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『ミックスドペア』日本一!筋肉姉弟に課せられていた、優勝という使命

「そもそもこの競技を始めたのは、『ミックスドペア』というものがあるということを知って、それに出たいと思ったのがきっかけです」

そう語るのは今年、女子フィジークでコンテストデビューした吉岡美里選手。昨年度の日本クラス別選手権王者で日本選手権12位、今もっとも勢いのあるボディビルダーの一人、吉岡賢輝選手の実のお姉さんである。

【写真】筋肉姉弟の息ピッタリ!華麗なるポージング

「ミックスドペア」とは男女のペアで争われるボディビルのカテゴリーの一つ。その歴史は意外に長く、第1回大会が行われたのは1983年。現在はボディビルの全国大会「ジャパンオープン選手権」と同時に開催されており、フリーポーズではペアならではのアクロバティックなポーズが見られるのが特徴となっている。

9月4日に行われた今年のジャパンオープン選手権で、そのミックスドペアのチャンピオンチームとなったのが吉岡美里選手&賢輝選手の姉弟ペアだ。弟とはいえ、パートナーは日本トップクラスのボディビルダー。賢輝選手はもちろんのこと、デビューしたばかりの新人である美里選手も、ある種の使命感を背負ってステージに臨んでいた。

「優勝しないといけないと思っていました。吉岡賢輝というボディビルダーと組む以上、絶対に私がこけるわけにはいきません。これで優勝できなかったら私のせいだということを理解した上で取り組みました」

実際に勝利を収めてほっと胸をなでおろした美里選手。一方、弟の賢輝選手はジャパンオープン選手権の「男子ボディビル」にもエントリー。ボディビルの国内最高峰の舞台が日本選手権で、ジャパンオープン選手権はオーバーオール(無差別級)戦としてはそれに次ぐ大会。日本選手権での上位進出を狙う賢輝選手にとって、これは優勝が義務付けられた一戦だった。

「私がミックスドペアに出ると言わなければ、弟がジャパンオープンに出ることもなかったと思います。弟はジャパンオープンで絶対に優勝しなければいけない立場だったので、私の思いに付き合わせて少し申し訳ないなっていう気持ちがありながらも、(一緒に出られて)すごく楽しかったです(笑)」

賢輝選手も男子ボディビルで無事に優勝。ちなみに、賢輝選手は進行スケジュールとエントリーナンバーの関係でボディビルの予選を終えたあとすぐにゼッケンを付け替えてミックスドペアの決勝に出場……とバックステージでてんてこ舞い。そんな賢輝選手この日の感想は?

「優勝できてよかったですけど、ぶっちゃけやらなければよかったと思いました(苦笑)。でも、姉も喜んでいたので、結果的によかったと思います」

取材・文:藤本かずまさ 撮影:中島康介

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