2月19日（日）、神奈川・カルッツかわさきで3年ぶりに『マッスルコンテストJAPAN』が開催され、注目の「IFBBプロビキニ」では、タイのニッタヤ・コントゥン選手が前回2020年に続き大会連覇を達成。「優勝したタイトルをしっかり防衛するために、過去最高のコンディションでステージに立ちたい」という戦前の決意表明を見事に体現した。
世界中からトッププロ選手が一堂に会し究極の肉体美を競うIFBBプロビキニは、国内外のトレーニーやボディコンテストファンから毎回、熱い視線を集めるマッスルコンテストJAPANのメインコンペティション。今回は韓国、ブラジル、オーストラリア、アメリカ、香港（エントリー順）のほか、前回は出場がなかった日本人選手も加わり、総勢12名が頂点を目指しステージに立った。
なかでも大会前から注目度が高かったひとりが、タイ初のIFBBプロビキニ選手にしてディフェンディング女王のニッタヤ選手だ。2019年に初開催されたマッスルコンテストJAPANでプロ初戦にして３位の好成績を残すと、翌年の同大会では一気に頂点まで駆け上がった。
その後はパンデミックによる大会延期などにも見舞われたが、2022年は持ち前のチャレンジスピリッツで精力的にコンテストに出場。経験を大いなる自信に変えて今大会にのぞんだ。
「昨年はインド、UK、シンガポール、アメリカ、バミューダとたくさんの国を行き来しながら7大会に出場したけれど、最高でも2位止まりだったので、この大会で優勝できて本当に嬉しいです」
表彰式直後、興奮気味にそう語ったニッタヤ選手は「もしかしたら…運も味方してくれたのかな」と笑顔で続けた。「だって、偶然にも私のエントリーナンバーが前回と同じ『７』だったんです！ 何かいいことが起こりそうですよね」
2連覇の偉業は運などではなく、もちろん努力の賜物だ。
「オリンピアの審査員からお尻を鍛えるようにとアドバイスをもらったので、ヒップスラストやヒップアブダクションなどを集中的に行いました。でも、それだけではダメで、身体にいいものをきちんと食べること、決めたルーティンを一貫して守ること、そして、それらをやり続けることが大事なんです」
審査員7名の全員が「1位」をつけたパーフェクトボディは、やはり一朝一夕には生まれない。ニッタヤ選手がトレーニングでもうひとつ、大切にしていることがある。
「やっぱり、目標を持つことはトレーニングを頑張るどんな人にも欠かせないのでは？ 自分がどのようになりたいか、どこまで行きたいかというビジョンを持つことでトレーニングの内容も、自分の身体も進化していくのだと思います。私の目標は『オリンピアのトップ10に入る』こと。つねにそうなったときの自分を思い描き、決してあきらめることなくトレーニングを続けていきます」
取材：藤村幸代 撮影：中島康介
執筆者：藤村幸代
スポーツとカラダづくりを中心にカルチャー、ライフ、教育など多分野で執筆、書籍構成・プロデュースを行っている。神奈川県横須賀市出身、三浦市在住
