたり、ときには3日に1回にすることもありました。ハチャメチャな食生活でしたね」
次第に身体も心も削れていった本間さんは、やり方をガラッと変えた。
「筋トレを軸にして、アプリで摂取カロリーを管理し、PFCバランス(※)を徹底しました。昔はよく食べていたお菓子もジュースも基本的には避けるようにしました。日々の筋トレもしっかりと追い込むようにしました」
※PFCバランスとは、たんぱく質(P)・脂質(F)・炭水化物(C)の摂取比率のこと
そして本間さんが「トレーニングを始めてよかった」と感じたことは、見た目の変化以上に、摂食障害を克服できたことだった。
「ボディメイクを始めてよかったと感じるのは、摂食障害を克服できたことです!身体をつくり直す過程で、食べることへの恐怖や罪悪感のあり方も少しずつ変わっていきました」
脂質を抑えて飽きないための食事テク
食事は、低脂質・高たんぱくを軸に組み立てた。鶏ささみや鶏胸肉をゆでて、脂をできるだけ取り除く。塩で食べたり、シーズニングを使ったりして味を変える。魚も多く、かつお、まぐろなどを選び、脂質の多い魚は避けたという。
「鶏のささみ、胸肉をゆでて脂を全部そぎ落とします。塩で食べたり、シーズニングを使って食べたり。お刺身は、かつお、まぐろが基本で脂質の多い魚は控えるようにしました。最近では『パンガシウス』っていう白身魚にハマってます。低脂質高たんぱく、しかも魚自体が安い。継続しやすいのでおすすめです!」
さらに単調になりやすい減量食に飽きないための工夫もしている。
「お味噌とヨーグルトで一晩つけておいて焼くと、どちらも発酵品なので、ふっくら焼き上がります。脂の少ない肉、魚をひたすら調理方法を変えて食べるようにしています」
食事の基本は制限された食事だが、長く続けるために、週1回は好きなものを食べる”チートデー”を存分に楽しんでいる。
「ストイックさだけで押し切ると反動が来るので、週に1度だけ好きな物を好きなだけ食べるチートデーを入れてます。大好きなハンバーガーが多いですね。そしてハンバーガーを食べたあとに、ケーキ、アイス、スナック菓子、ドーナツ、バターサンド、スタバのフラペチーノ、菓子パン……限界まで食べます(笑)」
本間さんの理想は、海外のフィットネスモデルのような筋肉量があってバキバキのかっこいい肉体。
「腹筋バキバキが好きなので、太陽とビーチが似合う、誰もが二度見するようなサーフガールになりたいですね。理想はゴールドジムの広告になっている海外のモデルさんです!今後はフィットネスの大会でオーバーオール優勝を取ることを夢に、ボディメイクをまだまだ頑張っていきます!」
見た目の変化は結果である。ボディメイクを続けられる形に整えたとき、身体だけでなく人生の重たい荷物まで軽くなることがあるのかもしれない。
執筆者:柳瀬康宏
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。
取材・文:柳瀬康宏 写真提供:本間美実










