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キャリア5戦目で日本タイトル奪取したのは、ビッグ3・トータル300kgの怪力女子

身体作りは時間と労力を要する作業である。そのため、ボディビルをはじめとするボディコンテストは年季が必要とされる競技といわれるが、ときとして驚異の逸材が現れることもある。9月4日、金沢で開催されたジャパンオープン選手権大会。その「ボディフィットネス」で優勝した安田千秋選手は、昨年にコンテストデビューしたばかりの新人選手。キャリア5戦目にして日本タイトルを獲得したゴールデンルーキーだ。

【写真】安田千秋選手のパワフルな筋肉美、バックポーズも

「以前は特にスポーツはやっておらず、30歳を過ぎたダイエット目的でトレーニングを始めました」

2017年にパーソナルジムに通うようになった安田選手。そこで指導されたトレーニングはいわゆる「ビッグ3」、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの基本3種目が中心だったという。そのガチな内容にトレーニングの楽しさを感じ取った安田選手は、モチベーションをさらに上げるために何らかのコンテストに出場することを決意。兵庫の名門ジムで現在の所属先でもあるマックスジムの門を叩いた。

「マックスジムを訪れたときに『何か大会に出てみたいんです』と相談して、勧められたのがボディフィットネスという競技でした」

これが昨年、2021年2月の出来事。その約5カ月後の兵庫オープン大会で早速デビューし、いきなり優勝。以後、全国大会のオールジャパン選手権大会以外はエントリーした大会で全て優勝するという快進撃を見せている。

さらに、今年2022年4月にはパワーリフティングの大会にも出場。スクワット120kg、ベンチプレス60㎏、デッドリフト120㎏のトータル300kgを記録。初出場ながら2位という好成績を残した。

「競技ルールに則り自分のマックス重量を公式記録として残したいと思ったんです。トレーニングではマックス重量を基準にしてセットを組んでいるので、重量の底上げをするためのモチベーションの向上につながると思い出場しました」

ボディフィットネスでの躍進は、筋トレの基本であるビッグ3で重たいバーベルと格闘を続けてきた、その賜物と言えるのかもしれない。安田選手の次の試合は9月19日に茅ヶ崎で行われる階級別日本一決定戦、オールジャパン選手権。その先に見据えているのは世界の舞台だ。

「まだあまり大きなことは言えないですが、いつかは世界大会に行ってみたいと思っています。海外のトップ選手のSNSなどを見ていると、まるで別次元の人たちのように感じるんです。筋量なのか骨格なのか、一体私とは何が違うんだろうと。実際に生で見たり、一緒に並んだりすることで、確認したいと思っています」

文:藤本かずまさ 撮影:中島康介

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