5月3日(水・祝)に東京・北とぴあで『第31回東京ノービスボディビル選手権大会』(以下、東京ノービス)が開催され、ミスター55kg以下級で心臓外科医の華山直二(はなやま・なおじ/58)選手が58歳とは思えぬ見事な肉体を披露し、見事優勝を飾った。心臓外科医とボディビルの両立は、生半可なものではなかった。
今大会には延べ226名の選手がエントリーし、中でもボディビルでは熱い戦いが繰り広げられた。そんなボディビルの55kg以下級で優勝を果たした華山選手は、心臓外科の部長として多忙な日々を送っている。
「現役の外科医として、心臓の手術を行なっています。かなり忙しい日々ですが、色々と工夫して趣味のボディビルの時間を捻出しています」
一般的に外科医は超多忙なイメージがあるが、どのようにトレーニングの時間を捻出しているのだろうか。
「以前は夜にトレーニングを行っていたのですが、残業で夜遅くなると、次の日のことも考えて『今日はトレーニングしなくていいや』となってしまい、継続的にトレーニング出来ませんでした。そのため、超早起きして朝に行おうと考えました」
朝のトレーニングへのシフト。これはサラリーマントレーニーなら誰しも考えることだが、華山選手はその起床時間が極端だ。
「朝は2時半に起きています。それから準備をして、4時からトレーニングを開始しています。早朝は急な仕事の連絡なども少なく、自分さえ頑張れば継続できるため、早朝トレーニングにシフトしました。最初は眠すぎてかなりキツかったですけどね(笑)」
朝が早すぎるため、可能な日は19時には就寝するという華山選手は、自分の時間を多くボディビルに費やしている。そこまで競技にのめり込んだきっかけとは。
「トレーニング歴は8年で、3年目からボディビルを意識し始めました。きっかけは、ジムのトレーナーさんに『華山さん、そのうちステージでポーズ取ってるんじゃないですか』と言われたことです。それまでは、自分なんかが立てる場所じゃないと思っていたのですが、トレーナーさんが言うならと思い、挑戦を決めました。その時のトレーナーさんには感謝しかありません」
「また、今後はよりレベルの高い東京クラス別選手権大会で優勝することが目標です」
超ハイレベルな両立をこなす華山選手。今日もダンベルとメスを振るい続ける。
取材:FITNESS LOVE 撮影:中島康介