マッスルゲート選手 コンテスト

36歳獣医師が透き通る白肌とメリハリボディでコンテスト優勝「ボディメイクは趣味です。お菓子を食べる日があっても筋トレを休む日が合ってもいい」

鍛え上げた肉体美を競う大会というと、極限まで筋肉を大きくした選手たちをイメージする人も多いかもしれない。しかし、筋肉の大きさだけではなく、健康的なスタイルや女性らしいボディラインなど、それぞれ異なる基準で競うさまざまなカテゴリーが存在する。

全国各地で開催されている『マッスルゲート』にも、女性が参加できる複数のカテゴリーがある。その一つが「ビーチビキニ」だ。過度な筋量や絞りを求めるのではなく、ビキニが似合う健康的でバランスの取れた身体やステージ上での表現などが評価されるカテゴリーで、トレーニング経験の浅い人でも挑戦しやすいカテゴリーの一つだ。

そんなビーチビキニに初挑戦し、『マッスルゲート東京大会』158cm以下級で優勝したのが、身長150cm、田邉早希(たなべ・さき/36)さん。獣医師として働きながらアクロバット教室も経営し、ウーマンズレギンスフィットネスでも千葉、横須賀、東京ベイ、東京大会で優勝を重ねている。

だが、現在の姿からは想像しにくいものの、田邉さんのボディメイクは一度、大きなリバウンドを経験している。

【写真】田邉早希さんの透き通る白肌で魅せるバックポーズ

田邊早希さん

3カ月で痩せた。しかし、その後に待っていたリバウンド

田邉さんが筋トレを始めたきっかけは、仕事の変化だった。

「以前は身体を動かす仕事をしていたのですが、仕事が変わって、気づいたら肥満体型になっていました」

そこで頭に浮かんだのが、一緒に暮らす愛猫たちだった。

「我が子のように思っている猫たちのために、健康でい続けなければならないと思ったんです。それでダイエットのために筋トレを始めました」

最初に選んだのは、3カ月の短期間プランのパーソナルジム。結果は順調で、体重を落とすことができた。

ところが、ここに落とし穴があった。

減量に成功したことで、その後はジムを継続せず、自分一人でトレーニングを続けることにした。しかし、トレーニングも食事管理も自分の意思だけでは続かなかったという。

3カ月かけて落とした体重はすぐに戻り、その後はさらに増加。ついには過去最高体重を更新した。

「これが大失敗でした」

“痩せること”には成功しても、“続けること”には失敗したのだ。

転機が訪れたのは、それから約2年後。通い放題で、無理なく払い続けられる価格帯のセミパーソナルジムを見つけた。

そこに通い始めてから約3年半。今度はボディメイクを継続することができている。

「絶対に○○する」をやめた

一度失敗した田邉さんが、現在のボディメイクで最も大切にしていることがある。

「無理をしない。完璧を目指さない。これを一番重要視しています」

現在、ウエイトトレーニングは週4日。ストレッチなどのアップを含めても1回40~50分ほどだ。ピラティスやコンディショニングも可能な限り毎日行うが、仕事が忙しい日や、つらいことがあってやる気が起きない日は休む。

その一方で、少しだけ時間が取れれば、寝る前に呼吸のトレーニングをする。隙間時間があればポージングを練習する。

「毎回時間をかけてトレーニングができなくても、やれることができればよしにしています」

食事についても同じだ。

ある程度の摂取カロリーやPFCバランスは意識する。しかし、お菓子がどうしても食べたければ食べる。ハンバーガーが食べたければ、それも食べる。

「絶対これをする、絶対これをしない、絶対これを食べる、絶対これを食べない、というルールは作らないようにしています。自分に“抜け道”を作っています」

一見すると、競技で優勝する選手の生活とは正反対にも思える。

しかし田邉さんにとって、ボディメイクはあくまで人生を豊かにするためのものだ。

「ボディメイクは趣味です。それがうまくいかなかったからといって、自分がダメな人間というわけではないので」

短期間で完璧にこなそうとして続かなかった経験があるからこそ、勝つための100点を求めず、フィットネスを長く続けることを選んだ。

新カテゴリー「ビーチビキニ」で優勝

その積み重ねの先にあったのが、マッスルゲートのステージだった。

東京大会では、これまで取り組んできたウーマンズレギンスフィットネスに加えて、ビーチビキニにも挑戦。158cm以下級で優勝し、2カテゴリー制覇を果たした。

「新しくチャレンジしたカテゴリーでの優勝は、本当に驚きでした。2カテゴリーで優勝できて、心からうれしかったです」

初挑戦だからこそ、準備には力を入れた。

ビーチビキニというカテゴリーで何が求められているのかを研究し、身体づくりだけでなく、ヘアメイクや衣装選びにもこだわった。さらに、自身が得意とするポージングも徹底的に練習した。

「やれることはやり切ったので、どんな結果でも納得するつもりでした。その上で評価していただけたことは、自分の頑張りを認めてもらえた気がして、自信につながりました」

筋トレの目的は「猫たちと趣味のため」

大会で優勝するまでになった田邉さんだが、目指しているのは極端に筋肉を大きくした身体ではない。

「健康的で動ける身体」が理想だという。

その理由の一つが、筋トレを始めるきっかけにもなった猫たちだ。

「猫たちに幸せに暮らし続けてもらうために、自分が元気に働き続けられる健康な身体でいたいです」

そしてもう一つが、趣味のダンス。

年齢を重ねてもダンスを続け、自分が思うように身体を動かしたい。そのための身体づくりでもある。

筋トレを始めてからは身体だけでなく、生活にも変化があった。食事や生活習慣が整い、睡眠時間を確保することも意識するようになった。日中の仕事への集中力も増し、以前よりストレスを感じることも減ったという。

「自分に自信がついて、ポジティブでいられるようになりました」

今度は「支える側」へ

現在、田邉さんは自身の経験を次の挑戦につなげようとしている。

これまでカテゴリーを研究し、何度もステージに立つなかで磨いてきたポージング。その経験を生かし、大会出場を目指す人へのポージング指導を始めるため、少しずつ動き出しているという。

「私も多くの人に支えられて、これまでの結果を出すことができました。今度は人を支えて、励ます側にもなれたらと思っています」

3カ月で結果を出したものの、その後リバウンドした過去。そして、「完璧にやらなければ」という考えを手放したことで続くようになったボディメイク。

お菓子を食べる日があってもいい。トレーニングを休む日があってもいい。

田邉さんがビーチビキニのステージで手にした優勝という結果は、“完璧ではなくても続けること”の先にあった。

【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。

取材・文:FITNESS LOVE編集部 撮影:北岡一浩

-マッスルゲート選手, コンテスト
-

次のページへ >

おすすめトピック



佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手