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“サラリーマン太郎”が1回300円の市営ジムで作り上げた身体で筋肉コンテスト奮闘

筋肉美・健康美を競うボディコンテストの中でも、カテゴリー毎に細かくポージングが考えられていて、エンターテインメント性と出場者への手厚いサポートが人気の『Super Body Contest(SBC)』。その2022年度東京大会である『TOKYO 07』が8月21日(日)、東京・サンパール荒川にて開催され、ボディコンテスト初挑戦の鈴木太郎さん(42)が今大会実施の男子3部門すべてにエントリー、うち「TREND」と「DENIM」の2部門では年末のFINAL出場権を獲得するなど奮闘した。

【写真】筋肉コンテスト初挑戦の鈴木太郎選手が披露したポージング写真

「一言でいうと、最高でした」
初出場の感想を聞くと開口一番、そう語った鈴木選手。コンテスト挑戦のきっかけは、ちょっと意外なものだったという。

「僕の友人と主催者の方がシーズーという犬種を飼っている“シーズー仲間”で、その友人が『せっかく鍛えているなら、太郎ちゃんも大会に出てみたら?』と推薦してくれたんです」

ふだんは塩ビ(塩化ビニール)チューブを製造する会社の係長。仕事のかたわら22歳からサーフィンにのめり込み、30歳からはサーフィンの上達を目的に筋トレも始めた。
「とはいえ、利用料1回300円の市営ジムに通っている程度。特別な身体づくりをしていたわけではないのですが、普通の人よりは筋肉があると思うし、せっかくだからコンテストに出てみようと」

食事制限に加え、出社前の2時間をウォーキングに費やすなど、「今できる最大限」を尽くして大会に臨んだが、出場者にはコンテスト常連組や現役トレーナーも多く、「自分だけが見劣りしてしまったら……」「ポージングで失敗してしまったら……」と不安だらけ。そんな鈴木選手を救ってくれたのが、同世代の出場者たちだったという。

「何もかもが初めてで緊張しかなかったんですが、ステージの上がり方にしても『大丈夫だよ太郎ちゃん、右脚から前に出せば』と、おやじギャグでリラックスさせてくれたり、“おじさんチーム”の皆さんが本当に素敵な方ばかりで。終始『みんなで楽しもうぜ』という雰囲気だったので、僕も周りの方に助けられながら順位を気にせず楽しめましたし、誰が1位になっても『おめでとう!』と心から祝福できました」

「最高だ」と感じた理由は他にもある。

「『恥ずかしいからやめて』と言っていた娘や妻も、当日はキラキラのついたプラカード片手に応援してくれましたし、職場や地元の友達、筋トレコミュニティの仲間もわざわざ駆けつけてくれました。それから、僕なんてたいしたことないのに、職場に僕のことを自慢してくれる人がいたり、友達の子どもから『筋トレを教えて』と言われたり。周りの人たちに影響が少しでもあったとしたら、やっぱりすごく嬉しいですよね」

今回は「TREND」部門と新設の「DENIM」部門共にLEGEND(40歳以上)クラスで5位。初挑戦の充実感や達成感だけでは満足できない自分もいる。

「5位までに与えられるFINALの出場権はギリギリ得ることができましたが、サラリーマン代表としてはこのままじゃ終われねえなという気持ち。幸いなことに、僕は周りにすごく恵まれていて、パーソナルトレーナー並みに知識が豊富な仲間もいるので、アドバイスをもらいながら年末のFINALを目指したいと思います」

好きな事にとことん一途で仲間をこよなく愛する“サラリーマン太郎”の挑戦は続く。

取材:藤村幸代 撮影:田中郁衣

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執筆者:藤村幸代
スポーツとカラダづくりを中心にカルチャー、ライフ、教育など多分野で執筆、書籍構成・プロデュースを行っている。神奈川県横須賀市出身、三浦市在住

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