食べるのが大好きだけど太りたくない。「回転寿司は30皿、1食のご飯は3合と制御しなければたくさん食べてしまう」という藤橋綾（ふじはし・あや／30）さんは4年前までは身長165cm、体重65kgのぽっちゃり体型。さらに太ることに悩んで危険なダイエットにも手を出して体調を崩してしまうこともあったという。そんな藤橋さんを変えたのは筋トレとの出会いだった。
1日サラダチキン1個の不健康なダイエット
インスタグラムのヘッダーには「趣味はやよい軒の米食べ放題」と書くほどの、いわゆる大食い女子の藤橋さん。
「食べることが大好きで、お米もパンも炭水化物が特に好きです。回転寿司ならば30皿食べてしまいます」
しかし周りの目を気にしてしまうタイプの性格で太っていると思われないように無理なダイエットにも手を出して痩せたり太ったりを繰り返していたと振り返る。
「1日、サラダチキン1個だけダイエットで体調を崩すまで行い、体重45kgまで落としたりしていました」
“体力もない、ただただ不健康に細い”。
そんな自覚が背中を押して近所のパーソナルジムに入会。トレーナーの並木眞実さんの指導を受けるようになった。
「週2～3日、1回80分のセッションを受けながら、サマー・スタイル・アワード（以下、サマスタ）でプロとして戦う並木さんに憧れを抱くようになりました」
初めてのステージは緊張で頭が真っ白に
並木さんへの憧れから、藤橋さんはトレーニングを始めて1年ほど経ったころに自身もサマスタのステージに立った。
「2021年のサマスタ埼玉大会に出場したのですが、頭が真っ白になってしまい、ウォーキングも手と足が一緒になってしまうほどでした」
2022年サマスタ埼玉で入賞、2023年にはサマスタ埼玉大会では初優勝と成績を伸ばしていった藤橋さん。結果が出てくると共に内面の変化にも気が付いたという。
「身体が健康的になったことで気持ちも健康的になりました。周りの目が気になったり、自分に自信が持てなかったのですが、少しずつですが自信を持てるようになって、自分を表現することが楽しいと思えるようになりました」
学生時代は「できる限り目立ちたくない、当たり障りのない日常を送りたい」という性格だった藤橋さんだったが、周りの友人からも「頑張っていて素敵だね」と声を掛けられるようになったり、ステージに立つことが楽しいと思えるようになったという。
大食いを諦めない選択肢
トレーニングを始めた頃はアパレル店員だった藤橋さんはサマスタでの入賞をきっかけにパーソナルトレーナーへ転職。自身の経験を誰かの役に立つ形で還元したいと強く語ってくれた。
「トレーニングをすると、身体だけでなく心も健康になりました。その喜びをお客様に伝える仕事がしたいと思い、パーソナルトレーナーを選びました。正しいダイエットのやり方や、正しいトレーニングをお伝えして、身体に悩みを抱えている方が少しでも前向きになることができるお手伝いがしたいです」
食べるのが大好きな藤橋さんにとって最大の喜びは「食べても体型を維持できる方法＝筋トレに出会えたこと」だと教えてくれた。
「昨シーズンのサマスタプロ戦（12月10日）が終わった後もマクドナルドでグラタンコロッケバーガー2個、ポテナゲ（大）、ビーフシチューパイを食べました。4年前までは太らないために食べることを諦めていましたが、今はトレーニングをしているので、痩せる手段として食べない選択肢を取らなくてよくなりました。食べた分だけ運動。食べることが大好きな私にはとても嬉しいことです」
取材：FITNESS LOVE編集部 撮影：舟橋賢
