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「3周間で大胸筋が明らかに成長してきた」腰椎分離症でもVシェイプ最強の筋肉美を持つメンズフィジーク選手になれた男

高校生時代は陸上競技に勤しんでいたが、突如腰のケガにより運動の抑制を余儀なくされた。そんな男が出会ったのが筋トレであった。そしていつしか、日本のトップレベルにまで成長を遂げた。究極のVシェイプ(上半身の逆三角形)を持つ唯一無二のメンズフィジーク選手で、今年のオールジャパン選手権で優勝候補に名が上がっているのが、今回紹介する25歳の木村拳太だ。昨年はオールジャパン選手権40歳未満168㎝以下級で4位となったが、今年は前王者、そして2位の岡典明が不在となる。ここでの闘いは、バルク派と言われる西﨑空良との一騎打ちを見せるのか!?

取材:月刊ボディビルディング編集部 撮影:中島康介

「国を代表して世界の舞台で活躍していきたいという思いがある」

一番初めにトレーニングを始めるきっかけとなったのは高校2年のころでした。当時は陸上部に所属していたのですが、引退まで残り約半年のところで腰椎分離症を発症してしまい、激しい運動ができなくなりました。他の部員は練習に励んでいる中、自分だけ何もできずに時間が経っていくことが辛かったんです。何か成長を感じられることをしたいと思い、そのとき唯一腰に負担なくできた腕立て伏せを毎日やり始めて、どれくらいで身体が変わるのか実験してみることにしました。
トレーニングに関する知識などは全くありませんでしたが、どうせやるなら完璧に、なるべく早く結果が出るようにしたかったので、ネットやYoutubeから腕立て伏せに関する情報を探し尽くし、大胸筋に効かせるフォームを覚えました。すると、3週間程で大胸筋が明らかに成長してきて効果を実感できたので、これをキッカケにトレーニングや筋肉への興味を持ち始めました。
しばらく経ってからはトレーニングをやったりやらなかったりと適当な期間がありましたが、トレーナーの専門学校に入り2年目になった2016年、翌年のベストボディ・ジャパン出場に向け本格的にジムへ通い始めました。当時のトレーニング内容はとにかくフォーム重視でやっていました。理由は、今後トレーナーとして活動していくからには、各種目の正しいフォームを覚えていきたいと思っていたこと。自分は関節が弱くケガをしやすい身体なので、フォームへの意識が強くなっていったことです。
現在の分割法は肩、背中、胸、他部位、腕の5分割で、他部位の日は腹筋、脚プラスアルファというセットで組んでいます。プラスアルファは、その日の筋肉の疲労感により変わることがありますが、メインでやっているのはシュラッグ系の種目と、バックエクステンションです。基本的には腕の次の日にオフを入れているので、大体週6日のトレーニングをゴールドジムでやっています。
トレーニングは、全部位対象筋へ確実に負荷を乗せて動作を行うことを意識し、その動作が崩れない範囲内で重量や回数を増やして強度を上げています。対象筋へ負荷を乗せるために必要な要素はたくさんありますが、中でも特に重要視しているのは姿勢、重心、呼吸、初動、握り方の5つです。動作中はもちろんですが、きちんと負荷を乗せるには動作開始前の準備がとても重要なので、先程の5つを完成させた上でトレーニングをするようにしています。
メンズフィジーク競技に取り組んでいる理由は2つあります。まずはパーソナルトレーナーとしてお客様へ質の高いトレーニングや、姿勢改善等の指導を提供させていただきたいと思っているので、これらを追求し続けられるよう競技に出続けています。もう一つの理由は、メンズフィジークという競技をスポーツとして、国を代表して世界の舞台で活躍していきたいという思いがあるからです。そして、メンズフィジークが自分の中で一番かっこいいと思ったカテゴリーだったということです。
昨年のオールジャパン選手権で負けてからは、オフシーズンの食事量、仕上がり、ポージング、メンタル面、各部位の筋量など、全てにおいて反省点が見つかりました。それ以降、初心に返り改善に取り組んでいるので、今年の大会ではどう変化が出るか楽しみです。そして今年一番の目標はオールジャパン選手権優勝。今後は、アジア選手権や世界選手権でメダルを獲っていける選手になることが目標です。

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