「何も辛いことはありません」
砂糖は食べない、お酒は飲まない、化学調味料・グルテンは摂らない、一年中節制を心掛けているという関根秀子(せきね・ひでこ/51)選手は金メダルを首から下げて答えた。
【写真】関根秀子選手の160kgスクワットで作り上げた強靭な下半身
9月9日、栃木県・栃木県総合文化センターで公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)主催「オールジャパン・マスターズ・フィットネス・チャンピオンシップス2023」(以下、オールジャパンマスターズ)で関根選手は45歳以上160cm以下級で4連覇を果たした。
順位発表の際に不安な表情を覗かせていた関根選手。
「年齢を重ねてきて、どんどんこの階級に若い子が増えてきていて、若い子の方がよくみえる。それは仕方ないことだと思っています。正直、4連覇は大変でした」
実際、45歳以上160cm以下級には25名のエントリーがあり、本大会ビキニフィットネスカテゴリーで最多。2位の畠山恵子選手は46歳、3位の町田加奈子選手は45歳と関根選手よりも5、6歳若い。
激戦となった本クラスの比較審査で、目を引いたのは関根選手の強靭な下半身だ。2000年、2006年に男子日本ボディビル選手権優勝の経歴を持つ、谷野義弘氏の指導のもと、160kgのバーベルスクワットなど、重量を扱うトレーニングを大切にしている。
「私にとって、トレーニングがあってのコンテストです。コンテストのためのトレーニングではなく、トレーニングの先にコンテストがあるというのは大切にしています。大会前日までハードにトレーニングを行うコンディションづくりにこだわっています」
ハードなトレーニングと、普通なら辛いと感じてしまいそうな年間を通しての徹底した食事管理だが、関根選手は「とても毎日が充実しています」と当たり前のように答え、次なる目標への手応えを語ってくれた。
「昨年は増量期から減量期で体重の減量幅は5kg、今年は3.5kgほど。調子が良いので、世界一を獲るために頑張りたいです」
過去に世界選手権5位の実績を誇る関根選手は、世界の頂を目指して、次のステージに照準を合わせていく。
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取材:FITNESS LOVE編集部