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「一杯で牛肉200g分の栄養」プロテインなどのサプリメントの活用が筋肉成長の鍵!小沼敏雄✕田代誠

1杯で牛肉200g分の栄養!」 
昔、こんなキャッチコピーに胸を躍らせてサプリメントを購入したことがある方もいるのではないだろうか。トレーニーにとって、サプリメントの活用はトレーニングと同じくらい大切な要素といっても過言ではない。今回は元ミスター日本の小沼敏雄選手と田代誠選手に、自らが摂取しているサプリメントのことや、お勧めの摂取方法について語っていただいた。(IRONMAN2014年7月号から引用)

取材・文・撮影:IRONMAN編集部

小沼敏雄×田代誠 サプリメントの活用対談

「一種類ずつ効果を確認しながら取るのが大切だと思います」

普段の食事について

小沼 普段から余計な脂肪はつけないように気をつけています。私の場合、オフシーズンは炭水化物が多めになります。大会までの減量幅も9㎏くらいありますが、それ以上増えないように注意しています。減量では炭水化物を少なくしていくのは当然ですが、食事を極端に減らすような減量はせず、3食きちんと食べながら減量していきます。

田代 私は現在、白米はほとんど食べていません。炭水化物はオンもオフも昼12時にオートミールを食べるくらいです。量は50〜60g(乾燥状態)くらいです。あとはトレーニング中のエネルギードリンクですね。決めたものをきちんと食べるというベースはオンもオフも同じですが、オフは制限を少し緩めます。外食したり、いつもと違うものを食べたいなと思ったときは食べます。よく「そんなに炭水化物が少なくて大丈夫ですか?」と聞かれるのですが、30代のころと違い、最近は体が炭水化物を欲していないという感じです。筋量も落ちませんし、トレーニングもきちんとできています。

サプリメントの進歩について

小沼 サプリメントをうまく使うと減量しても力が落ちなくなりました。昔のオフは高脂肪食でもなんでも食べていて、減量になるとノーカーボで一気に落とすという方法をしていました。30数年前は今みたいに炭水化物をとりながら落とすという方法は誰もやっておらず、減量で力が落ちていくのは仕方ないと思っていました。今は減量方法も進歩していますが、いいサプリメントが出てきたので、力を落とさずに減量することができます。昔はエネルギードリンクもなくて練習中に疲れ果てていましたが、今は最後までバテないでトレーニングできます。

田代 私は小沼さんより後の世代になりますが、今から20年くらい前にホエイプロテインが市場に出てきました。私自身の減量方法は20代後半のころにはある程度確立していましたが、やっぱり減量中に力が少し落ちるなという感覚がありました。BCAAやグルタミンを取り始めてからは、減量の内容は変わらないのに、力が全く落ちなくなりました。体を大きくする時期よりも、減量の時期にサプリメントの効果を感じます。特にBCAAは体感できます。

小沼 BCAAを飲むとトレーニング中の集中力も高まりますし、最後までエネルギーを持続したままトレーニングできるのは大きいです。90年代に入ってクレアチンが出たときもびっくりしましたね。飲み始めて「筋力が伸びた」と実感できたサプリメントです。

田代 クレアチンが出たのは今から20年近く前ですが、そのころは今以上に重量にこだわっていた時期でした。取り始めると重量がバンバン伸びていきますよね。これは自分の持っているパフォーマンスを100パーセントに近づけるサプリメントなのかなと感じました。力を伸ばすというより、いいトレーニングができるサプリメントという感じです。トレーニングがしっかりできて、重い重量を持てるようになり、筋肉も成長する。だからその分栄養はきちんと取らなければいけないなと思いました。

お気に入りサプリメント

小沼 BCAAとクレアチンは体感できるという点で私もよく勧めますが、ボディビルダーなど減量の必要がある人は、アルティメットリカバリーのような回復系のサプリメントをお勧めします。飲むと飲まないとでは翌日の疲労具合が全然違いますから。減量期には特に体感しやすいと思います。

田代 私はトレーニング中、エネルギードリンクにBCAAを混ぜたものを飲んでいます。トレーニングを2時間やりますので、最後までエネルギーが枯渇しないようにするという目的と、トレーニング中から栄養を入れておきたいという考えです。トレーニング時間が1時間くらいの方でしたら、直前にBCAAを取っておけば問題ないと思いますが、2時間、3時間とやる方であれば、トレーニング中に栄養補給をして異化作用を防ぐ必要があります。私にとってBCAAは必須サプリメントです。それがないとトレーニングをやりたくないと思うくらいです。

間違ったサプリメントの取り方

小沼 クレアチンを溶かさないで飲んだりする方が多いですが、やはり吸収のことを考えたらドリンクに混ぜたりして溶かしてから飲んだほうがいいです。クレアチンを飲むと下痢しやすいという方は特に気をつけた方がいいと思います。総合アミノ酸だったら空腹時に取るなど、飲むタイミングを少し考えてあげるとそれだけでも効果が違ってきますよ。

田代 まずは一種類ずつ効果を確認しながら取るのが大切だと思います。いきなり何種類ものサプリメントを取ってしまうと、効果があったとしても、どのサプリメントの効果があったかが分かりません。それを確認するためには、一種類ずつ試したほうがいいです。あとは摂取量も少しずつ変化させて試してみる。少なくても効果が出ればそれに越したことはありません。大量に取りすぎてもお金がもったいないですから(笑)。

基本はやっぱりプロテイン

小沼 初心者の方でしたら基本はホエイプロテインをしっかり取ることです。プロテインだけでも十分効果があります。あとは体感しやすいサプリを取るのがいいですね。そういう意味ではBCAAやエネルギードリンクがお勧めです。

田代 小沼さんのおっしゃるとおり、初心者はプロテインだけでも十分ですよね。その後トレーニングの内容や目的によって、2番目に取るサプリメントを決めたらいいと思います。重量にこだわりたいという方でしたらクレアチンになりますし、トレーニング大好きで長時間やる方でしたら、BCAAを取ってほしい。プロテインとクレアチンとBCAA、この3つが私のお勧めですが、その3つをいっぺんに取るのではなくて、まずはプロテインを飲んで、量もいろいろ試してみて、自分にとっての適量を見極めてほしいです。


小沼敏雄(こぬま・としお)
1959年1月2日生まれ。埼玉県出身。1978年、大学2年生のときにコンテストデビュー。1983年、ミスター東京&ミスター関東優勝。1985年、ミスター日本初優勝。87年から99年までミスター日本13連覇。14回優勝という前人未到の大記録を打ち立てる。2002年、世界マスターズ40歳以上80kg級優勝。日本ボディビル界の生ける伝説。


田代誠(たしろ・まこと)
(株)THINKフィットネス取締役ゴールドジム事業部 事業部長1971年生まれ。鹿児島県出身。身長164㎝、体重72kg。JBBF日本ボディビル選手権大会4連覇(2001年~2004年)IFBB2013世界ボディビル選手権70kg級3位
 
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