コンテスト

垂れ尻は生活の中で改善できる

女性にとって気になる部位のひとつである『お尻』。気になるとは言っても、普段の生活の中でどれだけの人がお尻に意識を注いでいるだろうか。

文:Woman’sSHAPE編集部

ヒップアップのポイント

「まず、ヒップアップしたいのであれば、お尻の構造・正しいトレーニング方法を知ることが大切です」そう話すのは筋肉博士・石井直方先生。

「ヒップアップに関係しているのは、筋肉と骨盤の傾斜です。骨盤傾斜角は地面に対してまっすぐ立った状態で、骨盤がどの位置にあるかということをあらわしています。前傾は骨盤が前に、後傾は後ろに倒れている状態です。骨盤の後ろのあたりにお尻があるので、お尻はつねに骨盤の影響を受けています。後傾するとお尻の筋肉全体が下がり、前傾するとお尻の筋肉全体が上がっていくんです」

お尻の構造上ニュートラルな姿勢で骨盤が前傾していると、腰椎の線が深くでるためヒップラインが少し高くみえるようだ。では、構造を理解した上で実際にトレーニングでヒップアップするにはどうしたらいいのか?

「鍵になるのは大殿筋と大腰筋です。大殿筋の張りがなくなると、肉が下がってきてしまいます。また、骨盤を立たせるために重要なのが大腰筋です。大腰筋が腰椎を前方に引っ張ることで骨盤が起きてきます。ヒップアップには、大殿筋と大腰筋をどちらとも鍛えることが必要です。二つの筋肉がバランスの良い状態をキープするために腹横筋が使えていれば理想ですね」

例えばスクワットの場合、オーソドックスなスクワットだと大腿四頭筋に効く割合が多くなる。お尻にしっかりと効かせるためには、膝のポジションが動かないようにお尻を引きながらしゃがむように変更する。でもそれってデッドリフトの動作と似ていない?そう思った方もいるのではないだろうか。

「ヨーロッパスタイルのデッドです。ジャパンスタイルのデッドではお尻の奥の筋肉に加えて、内転筋と、大腿部付け根あたりからをよく使いますね。日本ではデッドを普及させてこなかった歴史が関係してくるんですが、ちゃんとした形で教えられる指導者がいれば、実はヒップにはいちばんデッドが効くんですよ」。この動作にスクワットを加えるのであれば、脚をワイドにしてつま先を外側に向けた“相撲スタイル”のスクワットが有効なようだ。

垂れ尻を防ぐためには?

構造は理解できたけど、実際に気になるお尻の下のたるみはどうしたら解消できるのか。実はお腹の脂肪を落とすよりもお尻の脂肪をスッキリ取る方が難しいと石井先生は語る。
「身体のなかの脂肪には、落ちにくいものと、落ちやすいものがあるんですね。個人差はありますけど、お腹が落ちやすい人もいれば、太ももが落ちやすい人もいる。概して、背中からお尻にかけては、いちばんしつこいところなので、もうひと頑張り、ふた頑張りしないと、脂肪が落ちてくれないというケースが、圧倒的に多いんです」ならば、たるみが気にならないくらい筋肉をつけてお尻のボリューム感を出すしかない。

そこで、生活の中でお尻をシェイプする方法を聞いた。
「立って家事をしているときとか、電車を待っている時間に股関節を外旋させるとお尻を使えます。ただ立っているだけではなく、つま先、膝は外に向いている状態です。お尻だけでなく、O脚にも効きます。股関節の向きが悪くて、内旋している人が多いですが、外旋させて、膝をしっかり寄せるだけで変わってきます。あとは、歩くときに少し意識をして、後ろのキックを強くするとか。胸を張って、強いキックを意識するだけでも、筋肉の使われ方はよくなります」

このように、普段から「今お尻の筋肉を動かしている」という感覚を掴むことで、トレーニングの際にもお尻に効かせやすくなる。まずは、階段を一段飛ばしで上ってみるなど、身近なところからお尻に対する意識を向ける練習をしてみよう。

石井 直方(いしい なおかた)
1955年、東京都出身。東京大学大学院教授、理学博士。
全日本ボディビル選手権優勝(81・83年)、アジアボディビル選手権優勝(82年)ほか、ボディビル競技での輝かしい実績を誇る。トレーニングをテーマに次々にベストセラーを世に送り出す“筋肉博士”。

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佐藤奈々子選手
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