コンテスト

減量で挫折しないためのアドバイスと大会出場の魅力を教えてくれたクラシックフィジークで優勝した大学職員

堤一志選手大会出場には減量は必要不可欠な要素だ。6月11日にマッスルゲート四国のクラシックフィジーク175cm超級で優勝した堤一志選手は減量で挫折を味わったが、それでも大会出場を勧める。堤選手が語ってくれる大会出場の魅力とは?

【写真】堤一志選手のバキバキに絞れた筋肉美

取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:北岡一浩

堤一志選手

ーー優勝おめでとうございます。いつからトレーニングを始めましたか。
「大学1年生からなので、5年になります」

ーー最初はどのようなトレーニングをしていたのですか?
「初めは知識もなくランニングメインでしたし、トレーニング頻度も少なかったです。2年前にジムに入会して本格的にトレーニングをはじめ、驚くほど身体が変わりました」

ーーそもそものトレーニングをはじめたきっかけを教えてください。
「標準体重にほど遠くおよばない身体の細さで、これではモテない!と思い、男らしくなるために筋トレを始めました」

ーー目標にしていた身体はありますか?
「スタローン・ジェイソンステイサム・シュワルツェネッガーにはまっており、少しでも近づけるようにと思いながら筋トレをしていました」

ーー普段のトレーニングメニューを教えてください。
「嶋田慶太選手の分割法・サイクルをベースにしております。その上で、自分がサイクルをまわしやすい背中→胸→腕(2頭3頭)→脚→オフ→肩・三頭→としております。腹筋はこの中の時間のあるときに組み込まれています。また、筋肉痛の具合によって、肩・三頭の日を飛ばして背中に行くこともあります。その際、肩は、胸か脚か腕のうち2か所に持ってきます」

ーートレーニング中に意識していることを教えてください。
「マインドマッスルコネクションを意識し、対象の筋肉に刺激が入っているのを感じながらトレーニングしております。また、筋肉の起始と停止を意識しつつ、軌道を合わせています。トレーニングの初めに重量を扱う種目(コンパウンド種目)を入れ、中盤に収縮種目を入れます。最後にストレッチ種目を入れて、追い込めるところまで追い込みます。神経の関係上、小指側に力の割合を大きくしたほうが効きやすくなる場合なども考えています」

ーー自慢の部位とそのトレーニングメニューを教えてください。
「未熟者ですが、しいて言うなら背中です」

堤 一志選手の背中トレのメニュー
①チンニング:加重しながら3セット→ドロップセットを3セット。それぞれのセットで、上がらなくなったらジャンプして、ネガティブだけ効かせます。
②ベントオーバーロー:とにかくやる。しっかり効く重量、扱える重量で行います。
③ラットプルダウン:効き具合によってやり方を変えていて、パンプがいいときは、まず重量を扱って、追い込みます。パンプが微妙な時は、低重量で対象筋に刺激を入れてから、強制的に刺激が入る刺激をもとに、重量を上げていってセットを組みます。
④ワンハンドダンベルロー:両足をそろえて、体をインクラインベンチにあずけると、身体が地面と30°くらいになります。右で引くときは右に体重をのせて引きます。のこぎりで木を切るような軌道で引き、最後の広背筋が収縮できる軌道に変えて引きます。
⑤デッドリフト:初めは、しっかり効く重さを扱います。後半は重量を上げてとにかく引きます。
⑥アシストチンニング:背中に血流を流すイメージで、最終追い込みをします。収縮・ストレッチともに意識します。
※②~⑥は、セット数を明確に決めていません。効き具合やパンプ状態・少しおしゃべりしてしまって時間が空いた時などによって、セット数を変えています。

ーートレーニングをしていて良かったことは何ですか。
「良かったことは多々あります。就活の面接で、まずパツパツのスーツについて触れられ、筋トレの話で盛り上がり、合格できたことです。ちなみに職業は、身体をほとんど動かさない筋トレとは無縁の職です(笑)」

ーー私生活では何か影響ありましたか?
「『スポーツは何されているんですか?』と聞かれて、コミュニケーションが上手くいくきっかけを得られます。あとはマッチョはいい人ばかりなので、すごく良い方々とつながることができます」

ーー健康にもいいですよね。
「健康に気遣うことができ、質の良い生活ができます。あと理想の身体に近づく喜び・憧れの目で見られる喜びを得られます。そして、ちやほやされます。 まだまだありますがここでやめておきます」

ーーいいことばかりですね。トレーニングをしていて辛かったことはありますか?
「停滞期があり、周りがでかくなっているのに対して、自分は変化しないということがありました。色々調べたり、周りに相談し、刺激に慣れたのだとわかりました。適度な減量を行ったことで、打破できました」

ーー大学職員ということですが、仕事とトレーニングの両立について苦労、工夫していることは何ですか。
「トレーニングに行く時間が遅くなった時、トレーニング時間が取れないということがあります。残業をする日は、脚トレのあとや、連続してジムに行っている日などに残業して、オフにすることにしています」

ーーお仕事お忙しい中での減量は大変だと思います。減量期に意識していることがありますか?
「ストレスをためないようにすることです。私は食に対する欲に弱いため、制限しすぎると爆発して減量をやめてしまします。なので、大好物のお寿司(刺身)と牛肉のどちらかは、毎日食べます。お米もおなかがほどほどに満たされるまで食べます。野菜も好きなので、野菜でおなかを満たされるように 意識します。これだけでは限界があるので、胸肉も工夫しながら調理してます」

ーーどんな工夫ですか?
「オーブンで焼いて柔らかく仕上げたり、フードプロセッサーでハンバーグにして柔らかくしたりです」

ーーありがとうございます。次の目標を教えてください。
「仕事がポロシャツですが、唯一見える腕が弱点なので、太い腕を作り上げるのが、今シーズン大会後の目標です。ただ直近の目標は、マッスルゲート熊本で優勝することが目標です」

ーー最後にこれから大会を目指す方へのアドバイスをお願いします。
「大会には減量がつきものです。私も昨年は挫折しました。個人的な意見ですが、挫折する可能性があるのなら、ぎちぎちに減量食にしなくてもよいと思います。最後の2~3週間からはしっかりとした減量食にするのが好ましいですが……。その時期は、大会が直前なので気持ちで乗り切れるかと思います。たまには好きなものも食べて良いと思います。わたしのように、牛肉や魚など、減量にも好ましい食べ物が好きであれば、より上手くいくと思います」

ーー減量で挫折しても大会に出ることは大切ですか?
「大会出場に迷ったのであれば必ず出たほうがいいです。たとえ絞り切れなくても、絞れていない人も出ますし、何より、ステージを経験することが大切だと思います。価値観が変わると思います。世界が変わります。今後の筋トレも楽しくなると思います。共に楽しみましょう」

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