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“筋肉芸人”にしだっくすがボディビル大会で優勝!母からのLINEに涙

先頃、開催されたマッスルゲート熊本のボディビル65kg以下級で優勝した西田聖彦選手は、吉本興業に所属するお笑い芸人『にしだっくす』としても活動している。昨年は石川オープンのメンズフィジークで優勝、今年は、東京ノービス選手権のボディビルで3位入賞と躍進しているが、今回の優勝には特別な喜びがあったという。
取材・文 : IM 編集部  大会写真 : 中島康介

【写真】にしだっくすさんの筋肉美

――マッスルゲート熊本でのボディビル65㎏以下級での優勝おめでとうございます。
「地元が熊本で、家族全員が観に来てくれていて、そこで、初めて家族の前で優勝できました。優勝できてうれしいというよりも、両親と姉、弟、僕の妻、親戚のおばちゃんとみんなの前で結果を出せたことが本当にうれしかったです」

――ご家族から掛けられた印象的な言葉はありましたか?
「僕は芸人をやっていて、うだつが上がらない中で、ボディビルもやっています。そんな中で応援に来てくれた母から、大会が終わった後、東京の家に帰ったころにLINEが。そこには『自慢の息子』と書かれていました。すごく泣きそうになったというか『俺はまだ何も残してない』と思っていたけど、母の目にはそういうふうに映っていたのかと思うと、出て良かったなと思いましたね」

――そのLINEに対してどういう返答をされたんですか?
「『もっと頑張るね』と返しました(笑)。恥ずかしいのと、泣きそうになるのと、こういう思いをもっとしたいし、させたい。ここで立ち止まったらダメなんやろうなと色々なことを思いました」

――芸歴は13年のにしだっくすさんは、ボディビルはいつごろ始めたのですか?
「本格的にトレーニングをやり始めたのは芸人を始めて5年ぐらい経ったころです。お笑いで、上にいけないというか全然仕事が増えない中で、何か一個特技を極めたいと思って、本格的に身体づくりを始めました。そこからコンテストにのめり込んでいきました」

――初めてコンテストに出たのはいつだったのですか?
「2015年のベストボディ・ジャパンで、結果は予選落ちでした。翌年にJBBFのメンズフィジークに出場するようになりました。トレーニング界隈の仲間は全然いなかったのですが、大会に出場するようになり、トレーニング仲間もできたことでさらにのめり込んでいきました」

――ボディコンテストに出場するようになった当時のご両親の反応はいかがでしたか?
「特に何も思っていなかったと思います。でも、2019年ぐらいに身体づくりにのめり込み過ぎて『(お笑い芸人を辞めて)ボディビルで頑張れば』とすごくシビアな感じで言われたんです。そこは頑なに『両方好きなことだから両方やりたい』と話をしました」

──今回、優勝をして、目標には変化がありましたか?
「以前までは『ちょっとでも順位を上げたい』という気持ちでトレーニングをしていましたが、『一生フィットネスをやろう』と生涯続けていくことを決めました。自分のための身体づくりなんですけど、家族が喜んでくれたことで、人のために、といった感覚にもなってきました」

――トレーニングを通じて、広めていきたいことはありますか?
「間違いなくフィットネスはいいものだと言いたいです。高齢者が病気をすると、一瞬にして筋力が衰えて歩けなくなったという話や、時間とお金があっても、身体が動かなくて旅行に行けない話などを間近で聞き、筋力の重要性を感じています。今まで『お笑いで結果を出すため』の私利私欲で筋トレをやってきたけど、これから先、自分の健康にもつながるんだなと思うようになってきました」

――芸人というお仕事に対しては、大会に出始めたことでのプラス面の影響はいかがでしょうか?
「これは僕だけかもしれませんが、滅茶苦茶元気になりました(笑)。お笑いのライブに出るのですが、声がデカくなりました。なかやまきんに君さんじゃないですけど、後釜になれるようにというか、ちょっと同じ路線でも違う方向にいけるようにというのを考えています。やることが明確に決まっているので、変な迷いはなくなりました」

――筋肉が付くことで、ポジティブになったのでしょうか。
「そうですね。ポジティブになりました。他の人にはおしゃべりや話術の武器があるように、俺には筋肉があると。できないことはできない、俺にはこれがあると、余計に考えないようにしました。もともと、僕はネガティブなタイプなんです。筋トレばかりやっていて、他の芸人から『あいつ何やっているんだよ』と、筋トレをやっている人たちからは『芸人として結果を残してないんじゃない?』と言われていると思ったり。考えて落ち込むこともあったのですが、両方好きだし、どっちかに絞ってもそれは周りの目であって自分本位じゃないと思いました」

――これからボディコンテストに出ようと考えている読者へメッセージをください。
「やるなら本気でやりましょう。誰かに言われてやっているわけではないと思います。自分の時間とお金を割いてわざわざやっていると思うので、とことんやりましょう。筋肉はお金を出せば手に入るものではありません。長い道のりでもあります。その一方で、そのサクセスストーリーも楽しいと思います。だからボディメイクはこんなに楽しんだと、そこをみんなに感じてほしいです」

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