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48歳のミラクルボディ!「40歳まで運動経験ナシで苦手でした」【筋肉道Vol.98】

小林 綾さん40歳を過ぎてから運動を始めた小林綾(こばやし・あや)さん(48)。「なぜ運動しないといけないの?」と体育の時間が嫌で仕方がなかった幼少期。そんな小林さんが現在トレーニングに励む理由、そして大会優勝までの身体づくりの道のりについて語った。

【写真】48歳・小林綾さん! 18枚のミラクルボディ

「2014年に飼い猫が病気になったのが、ジム通いのきっかけでした。2年前(2021年)に猫が亡くなるまでの7年間、毎日朝晩2回の家庭での注射と血糖値測定(注射前と注射2時間後の1日4回)が必要でした。最大8時間しか家を空けることができず、その生活リズムを崩さずに自分のペースでできる“ちょうどよい趣味”が筋トレでした。この頃、猫の病気の治療方法を調べていく中で『内分泌』に興味を持ったことも筋トレを始めるきっかけでした」

2017年10月からウエイトトレーニングを開始。トレーナーの言う通りにできないことに初めは苦戦していたが、じつはその原因は腕を拳上すると肩甲骨の内側が浮き上がってしまう「翼状肩甲骨」だったのだと後に発覚する。

「初めはBIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)から始めましたが、マシントレーニングも上手くできず試行錯誤していました。トレーナーさんに『肩甲骨を寄せて!』と言われても意味が全く分からず、自分がどこの筋肉を使っているのかも体感がありませんでした」

食事はとにかく量を増やすことを意識し、ご飯を1日3合、プロテインも2、3回飲み、お菓子もたくさん食べて身体を変えていった。トレーニングにどんどんハマっていった小林さんだが、さらにトレーニング人生を大きく変える出来事があった。

「2017年末にゴールドジムの初心者向け無料セミナーがあり、全て参加させていただきました。今思うと豪華すぎるトップ選手の先生たちによるセミナーで、人生を変えたといっても過言ではありません。トレーニングとはただ体育会系ムキムキの強い人が根性でやっているのではなく、経験と研究からできた『理論』があるんだ!と知ることができたのが、自分がトレーナーを目指すきっかけにもなりました」

じつは運動経験は『なし』の小林さんは、体育の授業では運動する理由が分からなかったが、今の小林さんは「運動経験は絶対に必要だった」と後悔しているようだった。

「体育が苦手で学校の体育の先生から『姿勢が悪い』と怒られ、怖くて本当に嫌でした。運動をしなくてはいけない理由が本気で分からず、なんで体育会系の人はスポーツなんかするの?と思っていました。しかし、40歳過ぎて筋トレを始めてみると、運動は心身に良いだけでなく、目標を達成することを学ぶ機会であり、さらにストレス下で脳を制御する訓練でもあるから、人間が成長期に絶対経験しなくてはならないことだったんだ……と初めて気がついて、42歳からと遅すぎましたが、自分と似たような運動が嫌いな人のお手伝いがしたくてアルバイトトレーナーとして働かせていただいております。ジムで働くようになって、ご家族の介護の隙間時間にいらしている高齢の会員さんは珍しくないと感じました。『寝たきりの夫を置いて家を数時間あけるのは気が引けるけど、ジムがなかったら自分が潰れてしまう。心が救われる』とおっしゃっているのをうかがったこともあります。じつは筋トレは高齢者家庭の健康を助けていると知り、ジムスタッフは社会貢献につながる職であると信じております」

週5日のトレーニングは日課となっているが、旦那さんの夕食の時間に間に合わせるのがトレーニングの絶対条件なのだという。
「アルバイト勤務がない日は、掃除や洗濯などの家事を全部終わらせてからジムに行き、夕食の時間に間に合うように切り上げるのが絶対条件です。主人がたまに出張や飲み会などで夜いない日は、遅くまで筋トレやストレッチができるので嬉しいです。トレーニングでは自分の骨格に合わせた正しいフォームを保つこと、特にマシントレーニングはとにかくアライメントを崩さないよう丁寧に、コンディショニングも兼ねて整えるつもりで軽量でネチネチやっていました」

3月5日開催の「マッスルゲート埼玉」がコンテストデビューとなった小林さん。ビキニフィットネスマスターズで優勝を勝ち取った。

「ゴールドジムのプロトレーナーに合格し、今度はボディメイクを自分の身体で学ぼうと思い大会出場を決めました。そこで初めて『見た目』にフォーカスしたところ、肩の大きさや背中の広がり、四頭などが全くなくあまりにも細すぎて、マッスルゲートがなければ自分には欠けたままの視点でした」

40歳からトレーニングを始めて年々、活力を増している小林さん。自身もJBBFのビキニフィットネスへの挑戦を目指してトレーニングに励んでいくと決心を語った。

「昨年末『4スタンス理論』の『プレイヤー級トレーナー』の資格を取得しました。次はその上の『マスター級トレーナー』の資格やピラティス講師の資格も取りたいです。自分のような運動が苦手な人に寄り添えるトレーナーとして、ちゃんとご指導できる知識をつけたいです。トレーニングを続けるには完璧主義にならないことが大切です。筋トレ初心者だった中高年の私は、若い頃から運動が苦手で恥をかいてきたので変なプライドがありません。ビリでも構わない、恥をかいてもいい、と開き直ったらあとは前進しかありません。若い頃から運動ができた方と違って、全てが最下位から始める初挑戦なので、逆に言うと全てが伸び代です。他人からどう見られても気にしない!前を向いて粛々と歩みましょう!」

取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介

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