トレーニングの取り組み方は十人十色、始めたきっかけや目的ももちろん違う。ここでは、トレーニングに励む愛好家達の軌跡を辿ってみよう。今回紹介するのは、2022年12月3日(土)に開催された「ゴールドジムJAPAN CUP」のウーマンズレギンス163cm超級で3位の佐藤美由紀(さとう・みゆき)さん(38)。
「5年ほど前まで大変太っていて、一時は体重70kg(身長167cm)以上ありました。20代の頃は全く運動せず、毎日のように飲み歩き、休みの日は夕方まで寝ていました。こってりした食べ物やお菓子、タバコが嗜好品で毎日欠かせませんでした。今考えると、恐ろしく不摂生な生活をしていたと思います」
2020年10月、引っ越しをきっかけに、スパやスタジオがメインのジムに入会した佐藤さん。週5日でジムに通い、激しい有酸素運動やファンクショナル系のスタジオプログラムへ積極的に参加した。お菓子をやめて自炊、運動後にはプロテインを飲むなど食生活も見直すと、体重は60kgにまで落とすことができた。
その後、コロナ禍によりジムを一時退会したものの、新型コロナウイルスが落ち着いていてきた2022年5月頃からジム通いを再開した。
「スタジオプログラムの参加はまだコロナの不安があったたため、『いっそ筋トレを始めてみよう!』と思い、ゴールドジムに入会し、そこから本格的にトレーニングを始めました。また、パーソナルトレーニングで自分に合ったメニューと重量を教えてもらい、月に1回見直しをするようにしていました」
2022年5月から本格的にトレーニングを始めた佐藤さんは、5カ月後の2022年10月2日開催の『マッスルゲート東京』で初の大会出場を果たし、見事『ウーマンズレギンス新人163㎝超級』で優勝。12月3日開催のゴールドジムJAPAN CUPへの切符を手にした。
「『ビキニ』に挑戦したいけれどハードルが高すぎるし、何のカテゴリーを選べばいいか全く分からなかったのでジムのスタッフに聞いたところ、まずはチャレンジしやすいウーマンズレギンスに出てみてはどうかと勧められました」
普段は会社員の佐藤さん。仕事や日常生活の中で上手にトレーニングをする時間を作るために、仕事は毎日定時で帰ることを意識し、限られた時間を効率的に使えるように、スケジュール管理は徹底しているという。
「食事は冷凍野菜を積極的に利用し、調理もシリコンスチーマーを使ってレンジ調理で完結するようなレシピにしたり、鶏むね肉はまとめて調理して冷凍しておくなど、とにかく時短と効率化を意識しています。トレーニングは基本的に仕事終わりに行い、土曜日か日曜日のいずれかは行うようにしていて、『肩、背中、脚』の3分割を週2回ずつローテーションしていました」
体重が減らない時期もあったが、あえてカロリーを増やすことで体重停滞を打開することができたという。
「食事は『基礎代謝+100kcal』程度に抑えPFCバランスを考えるようにしていました。P=タンパク質120~130g、F=脂質20~30g、C=炭水化物は残りのカロリー分に合わせて調整し、1日5~6回に分けて食事を取っていました。しかし、摂取カロリーを基礎代謝ぴったりにしたら減量が停滞し、身体もヘロヘロになってしまいました。そこで、しばらく『基礎代謝+200kcal』の期間を設けたら元気になってきて、逆に体重も減りました。メリハリが必要だと身をもって知りました」
大会に向けて食事管理を徹底していた佐藤さんだったが、大会が終わった現在は気が緩んでしまったようだ。しかし、今年もまた大会出場に向けて、ボディメイクに励んでいくと意気込む。
「大会後はタンパク質量以外気にしておらず、絶賛リバウンド中です......。大会が終わった後の増量期でも『減量食と内容をあまり変えず量を増やす』という意識はあるのですが、減量が明けたら我慢ができなくなってしまい今に至ります......。2023年は、フィットモデルまたはビキニに挑戦します」
5年前までは太っていて、運動経験もなかった佐藤さんがトレーニングを始めて健康的な生活に変わり、トレーニングや食事管理も徹底できるようになった。自分の身体が変わっていくまでに挫折してしまう人には、「一度でも変わることができれば、自分の身体の『瘦せ方』が分かるようになる、それまでは諦めないで続けてほしい」とアドバイスした。
「身体を変えるには、食事が7~8割ぐらい大事だと思います。ダイエットに関しては、一度成功すると『こうすれば痩せる』のノウハウが身につき、やろうと思えばいつでも痩せることができるようになると思います。なので、一度でも成功するためにいっそ大会に出る、という引くに引けない期限付きの目標を設定してしまうのも手だと思います。トレーニングはとりあえず2カ月続ければ見た目が変わってきて、自分の変化が楽しくなってくるはずです。だからそれまでは何とか続けてほしいです」
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介
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