10月29日(木)~11月2日(月)、スペイン・サンタスサンナで開催された『2026年IFBB世界選手権』。大谷美咲(おおたに・みさき/39)選手がウェルネス158cm以下級、マスターズ35〜39歳級、マスターズオーバーオールの3冠を獲得し、また男子ボディビルでは日本人10年ぶりとなるメダル獲得。寺山諒選手と川中健介選手がそれぞれ優勝まであと一歩の、2位入賞を果たした。メンズフィジークでは原田吉史選手と山田晃義選手もそれぞれマスターズとジュニアで優勝を飾った。日本勢が複数のカテゴリーで表彰台に上がり、日本代表全体ではオーバーオールを含めて金5、銀8、銅5の成績を残した。

大谷美咲が前年2位から優勝へ 川中健介は3カテゴリーでメダル
大谷選手が出場したウェルネスは、ヒップや太ももなど下半身の筋肉の発達と、全身のバランスを評価する競技だ。2025年の『IFBB世界フィットネス選手権』では158cm以下級で2位、マスターズ35~39歳級で3位だったが、今大会は両クラスで優勝。年齢別の各クラス優勝者が競うマスターズオーバーオールも制し、3冠を達成した。
筋肉の大きさや輪郭、全身の均整などを競うボディビルでは、今年の日本男子ボディビル選手権3位の寺山諒選手が80kg以下級で2位、川中健介選手は75kg以下級で2位、岡玲治選手が65kg以下級で3位。ジュニアでは田口昴選手が15~23歳・75kg以下級で3位となった。特に男子ボディビルが一般の部でメダルを獲得するのは、2016年の鈴木雅さん(優勝)以来、実に10年ぶりの快挙だ。
中でも川中選手は、身長に応じた体重制限のあるクラシックボディビル、さらにはクラシックフィジークでも表彰台に上がった。クラシックボディビル175cm以下級で2位、クラシックフィジーク171cm超級で3位となり、ボディビルと合わせて3つのカテゴリーでメダルを獲得。2001年生まれ、24歳の若武者が大車輪の活躍を見せた。
肩からウエストにかけての逆三角形のシルエットや、上半身の筋肉のバランスなどを競うメンズフィジークでも、日本勢が活躍した。原田選手はマスターズ40歳以上級で優勝し、一般の179cm以下級でも2位。初めての世界戦となった山田選手はジュニア21~23歳・174cm超級で優勝し、ジュニアオーバーオールでは2位となった。一般の176cm以下級でも4位に入っている。
同じメンズフィジークでは、国内5連覇中の伊吹主税選手が173cm以下級で3位、外間博也選手は176cm以下級で3位と両者銅メダルを獲得した。
ウーマンズフィジークでは国内4連覇中の荻島順子選手がオープンで2位となり銀メダルを獲得。マスターズカテゴリーを世界2連覇中であっただけに、タイトルにあと一歩手が届かない悔しい結果に。
一般の身長別・体重別クラスに加え、ジュニアやマスターズでも日本勢が上位に入った今大会。大谷選手の3冠をはじめ、原田選手、山田選手の優勝、川中選手の3種目でのメダル獲得など、複数のカテゴリーで成果を残した。特に男子は、国別の結果で一般の部が中国、韓国に次ぐ3位、マスターズで韓国に次ぐ2位と、競技力の高さを示す結果となった。
大会全結果は以下の通り。
2026年IFBB世界選手権 日本人選手の結果
■ボディビル
岡玲治 65kg以下級3位
赤澤範昭 65kg以下級6位、マスターズ50歳以上4位
石井輝男 65kg以下級7位、マスターズ50歳以上2位
加藤直之 70kg以下級10位、マスターズ40歳〜49歳2位
川中健介 75kg以下級2位
寺山諒 80kg以下級2位
井上貴文 80kg以下級4位
田口昴 ジュニア15~23歳・75kg以下級3位
久野清照 ジュニア15~23歳・75kg超級9位
金澤利翼 マスターズ50歳以上6位
■クラシックフィジーク
五味原領 171cm以下級9位
川中健介 171㎝以上級3位
田口昴 ジュニア15~23歳6位
■クラシックボディビル
五味原領 171cm以下級8位
川中健介 175cm以下級2位
井上貴文 175cm以下級12位
白井寛人 180cm超級8位
田口昴 ジュニア21~23歳8位
■ゲームズクラシックボディビル
五味原領 171cm以下級16位
白井寛人 180㎝超級4位
田口昴 ジュニア15~23歳5位
石井輝男 マスターズ45歳以上級4位
■メンズフィジーク
手島祐 170㎝以下級5位
増原駿 170㎝以下級7位
伊吹主税 173㎝以下級3位
外間博也 176㎝以下級3位
山田晃義 176㎝以下級4位、ジュニア21~23歳174cm超級優勝、オーバーオール2位
白井重光 176㎝以下級7位
原田吉史 179㎝以下級2位、マスターズ40歳以上級優勝
■ウーマンズフィジーク
荻島順子 オープン2位
原田理香 オープン4位
■ボディフィットネス
大久保裕美 158cm以下級10位、マスターズ50歳以上級6位
渋谷香織 163㎝以下級5位、マスターズ45~49歳級4位
■ウェルネス
大谷美咲 158㎝以下級優勝、一般オーバーオール2位、マスターズ35~39歳級優勝、マスターズオーバーオール優勝
■ビキニフィットネス
岩崎有希 158㎝以下級7位
西村裕子 166㎝以下級12位、マスターズ45〜49歳級4位
安井友梨 172㎝以下級12位、マスターズ40〜44歳級10位
■フィットペア
伊吹主税&岩崎有希ペア 4位
■ポージングアート
岡玲治 4位
赤澤範昭 5位
加藤直之 9位
■フィットモデル
※IFBB世界選手権ではなくIFBBフィットモデルワールドシリーズカップとして開催
安井友梨 35歳以上級6位
※オーバーオールは各クラスの優勝者による総合審査。ジュニア、マスターズは年齢別の区分を指す。オープンは、その区分内で身長・体重による階級分けを設けないクラス。
※クラシックボディビル、クラシックフィジーク、ゲームズクラシックボディビルは、身長に応じた体重制限など、それぞれの規定に基づいて筋肉の発達や全身のバランスを競う種目。フィットペアは男女ペア、ポージングアートはフリーポーズによる表現を競う種目。
執筆者:柳瀬康宏
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。
文:柳瀬康宏 写真:igor&Jakub










