コンテスト

ダイエットを成功させるための理想の食事法「減量は闘いじゃない」

ジムで筋トレする大半の人たちの目的は減量といっていいだろう。これは別に悪いことではないのだが、運動をおこなえばダイエットができるという思考のままだと自分が描いたような結果は得られない。食事内容は変えず、運動をおこなうだけで痩せるという人はそう多くはいないのだ。それはその人の体質によるところが大きく、一般的には食事を調整しなければ減量はうまくいかない。運動さえやれば食事はどうでもいいということにはならないので、この点は事前に正しく理解しておこう。

文:Hunter Blackborne, CSCS 翻訳:ゴンズプロダクション

継続できる方法を見つけよう

シンプルな話だが、摂取カロリーより消費カロリーのほうが大きくなれば減量は前進する。食事を変えたくないのであれば、唯一できることは運動量を増やし、燃焼されるカロリー量を増やすしかない。ただ、食事量を上回るほどの運動をおこなうというのは決して簡単なことではないし、また、そのような漠然とした考えだけでは減量を成功させることはできないのだ。

減量することを目標にしたのはいいが、何からどのように始めたらいいかわからないという人は多いはずだ。あるいは、具体的なやり方を見つけたとしても、それを継続できるかどうかはそんな減量法を選択したかにもよる。なぜなら、減量法の中には続けるのがあまりにも困難で、どれだけ強い意志を持っていても、途中で投げ出してしまうようなものが数多く存在するからだ。減量を確実に成功させたいと思うなら、消費カロリーが摂取カロリーより多くなることを基本にし、継続可能な方法を見つけることである。

減量というのは、何かと闘うことではない。過酷なやり方に身を投じ、短期間で大量の脂肪を落とすというやり方は決して勧められないし、そのようなやり方で体重を減らしても必ず反動がくるものだ。目安は一週間で200~450g程度の体重減である。これを超えてしまうような減量は、後の反動を大いに警戒する必要がある。

理想的な減量食とは

理想的な減量食というものは、体脂肪が少しずつ減っていくと同時に、その人の健康を向上させるような内容のものである。さらに言えば、そのような理想の減量食は生涯続けていくことができるものであり、一時的に我慢したり、制限したりすることを強要する内容のものであってはならない。

つまり、理想的な減量食はその人のライフスタイルにも影響するということだ。そのような減量食から得られる効果は、ゆっくりだが確実な結果をもたらし、持続させることができるのだ。間違っても、一時的に絶食のような食事をし、目標体重まで減らしたら、それで満足して再びもとの食事に戻すようなやり方には手を出さないでほしい。たとえば、一定期間、グレープフルーツだけを食べるような食事法などがそうだ。そのようなやり方で体重を減らしても、リバウンドでもとの体重にすぐ戻るか、以前を超える体重まで跳ね上がる可能性もある。

食べながら減らすために

信じられないかもしれないが、以前よりも食事量は増えているのに体重を減らすことができる食事法がある。このような食事法は一日5回の食事からなるが、1回ごとの食事量は決して多くはない。5回のうちの3回は緑葉野菜を多く含む内容で、少量の炭水化物(半カップ程度)と脂身の少ない肉(タンパク質)で構成される。例えばそのような内容の食事は朝食、昼食、夕食で摂取する。残りの2回は、3回の食事の間に入れるようにし、健康的な軽食を選択する。

3回の食事で野菜、タンパク質、少量の炭水化物を摂取する理由は次の通りだ。そもそも野菜はカロリー量が低い。結構な量を食べても、身体の中に取り込まれるカロリー量は決して多くはない。タンパク質を食べると満腹感が得られ、その状態が継続する。さらに、タンパク質は腸内で分解されるときにエネルギーを消費する。つまり、タンパク質を食べることは、エネルギーとなるカロリーを摂取しながら、同時に分解するためにエネルギーを消費することになるのだ。炭水化物は体内でエネルギー源になるし食後の満足感をもたらしてくれるので、ほんの少しだけ摂取したい。

選択する野菜は日常的に入手できるものがいい。タンパク質は普段の食事で食べ慣れている鶏肉、赤身肉、魚などがいい。炭水化物も特別なものは不要で、米やパスタを選択するといい。普段から食べ慣れているもの、入手しやすいものを選択したほうが減量食を長く続けることができるので、特殊なものはできるだけ選ばないようにするのが成功の秘訣である。

腹八分目に抑える

喉が渇いたら水を飲むし、腹が減ったら食事をする。食べたり飲んだりすることは本能に従うようにしているという人たちは大勢いるはずだ。しかし、一日5回の食事計画を実践するようになると、24時間のあいだに空腹を感じることはほとんどなくなるはずだ。もし、本能に従って食事をするような人たちが一日5回の食事を実践すると、空腹感がないから結局食べずに過ごしてしまったりすることになる。だからといって、一食ごとの食事量は少ないので、一食抜けば次の食事で大量に食べてしまうことにもなりかねない。これでは何のための計画かわからなくなる。

一日5回の食事計画を立てたら、空腹であろうとなかろうと時間が来たら食事をする。決められた通りにおこなうことが減量を成功させることにつながるのだ。

もうひとつ覚えておきたいのは、8割程度で抑えておくということだ。満腹になるまで食べてはいけない。8割程度満たされたと思ったらそこで食事をやめる。8割満たされれば、時間が経つにつれて満腹感が増してくる。食物は口から入り、食道を通り、胃を経て腸に到達するわけだが、この過程には時間がかかる。つまり、食べてすぐに満腹感は起きないのが普通なのだ。8割ほど腹が満たされたところで食事をやめても、その後、必ず満腹感が得られる。このような意識は過食の習慣を防ぎ、肥満を予防することになるので、食事は8割が基本であることを覚えておこう。

健康的なら減量食にも向いている

一気に体重を減らすような過激な食事法は決して続かない。成功する減量食とは、緩やかに体脂肪を減らすもので、同時に身体を健康にする内容のものでなければならない。今食べている減量食がいいのか悪いのか疑問に思っているなら、それが健康的かどうかで判断してみよう。身体にいい食事法であるなら、それは減量にも向いているということだ。

特定の食材のみを食べ続けるような食事法は、栄養を偏らせてしまうため身体にとって決していいものではない。継続できる方法かどうか、身体にいい食事内容かどうかを見極めて減量を成功させてほしい。もう一度言うが、減量は闘いではないのだ。

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佐藤奈々子選手
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